表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交通事故にあった私、蜂になる  作者: カイン・フォーター
古代神殿と遥かなる旅の始まり
110/142

ガキに教育

昨日は、とてつもなく忙しく、夜も眠気がMAXで執筆が進みませんでした。

代わりに、今日は二話投稿する予定です。

「ギルマスが行方不明になったらしいですね?」

「え?」

「…もしかして、今回は関わってないんですか?」

「もちろん。…確かにあいつはキモかった。」


フッ、私の演技力も上がってきてるわね。

ただ、ローケンは商人だ。

商人の観察眼舐めちゃいけない。

きっと、すぐにバレると思う。


「となると、ギルドは後任を誰にするかで揉めてるでしょうね。」

「ええ、それはもう。そのせいで、アルベイの取引が出来ないという問題も出てきましたが…」


ギルド内の荒れ具合はとんでもないだろうな〜

だって、


「この街は、アルベイが採れるからいろんな組織や人間が絡んでそうだからね。その利益を狙うカスどもが、醜く争ってるってわけだね。」


麻薬は、金のなる木だ。

一度ハマれば抜け出せず、そういうやつがずーっと買いに来るから、軌道に乗ればずーっと利益が出る。

それに、植物だからよほど乱獲しない限りはなくなるのこともない。

麻薬売買が無くならないのは、簡単に金儲けが出来るから。


「多少粗悪でも、買いたいやつはお金を出すからね。」

「そうですね。質のいい物だと、この小さい一袋で1ルゴの値がつく事もありますよ?」

「その小さいのが、1ルゴ…金貨一枚って、相当ね。」


確かに、あっちの世界でも金1グラムより、コカイン1グラムのほうが高いからね。

医療用大麻が高値になるなら分かるけど、違法薬物である、コカインが金より高いって、人間の醜さがよく分かる。


「あのキモ豚は、アルベイの甘い蜜を啜り続けて、調子に乗ってたんじゃないの?」

「ですね。あの豚は、欲に塗れた人間のクズのような存在でしたから。」

「行方不明って、言ってるけど、絶対死んでるでしょ?」

「でしょうね。あの豚は、恨みを買いすぎてますから。」


うーん、あいつの死因って、『サフィーに汚い視線を向けた。』なんだよね。

商人達の恨みが爆発…とかじゃなくて、私が結構くだらない理由で殺したんだよね〜

でも、大切な妹を守るため〜、って言えば、マシになるか。


「で?この街にはいつまでいるの?」

「明日、アルベイを買い取るので、それまでですね。」

「早ければ明日出発?」

「はい。それと、一つお願いしたいことが…」


















森のテント


「護衛?」

「そう。いつもアルベイを買ったあとは、スリとか犯罪組織とか他の商人に狙われるんだって。」

「ガッスさん達に任せればいいじゃないですか。」

「最近、ガッス達でも抑えきれなくなってるらしいの。そこで、感知能力に優れて、実力もある私達に白羽の矢が立ったのよ。」


実質、盗賊退治をしてるようなものだ。

それほどまでに、アルベイというのは金がついてくるというわけだ。

どうせなら、指一本触れさせないくらいにしよう。


「殺しちゃ駄目だけど、殺さないなら好きなようにしていいって。」

「好きなように?拷問の実験台に使ってもいいんですか?」

「いいと思うよ?」

「こんがり焼いても?」

「それくらい許容範囲じゃない?」


う〜ん、二人共殺る気満々な気がするのは、気のせい?

サフィーに関しては、何をする気なんだろうか?

私へ近付くやつが居たときの練習?

