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交通事故にあった私、蜂になる  作者: カイン・フォーター
古代神殿と遥かなる旅の始まり
121/142

神野

昨日は完成させることができず、更新が遅れてしまいました。

申し訳ありません。

私は、サフィーア。

前世の名前は、神野菜々。


「ただいま、お姉ちゃん。」

「おかえり、菜々。」


私は、一年とちょっとぶりに、お姉ちゃんと再会した。

正確には、ずっと一緒にいたんだけど、これはビーノ姉様だ。

お姉ちゃんとは、ちょっと違う。

だって、私のお姉ちゃんは、今のお姉ちゃん…ルビーノが霞んで見えるほどの天才。

いや、異才の持ち主だった。

私は、常にお姉ちゃんと比べられてきたからよくわかる。

狂気に磨きがかかったものの、前世のお姉ちゃんと比べると、大したことない。

だって、本当にそれくらいお姉ちゃん早い異才…いや、異常だった。

















ある、仲睦まじい夫婦の間に、一人の女の子が生まれた。

名前は、神野宝菜。

後に、『魔女』と呼ばれ、畏敬の念を持たられる存在だった。

宝菜は、医学的に異常な速度で成長していった。

生後3日で首が座り、一週間で寝返りが出来るようになった。

10日でつかまり立ちをして、次の日には数歩、歩けるようになった。

成長速度が異常なのは、身体だけではなかった。

2週間で名前を呼ぶとすぐに振り返るようになった。

一ヶ月、そこで少し喋れるようになり、生後2ヶ月で簡単な会話が出来るようになった。


『神童』


流石に世界の科学者達が黙っておらず、様々な学者がやってきた。

そして、皆口を揃えて神童と言っていた。


生後一年

身長は、小学一年生くらいまで成長していた。

そして、学者や精神は小学生中学年レベルだった。

…勘違いしないでほしい。

この時宝菜は、まだ生後一年である。

そこから、少しずつ成長が緩やかになっていった。



7歳

小学校に入学するのかと思いきや、なんと中学校に飛び級していた。

肉体的にも、精神的にも、学力的にも中学生の域に達していた。

いや、学力は高校卒業レベルのものがあったらしい。

それも、国内有数の名門校レベルの…

ただ、勘違いしてはいけないのは、この時宝菜は、まだ7歳なのである。

普通なら、ランドセルを背負って、元気よく小学校に行っているはずなのだ。

だが、この時宝菜には、3歳年下の妹、菜々が居た。

妹は4歳で、普通の成長をしていた。

しかし、異才の姉を見てか4歳にして様々な才能の片鱗を見せていた。

例えば、筋力、持久力が同年代の子供に比べて高いこと。

ピアノや絵が上手で、読み書きも出来たこと。

頭が良くて、とても4歳が読むとは思えない内容の本を読んだりと、様々な才能を見せていた。


だが、その程度、宝菜は1歳で全て出来ていた。

それどころか、4歳のときには、鍵盤、木管金管、弦、打、全ての楽器を扱えた。

絵は、ピカソのようにどれも芸術的なものばかりで、何度も展覧会が開かれていた。

読み書き?宝菜は4歳で日本語、英語、中国語の読み書きができ、会話もできた。

その時読んでいた本といえば、物理学や天文学の論文や、専門的な世界史の本、古文などの学者が読むような物を読んでいた。

そして、4歳の頃には、『神の落し子』、『神の生まれ変わり』、『叡智の化身』等と、様々な呼ばれ方をするようになり、国が抱え込むほどだった。

しかし、その反面妹の菜々は冷遇されていた。

当然といえば、当然だ。

菜々も天才と言われる域にいる。

しかし、異常なまでの才能をみせる姉が居るせいで、姉と比較される事になっていった。

そのことは、宝菜も理由ごと気付いていて、一人菜々に優しくしていた。




十歳

国内有数の名門校に推薦で入学した宝菜は、暇を持て余していた。

国内有数の名門校とは言うが、宝菜はその程度中学生の時には習う内容を網羅していた。

それどころか、世界一の大学に主席で合格出来るとも言われていた。

しかし、事件が起こる。 

宝菜が誘拐されたのだ。

それを行ったのは中国マフィア。

宝菜を拉致して、中国へ連れて行こうとしていたらしい。

だが、宝菜は一瞬の隙きを突いて、脱走。

その時、マフィアが持っていた銃やナイフを使い、マフィアを皆殺しにしていた。

当然、そのことは世界中で放送されたが、宝菜はまだ十歳。

