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立派な妹

「・・・ねえ。」

「なんですか?。」


うん、やっぱりまだ怒ってる。どうしよう、こういう時なにすれば機嫌なおしてくれるのかしら?

そうだ!


「お詫びに、今日1日何でも言うこと聞くからさ、お願い、許して。」

「…ハァ。いいですよ。でも、今度同じことしたら許しませんから。」

「ありがとう!!」 


私は許してもらえたことが嬉しくて、つい抱きついてしまう。


「離れてください。」

「なっ!?」


妹が放った言葉はとても冷たいものだった。

あぁ、やっぱり嫌われてた。

私は、あからさまに落ち込む。


「お姉様ってこういう時、ホントに面倒くさいですね。」

「め、面倒くさい。」

「そういうところです!」


そういうところ、リアクションのことかな?

確かにオーバーだったかもしれない。


「取り敢えず、何でも言うこと聞くんですよね?」

「そうよ、何でも聞いてあげる。」

「そうですね…」


これは、また一晩中抱きしめて頭ナデナデかな?


「じゃあ、訓練に付き合ってください。」

「え?それでいいの?」

「はい」


妹の要求は以外なものだった。


「女王戦まで後二週間程度しかありません。今、お姉様に甘えている時間は無いんです。」

「貴女、一体いつ姉離れしたの?」

「姉離れしたのではありません。現状をしっかりと見ているだけです。どこかの、誰かさんと違って。」


最後辛辣な言葉が聞こえた気がするんだけと…まあいいや。

この子も、いつの間にか大きくなってたんだね。お姉ちゃん嬉しいわ。


「取り敢えず回復魔法の練習に付き合ってください。」

「回復魔法?支援魔法とか、攻撃魔法じゃなくて?」

「はい。いつ、どんなときでもすぐに回復魔法を使えるようにしたいので。」


私の妹というのが信じられないほどしっかりしてる。

「それで、またゴブリンでもぶん殴る?」

「いえ、ゴブリンは殴りません。」

「じゃあどうするの?。」


私が質問すると、


「私です。」

「は?」

「私を思いっきりぶん殴ってください。」

・・・はあ!?






「やだやだ!殴りたくない!!」


私は、子供みたいに駄々をこねる。


「私だって、打たれ強くなっておかないと、いざというときに危ないんです!だから私を殴ってください!」

「嫌!絶対に嫌!!」


そんなやり取りを何度も繰り返し、先に折れたのは妹の方だった。

結局、攻撃魔法と支援魔法の訓練だけして終わった。

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