もし、そうだったら嬉しいな。


「それはそうと、その“肉”は?」

「これ?私の財布をスろうとしたクソガキ。」

「ごめんなさい…許して…ください。」


生意気だったから、外に連れ出して全身をボコボコに殴っておいた。


「姉様、それを拷問の練習に使ってもいいですか?」

「ひぃ…」

「駄目よ。この子が反省するまで私が面倒を見るの。だから、回復魔法かけてあげて。」

「分かりました。こっちに連れてきてください。」


サフィーは、テントを指さしていた。

私は、ガキをテントに入れて外で待つ。

すると、人を殴ったような音と共に、


「おいクソガキ。姉様に優しくしてもらってるんだから、言うこと聞けよ?それと、姉様は私のものだから、調子乗るなよ?」


ハァ…

一回殴られるだけならマシな方か。

あれくらいで嫉妬するなんて、やっぱりサフィーは愛おしいわね。

そして、治療を終えたサフィーが、ガキを連れて出てきた。

ガキは、恐怖で小刻みに震えてる。


「ありがとうサフィー。」

「これくらい大したことないですよ。」


頭を撫でながら言ってるから、サフィーは満足そうだ。

でも、最後にガキを睨むのは良くないな〜


「ガキ、名前は?」

「…リク」

「そうか…リク、ついてこい。」


私は、リクを呼んでサフィーから離れた。





これくらい遠くまでこれば、着いてきてない限りは聞こえないはず。


「リク、お前に親はいるか?」

「いません、捨てられました。」

「そう、じゃあ問題ないわね。」


孤児か…なら都合がいい。


「世の中とんでもない奴が沢山居る。殺人見たでしょ?」

「サフィーとか言う、あんたの妹か?」


私は、リクに平手打ちをしておいた。

何故かって?


「お前如きが気安くサフィーの名前を呼ぶな。最低でも、『さん』を付けろ。それか『姉さん』な?」

「は、はい。」

「あと、リン姉や私にも『さん』か『姉さん』で呼べよ?わかったか?」

「はい、えっと…」

「ビーノだ。」

「ビーノ姉さん…」


このガキ…リクは、しっかり教育してやらないとろくな大人にならない。

それこそ、マフィアになるかも知れないしね。


「取り敢えず、テントに戻ったらナイフとか剣でも磨いときなさい。」

「え?あっ、はい。」


後は、皿洗いとか…他にやらせることあるかな?