法律的にも宝菜を罰する事が難しく、国も出来るだけ宝菜を守りたかったのか、罪に問われることはなかった。



十五歳

誘拐騒動を受けて、5年間で世界中の様々な武術をマスターしていった。

特に、日本の武術は全て免許皆伝であり、剣、弓、槍、格闘、全て達人の域だった。

そして、世界の武術を学ぶ際に、様々な言語を学んだことで、宝菜は二十の言語を扱えるようになっていた。

更には、学んだ武術を活かす機会まであった。

妹の菜々が誘拐されたのだ。

しかも、身代金代わりとして、宝菜の身柄を渡せと言ってきたのだ。

相手はアメリカンマフィア。

ライフルまで持っているという重装備で、警察もなかなか手を出せずにいた。

そして、待ちきれなくなった宝菜が、家を飛び出し、博物館のガラスを叩き割ると、飾られていた真剣を取りだし、マフィアの元へ走った。

そこからは、私がよく知っている。

アジトに単騎で乗り込んできた宝菜は、次々とマフィアを袈裟斬りにして、体を真っ二つにしていった。

その時、鬼の形相で怒声を上げながら襲いかかる宝菜を見て、逃げ出すマフィアが続出。

その九割は殺されたが、運良く生き延びたマフィアが自ら警察の元へ行き、このことを世界へ知らせたのだ。

返り血手真っ赤に染まり、鬼の形相で襲いかかる宝菜は世界から、『血濡れの女サムライ』と呼ばれ、絶対に怒らせてはいけない存在となった。


その時、菜々は十二歳で、小学校を卒業する年だった。

元々、菜々も天才であり、自身が冷遇されていること、姉と比較されていること、姉との差を理解していた。

しかし、それでも優しく純粋に愛してくれる姉に、心酔していた。

ちなみに、誘拐されたことを機に、姉に武術を習うが、武に関してはほとんど才能がなかった。

そのため、ちょっとした護身術を学ぶ程度だった。



二十歳

しばらく遊び回ったあと、近くの大学に入学した。

理由は近くにあったから。

ただそれだけだった。

しかし、ここで宝菜人生を大きく狂わせる事が起こる。

妹の菜々がいじめられたのだ。

宝菜が気付いた頃にはもう遅く、菜々は睡眠薬を大量に接種して自殺した。

当然、宝菜はいじめの主犯を殺そうとした。

しかし、国があらかじめ対策していたことで、生徒に被害が出る前に、拘束することが出来た。


そして、精神的に弱っていたとき。

菜々の声を録音したものを聞きながら歩いていたために、赤信号で進んでしまい、トラックにはねられ死亡した。

















「宝菜。どうして、こんなのと関わってるの?貴女は人類史で二度と生まれることのない天才と言われてるのよ?こんなのに構ってると、考えが鈍るわよ。」

「こんなの?菜々のこと?一体、何回言ったらわかるのかな?親なら菜々にそんな言い方するなって。」


お姉ちゃんとお母さんがまた喧嘩してる。

お母さんは、私のことを失敗作という。

私は、全てにおいてお姉ちゃんの下位互換だから。

でも、お姉ちゃんは私のことを大切にしてくれてる。


「行こう菜々。こんな人相手する必要はないよ。」


私は、お姉ちゃんの事が大好きだ。

普通なら、私が冷遇される原因である、お姉ちゃんを嫌いになるんだろうね。

でも、私はお姉ちゃんが大好きだ。

私は、誰にも愛されなかった。

お姉ちゃんを除いては…

誰も愛してくれない中で、お姉ちゃんだけは私のことを愛してくれた。

ずっと味方で居てくれた。

困った時はなんでも助けてくれた。

そして、私を守れるように、自分の部屋に私を匿ってくれてる。

そして、いつも私のことを守るように抱きしめて、一緒に寝てくれる。


「菜々。今日は、何が食べたい?」

「ハンバーグが食べたい!」

「じゃあ、二人でファミレスにでも行こう。」


お姉ちゃんは、カードをちらつかせる。

秘密になってるけど、お姉ちゃんは国から大金を貰ってる。

国からすれば、先行投資のつもりなんだろうけど、お姉ちゃんは大きくなったらアメリカに行くらしい。

その時は、私もついてきてほしいんだって。


「そう言えば、今日はテストが返ってくるんだよね?」

「うん。合計点数は、486点だったよ?」

「スゴいじゃない!!自己ベスト更新ね!!」

「でも、お姉ちゃんはいつも五百点だったんでしょ?それに比べて…」


私がネガティブになると、お姉ちゃんが励ましてくれる。

きっと、今日も優しく励ましてくれるはず。


「菜々。誰かと比べるのは、良いことだよ?でもね、比べる相手をしっかり選ばないと、自分のためにならないよ?」

「高すぎてもダメ、低すぎてもダメ?」

