準備完了
2日後、
「予定通り準備が完了しました。いつでもいけます!」
「そうか…分かった。」
冒険者ギルドのギルドマスターに受付嬢が報告に来ていた。
「1時間だ。」
「はい?」
「1時間で街にいる冒険者を全て集めろ。遅れた奴、来ない奴は置いていく。」
「は、はい!」
受付嬢が走って行く。
1時間後、
全て、ではないが殆どの冒険者が集まっていた。
「静かに!!」
ギルマスの大声が響き渡る。
「これより、マンイータービーの巣攻略作戦を始める!。今回は領主が兵士を動かすのだが、兵士は隊列を組んで移動するため、我々のほうが先に着くはずだ。」
冒険者から不満の声が上がる。
「気にするな。あいつらは自分の身分が高いんだと勘違いしているんだ。哀れみの目でも向けてやれ。そうすれば、怒り狂った兵士の大道芸が見られるかもな。」
冒険者達から兵士を嘲笑う声がちらほらと聞こえてくる。
「先に巣に入るのは好きにすればいい。だが、真っ先に狙われる上に、誰も助けてくれないだろうな。それでもいいなら止めはしない、好きにしろ。」
ギルマスは、攻勢の瞬間を合わせるためにも冒険者達に釘を刺しておく。
「何か質問が有るやつはいるか?」
手は上がらない。
「よし!なら出発だ!!」
『オォーーー!!』
そうして、冒険者達は巣へ向けて動き出した。
領主の屋敷
「もうそろそろ冒険者達が出発する頃だろう。なに、慌てる必要はない。君達は、冒険者達が作った道を堂々と、ゆっくり歩けばいい。」
領主は集まった兵士達にそう告げる。
「そうすれば、君達は大して疲れることなく、安全に進めるだろう?」
優しい声色で話しかける領主は悪い顔をしている。
「危険と苦労は冒険者にでもさせておけ。冒険者は荒くれ者の集まりだ。だが、君達は違う。君達は立派なこの街の兵士だ。」
兵士達は抑えているものの、内心では冒険者のことを嗤っている。
「堂々と、ゆっくりと行って、冒険者達に嫌な顔でもさせてやれ。嫌味を言われるだろうが、それすら嗤ってやれ。なにせ、」
領主は一呼吸おいて、
「君達は、冒険者とは違う、高貴な兵士なのだから。」
こんなことを言われては、誰だって『自分は特別だ』、度も思うだろう。それこそが領主の狙いであり。彼なりの鼓舞の仕方なのである。
こうして、兵士達も巣へ向けて動き出した。