まあ、なんかやらせよ。

















「おいリク!!まだ皿洗い終わらないの!?」

「ちょ、ちょっと待ってくださ、ぐはっ!?」


サフィーのヒステリックな声を上げながら、リクを殴り飛ばす。

皿洗いは日替わり制で、今日は、サフィーの担当だ。


「しかも、こんな雑な洗い方して!食器は料理が乗るのよ?これに料理を載せられるの!?」

「ごめんなさ、げふっ!?」

「申し訳ありませんでしょ!?やり直し!!」


サフィーは、皿をリクに投げつけて、ズカズカと私の元に帰ってきた。


「まったく、使えないガキですね。」


サフィーは、リクに聞こえるように、わざと大きな声で愚痴を言う。


「ろくな事をしてこなかったのよ。だから、皿洗いの一つも出来ないの。」

「それに、剣を磨くのも途中だし、やる気あるのかしら?」


私やリン姉も、わざと大きな声で愚痴る。

私達は、教育の為にキツく言ってるけど、サフィーだけはマジだ。

きっと、私に優しくしてもらってるのが気に入らないんだろうね。


「リク!!さっさと皿洗いを終わらせて、剣を磨きなさい!!冒険者にとって、武器は命何だからね!?」

「うるせーな…」

「何か言ったかしら!?」

「なんでもありません。すぐ行きます。」


そして、皿洗いを終えたリクが、剣を磨きに戻ってきた。


「これも、磨いておいて。」


私は、豪華な装飾のされた短刀をリクに渡す。

貴族や王族の短刀かと思ったけど、ローケンに聞いてみたら、違うらしい。

普通に、豪華なだけの短刀らしい。

ローケンは気付かなかったみたいだけど、この短刀は魔法剣だ。

魔法剣は、魔法が付与された剣のこと。

魔剣は、剣そのものが力を持ってる剣のこと。

この短刀には、切れ味を良くする魔法が付与されてる。

売れば、装飾も相まって相当な値段になるだろう。


「私は、昼寝するから、ちゃんと剣を磨いといてね?」

「分かりました。」

「そこは、かしこまりましたって言うのよ。もういいけど。」


サフィーが、何か言おうとしてたけど、その前にお姫様抱っこでテントの中に連れ込んだ。


「どうしてあのガキに優しくするんですか?」


サフィーは、リクに聞こえないように小声で話してきた。

それを見て、私は防音の魔法をかける。


「あの子が、真っ当な人生を歩めるようにするためよ。」

「そこまでしてあげる理由が分かりません。」

「先行投資よ。あの子が、将来立派になったとき、色々頼めるようにね。」


失敗すれば、次に活かせばいい。

どうせ、今日明日だけなんだから、大した損にはならない。

すると、サフィーが絡みつくように抱きついてきた。


「私も一緒に昼寝していいですか?」

「いいわよ?ただ、そうやって絡みつかれると寝づらいから離れてね?」


私達は、三十分ほど昼寝をした。

















俺の名前はリク

今、ヤバい姉妹に捕まってる孤児だ。


「剣を磨くときは、もっと丁寧に磨くのよ。」

「はい。」


サフィー姉さんは怖いけど、残りの二人はなんだかんだ優しい。

ビーノ姉さんは、サフィー姉さんの話をすると怖くなるけど、それ以外では基本優しくしてくれる。

リン姉さんは、普通に優しい。

今も、俺を膝の上に乗せて、一緒に剣を磨いてくれてる。

…デカイ2個の果実が頭に当たって興奮する。


「もっと丁寧に。聞こえなかったの?」

「も、申し訳ありません。」

「敬語が上手くなってきたわね。」

「あ、ありがとうございます。」


さっきまでは、無理して厳しくしてくれてたのかな?

俺が、しっかりした奴になるようにって。

ビーノ姉さんも、あえて俺に厳しくしてたのかな?

サフィー姉さん…本心だろうけど。


「あの…」

「ん?」

「俺、まともな人間になれますか?」


聞いてみたかった。

この人達が、俺のために色々してくれてるんだったら、まともな人間になりたい。


「それは、君次第じゃない?」

「俺次第?」

「周りがどんなに支えてくれても、本人が変わりたいと思わなかったら、それはただのお節介だからね。まともな人間になりたいなら、自分が変わりたいって思わないと。」

「自分が、変わりたいと思う…」

「自分を変えられるのは自分だけだよ。他人が出来るのは、機会を作ること。そこで、変わるか変わらないかは、その人次第。」


自分を変えられるのは自分だけ、か…


「どうしたら変われますか?」

「周りの人を見なよ。そして、自分が正しいと思う人の真似をすればいい。それが、一番簡単に変われる方法だよ?」


俺は…変わりたい。

ここで、姉さん達に厳しくされて、自分のやってきた事がどんなことかわかったか気がする。

散々人に迷惑かけて、自分より弱いやつに怒鳴り散らして、何やってんだ俺は…


「ビーノにボコボコされて、どう思ったの?」

「それは…」

「私は怒らない。だから、正直に言って。」

「すげームカついた。でも、それ以上に怖かった。」


自分よりも、圧倒的に強い存在に手を出してしまった。

動けなくなるまで殴られて、体の芯まで痛くて、殺されるんじゃないかって思った。

そして、そのまま森に連れてかれて、そこでリン姉さんとサフィー姉さんに出会った。


「サフィー姉さんって、あれ本心ですよね?」

「そうだね。サフィーは、ビーノに優しくしてもらってる君に、嫉妬してたんだよ。」

「しっと?」

「羨ましかったんだよ。」


…は?

あんなに優しくしてもらってるのに?

ビーノ姉さんは、サフィー姉さんのことをとことん甘やかしてる。

それなのに、まだ羨ましいって…


「サフィーのことは、深く考えない方がいいわよ?あの子は狂ってるから。」

「は、はい。」

「にしても、これなら今日中に開放してもいいかもね。」

「?」


今日中に開放?

なんのことだろう?

取り敢えず、この短刀を磨いとかないと、またサフィー姉さんに怒られる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