「そう。自分に近い人と比べるのよ。理想は、自分よりも少し頭のいい人かな?」


やっぱりお姉ちゃんは優しかった。

でも、今日はいつもと違って、先生みたいなことを言ってる。

お姉ちゃんのこういう話は、覚えておくと良いことがある。

比べる時は、自分よりも少し頭のいい人。

もしかして…


「それって、しっかり足元を確認しろって事?」

「そうよ。目標が高いことはいいことだけど、高すぎて足元の確認を怠っちゃいけないよ?足元って言うのは、自分の身の程のことだから。」

「遠回しに、身の程を弁えろって言ってるんだね。」


そうか…いくら周りよりも優秀でも、人間一人にできることなんてたかが知れてる。

だから、周りの人に協力してもらえるように、自分の身の程を知り、弁えろってことなのだ。


「わかった。私は、人に点数を見せびらかしたりしない!」

「そうね。自慢することは悪いとじゃないけど、人の信用を失いかねないから気を付けるのよ。」


お姉ちゃんは、そう言って私をファミレスに連れて行ってくれた。


















思い出した。

私は、神野菜々。

桁外れの天才、神野宝菜の妹。


「菜々。本当に菜々なのよね?」

「違いますよ?」

「え?」


そう、私は菜々じゃない。


「神野菜々は死にました。私は、サフィーアです。ビーノ姉様。」

「菜々…いや、サフィー。」


そう言って、姉様は私のことを抱きしめてくれました。


「良かった、貴女が幸せそうで。」

「はい、今まさに幸せですよ。大好きなお姉ちゃん…ビーノ姉様に心の底から愛してもらえて。」

「そうね。私は、菜々のお姉ちゃん…神野宝菜じゃなくて。サフィーアの姉…ルビーノだもんね。」


どうやら、お姉ちゃんもビーノ姉様として生きるつもりらしい。

私が、菜々ではなくサフィーアとして生きるように。

私は、それだけで幸せだった。



  















「さて、シトリンちゃん。」

「あっ、はい。」

「暴走しがちな二人を止めるの、頑張ってね?」

「わかりました…ちなみに、私に前世のあれとかは…」


ビーノとサフィーになにかあるなら、私にも…


「ん?前世の記憶?君は普通に生まれてきたから、そんなものないよ?」

「そ、そうですか…」


デスヨネー

知ってました、あの二人が異常なだけで、私は普通なんだって。

…普通ってのもいいことだけどね?


「まあ、私の加護をつけておいてあげるから、それで我慢してね?」

「しますよ。私は、あの二人の姉なので。」

「そうだ!全員に言っておかないといけないことがあったんだよ!!」


蝶の神は、パンッ!っと手を叩いて、ビーノとサフィーを振り返らせる。


「サフィーちゃんは、自分の力について自覚してるかな?」

「?」

「してないみたいだね。」


サフィーには、何か力があるらしい。


「七大罪ってわかる?」

「嫉妬、傲慢、憤怒、怠惰、強欲、色欲、暴食、の事?」

「そうだね。神々の言語だとちょっと違うけど、意味は同じだから、訳したらそうなるね。」

「このままでいいのね?」

「うん。それで、サフィーちゃんにはその大罪の力が宿ってるの。」


サフィーが大罪の力を?

…そもそも、大罪の力って何?


「いい質問だね、シトリンちゃん。大罪の力って言うのは、かつて七柱の大魔神が持っていた力の事だよ。その力は、七つの悪感情から生まれたんだよね。」

「つまり、負の感情が集まって、意志の力が能力になったってこと?」

「そゆこと。」


大魔神が持つほどの能力を生み出すなんて、意志の力というものは侮れない…


「ただ、今は大魔神は居ないし、力も散り散りされて、一箇所に集まらないようになってるの。用は、大罪の力の欠片が、サフィーちゃんの中にあるって事。」

「最初から、そう言っていれば、分かりやすかったんじゃ?」

「そこはまぁ…」


それくらい察しとけって事だろう。


「それで?サフィーの中には何があるの?」


今は、そこが一番知りたい。


「色欲だよ。」

「うん、納得。」

「そんなことだろうと思ったわ。」

「…酷くないですか?」


サフィーにここまで似合う大罪は他に無いだろう。

けど、どうしてそれを言う必要があるのだろうか?


「サフィーちゃんの色欲は、ビーノちゃんの精神を汚染してるんだよね。」

「え?」


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