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交通事故にあった私、蜂になる  作者: カイン・フォーター
古代神殿と遥かなる旅の始まり
120/142

蜂 制作中

部屋の中心まで歩いてきた所で、突然床が輝き出した。


「うわっ!?」


そして、視界が真っ白になり、浮いているような、立っているような、漂っているような感覚を感じた。


「これは…転移?」


視界が戻ってくると、部屋全体がレンガで出来た謎の部屋に来ていた。

そして、サフィーとリン姉の姿が見当たらなかった。


「ビーノ姉様!ここです!!」


声のする方を見ると、サフィーとリン姉が檻の中に囚われていた。

そして、檻は無駄に高い天井から吊るされていて、高さを変えられるように、滑車が付いていた。


「ビーノ!この檻はただの檻じゃないわ!!私の攻撃で傷一つつかないもの!!」

「それどころか、魔法が一切効かない加工がされてます!!私は何も出来ないのです!!」


困ったわね…完全に脱出できないように対策されてる。

というか、あの檻なら隙間から抜けられるんじゃ…

サフィー達を閉じ込めている檻は、牢屋と言われてイメージするような、縦に金属の棒が何本もある檻だ。


「隙間から抜けられないの!?」

「駄目です!!手をのばす事は出来ますが、肩より先を出せないようになってます!!」


流石に対策されているか…

そして、どうしようか頭を抱えていた時、


「な、何?」


突然、私の前の床が輝き出した。

そして、魔法陣が現れてそこから二メートルを超える、大きな甲冑が出てきた。

そして、その甲冑は大剣を持っていた。


「これを倒せってこと?」


すると、地面の一部が開き、中から溶鉱炉のようなものが現れる。

そして、鈍くギギギと、軋むような音が聞こえてきた。


「しかも、制限時間付きで…」


私は、精霊剣を取り出して、甲冑に向けて構える。

すると、甲冑姿動き出し、持っていた大剣を構えてくる。

そして、私が先制攻撃を仕掛けた。


「ハァッ!!」


私の気合いの入った攻撃は、甲冑の剣によってたやすく止められる。

技術に差がありすぎる。

今の一瞬で、それが分かった。


「来いよ、甲冑野郎。」


私は、自分から攻めるのではなく、攻撃を耐えてカウンターをする方向に変えた。

すると、甲冑が疾風の如き踏み込みで距離を詰めてくる。


「くうっ!?」


その剣撃は、まるで普通の剣のように素早く、軽やかだった。

しかし、それでいて一撃一撃が重たい。

何とも厄介な相手だ、私でも勝てるかどうかわからない。


「でも、サフィーのためにも勝たないといけないのよ!!」

「ビーノ姉様…」

「…私は?」


サフィーは、感動してたけど、リン姉は何か不満があるらしい。

別に、サフィーを助けるときに、一緒に助かるんだからいいでしょ?

っ!?


「っぶな!?」


防ぎきれなかった斬撃が、私の首を浅く切り裂く。

動脈は斬られなかったが、いつ切られてもおかしくない。

どうせなら、思いっきり斬り掛かりたい。

けど、剣の技術で圧倒的に負けている私では、深手を負って痛み分けにすら出来ない。


「くそっ!もう少し剣について聞いとけば良かった!!」


私は、迫りくる斬撃を前に、防戦一方になっていた。

下からの斬撃が来たともさ思えば、次は上から。

上から来たと思えば、次は右上から。

下から斬り掛かってきたと思えば、次は上でも斜め上なく右からだったりする。


「チッ!これじゃあジリ貧じゃない!!」


私は、甲冑に傷を付けるどころか、反撃すら出来ていない。

このままでは、時間だけが過ぎていって、サフィー達が溶鉱炉に落とされてしまう。

それはなんとしてでも避けたい事態だ。

しかし、現状何もできていない以上、この場で剣術を覚えるとかして、なんとかするしかない。 


「サフィー、リン姉。かなり、時間がかかると思うけど、我慢してね?」

「任せてください。いくらでも待ちますよ!!」

「でも、私達が焼かれるまでに勝ってね?」

「わかってる。絶対死なせない。」


私は、サフィーとリン姉のためにも、甲冑の剣術を盗むことにした。


















三時間後

檻は、かなり下まで来ていて、後数十分で檻の底が溶鉱炉についてしまう。

タイムリミットは近付いている。


「ハァ…ハァ…」


私は、疲れを知らない甲冑との戦闘で、かなり体力を消耗していた。

甲冑の剣が、左から首を狙って飛んでくる。

私は、迫りくる大剣を簡単に弾き飛ばす。

そして、出来た隙きを突いて、甲冑の体を斬りつける。


「シャラッ!!」


私の、気合いの入った斬撃は、甲冑と戦い始めたときと比べて、かなり良くなった。

それどころか、甲冑を切り裂き、中の肉まで斬りつけることに成功した。

中の肉体は筋肉質で、斬るときにそこそこの抵抗を感じる。

けれど、そこそこの抵抗であって、簡単に切り裂くとこができる。


「どうしたの?体をやられて、怒っちゃった?」


一応言ってみたけど、この甲冑に感情というものは無いと思う。

だって、今までそれらしい姿を見てこなかったから。

甲冑があるとはいえ、身振り手振りできるなんとなく想像は出来るのに、こいつからはそういうものが感じられない。


「所詮、ただの人形か…」


残念

ここまで来ると、いいものは見られなさそう。

なら、わざわざ時間をかけるわけにはいかない。

一気に畳みかける!!

私は、甲冑との距離を詰めて、斬りかかる…ふりをする。 


「引っ掛かったな木偶の坊が!!」


そして、小さな火球を甲冑の顔にぶつける。

すると、火球が爆発して、甲冑の視界を塞ぐ。

私は、素早く甲冑の後ろに周り、背中から斬りつける。


「まだまだ!!」


甲冑が反撃してくるまでに、私は5回甲冑の背中を切り裂いた。

そのせいで、甲冑の背中はボロボロ。

血は流れ出していないものの、甲冑の肉体はかなり抉り取ってる。

一応、赤色の肉はしているが、血が一切流れていない。

血は流れていないのか?

なら、


「私の実験のためにも、そのハラワタ引きずり出してやらぁ!!」


甲冑の前に来てしゃがんだ私は、下から振り上げるようにして、甲冑のハラワタを切り裂く。

しかし、


「これでも血は出てこないか…元々血がないのか?」


私は、攻撃しようとしている甲冑の右手を切り裂く。

しかし、もう片方の手で剣を構えだした。

それなら…


「これで、攻撃はできないでしょ?」


私が、ニヤニヤしながらそう言うと、甲冑はどうにか剣を掴もうと藻掻いている。

…哀れだね。

私は、藻掻く甲冑を哀れに思い、一撃で首をはねておいた。

すると、溶鉱炉の扉が締まり、サフィー達が囚われていた檻の床抜ける。


「お疲れ様です。ビーノ姉様。」

「お疲れ様、ビーノ。見事だったわ。」

「ありがとう。」


私は知っている。

私が必死に戦っている間、サフィーとリン姉は暇そうに下らない遊びをしていたということを。

私が、必死で頑張ってる横でこれだ。


「ねえ二人共。私の戦い、ほんとに見てたのよね?」

「そりゃあ、もちろん見てましたよ?」

「ええ。後半のビーノの追い上げは凄かったわね。」


これ、上手いことわからない所を言わないように、気おつけながら言っているみたいだ。

この二人も、演技が上手になってきた。


「私、見てるんだよ?二人が暇そうに下らない遊びしてたことを。」

「そんなことしてませんよ?」

「ええ。しっかり見てたわよ?」


…ほんとかな?

まあ、二人を信じてみよう。

そして、サフィーの頭を撫でようとしたとき、また視界が真っ白になる。


「また転移か…」

「今度は離れてないですね。」

「ここはどこかしら?」

「不思議ね~」


…ん?


「は?」

「あれ?」

「どうしたの?」


私達の横に、見慣れない女が立っていた。


「誰?」

「君は関係なから、黙っててね?」

「むぐっ!?」


謎の女が、リン姉の唇を触ると、リン姉は喋ることが出来なくなった。

それどころか、口呼吸が出来ていない様子。


「お前…何者だ?」

「ん〜?私は蝶の神だよ?」

「は?」


蝶の神?

それって、私の持ってる加護にあった…


「そうだよビーノちゃん…いや、『神野 宝菜(かんの ほうな)』ちゃん?」


神野宝菜…私の名前だ。

















「そうだったね。記憶の封印をしたままだったね。今解いて上げるよ」


すると、私の本来の記憶が流れ込んできた。

そして分かった。


「これが、私?」

 

その内容は、自分が想像するものの何倍も凄いものだった。

いや、精神が馴染み始めた。


『天才』


その言葉がどこでも聞こえてくる、鬱陶しい言葉だった。

何をやっても成功して、何をやっても思いどうりにできた。

私は、『天才』だった。

いや、天才ですらない。

言うなれば、『異才』の持ち主だった。


「自分が何者だったか。よくわかったかな?」

「ええ。菜々はどうなったの?」


いじめに耐えきれず、自殺してしまった前世の妹。

菜々は、一体どうなってしまったのだろうか?

すると、意外な答えが帰ってきた。


「菜々ちゃんなら、ずっと一緒にいたでしょ?」

「もしかして…サフィー?」

「ピンポンピポーン!!正解で〜す!!」


すると、蝶の神はサフィーにも私と同じように、眉間に指を置いて封印を解いた。

そして、サフィーが記憶を整理するのを待っていると、後ろから抱きついてきた。


「ただいま。お姉ちゃん。」

「おかえり。菜々。」


この日、私は妹と再開することが出来た。

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