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交通事故にあった私、蜂になる  作者: カイン・フォーター
古代神殿と遥かなる旅の始まり
109/142

クソ豚屠殺

冒険者ギルド


「これは!?」

「よくわかんない蟻の群れが襲ってきたから、返り討ちにしたの。まずかった?」

「いえ、むしろ感謝したいくらいです。」


そんなにか…

確かに、あの蟻の群れが街に向かってきたら、ただじゃ済まないと思う…あれ?


「この街に魔物が襲ってくることなんてあるの?」


この街は、アルベイの煙で覆われてる。

魔物が寄り付くとは思えない。


「この、蟻の魔物、軍団蟻(アーミアント)には、アルベイの煙が効かないんです。」

「効かない?蟻なのに?」


蟻は、ほとんど目が見えない。

その代わり、ニオイに敏感で、敵味方の判断や巣への道をニオイを使って覚えてる。

そんな蟻に、魔物が嫌う悪臭が効かないなんて…


「なんでも、この近くのアーミアントの巣の中には、アルベイが自生しているらしく、そこで耐性を獲得したのでは?と、言われています。」

「巣の中に?光源はどうしてるんだろう…」


アルベイは、カシとよく似てる。

日陰で育つような植物じゃないはずなんだけど…

ヒカリゴケでもあるのかな?


「異世界なら、強い光を放つヒカリゴケくらい、あってもいいと思うけど…」

「はい?」

「気にしないで。それよりも、報酬って出るの?」

「もちろんです!ちょっと待っててください。」


そう言うと、受付嬢は奥へ走っていった。


「いくらくらい貰えますかね?」

「さぁ?労力的に、ホントのホントに最低でも一ルゴぐらいは、欲しいかな?」


ちなみに、この世界のお金の名称は、

銅貨→1カプ

銀貨→1シル

金貨→1ルゴ

と、なっている。

…これも、勇者のいた三百年前に変わったらしい。

カプは、カッパーのことだろう。

シルは、シルバー。

ルゴは、ゴールドを色々弄ったんだろう。

あの時代の勇者は、郷に入っては郷に従えという言葉を知らないらしい。


「お待たせしました。討伐報酬です。」

「おぉー!」


受付嬢が持ってきたお盆?には、金貨が五十枚も乗っていた。

すると、受付嬢が、


「ギルマスが嗅ぎつけてくる前に、すぐに仕舞ってください。」

「え?」


ギルマスが嗅ぎつけてくる?

…まさか

私は、すぐに金貨を収納した。

それと同時に、


「そこの娘ら、今何を片付けた?」


醜い豚男が現れた。

あれだね、ゲスノ子爵みたい。


「討伐報酬だけど?」

「ほう?いくらだ?」

「五十カプよ?」

「ふむふむ…」


コイツ…汚い視線を向けやがって。

無駄に身長高い豚男は、私達を見下ろしながら、全員に舐め回すような視線を向けてきた。

キモイ

ひたすらキモイ。


「まぁいいだろう。」


こういう奴は、ろくな事をしない。

きっと、刺客とかを差し向けてくるに違いない。


「大丈夫ですか?」

「刺客くらい、大した事ないわ。全員返り討ちにして、済にするだけよ。」

「それもありますが、余計な事はしないように。そこを突いて、権力を振りかざしますよ?あのクソ豚は。」


これには、私も思わず顔を歪ませてしまった。

権力を振りかざすとか、ゲスのやることじゃん。

あいつは、早めに屠殺しないと、この街に悪影響を及ぼすはず。

一人になったところを、リン姉に誘拐してもらって、跡形もなく焼き払うか。

私達は、刺客を警戒しながらギルドを出た。
















いつものバーで飲んでいると、案の定刺客が現れた。

まだ、襲ってきてないものの、私達を狙ってるのは確かだ。


「リン姉、準備は?」

「いつでも行けるわ。」

「じゃあ、私とサフィーが囮になるから、全員しびれさせておいて。」


私は、すやすやと眠ってるサフィーを背負って、バーを出る。

そして、出てしばらくのところで、刺客が襲ってきた。


「何!?」

「気配が消せてないのよ、無能共。」


その瞬間、リン姉が電光石火の動きで全員の体に、電流を流し込み、麻痺させる。


「残りは?」

「すぐに片付ける。あと二人だからね。」


リン姉は、残り二人の刺客の元へ向った。

私は、こいつらを森に運ぼうかな?
















「んだよ、あの化け物は!?」

「バカ女3人を捕まえる、簡単な仕事じゃなかったのかよ!?」


刺客共が、悪態をついてる…


「おやすみ。」

「え?」

「は?」

「あっ、しまった。」


私は、勢い余って二人を感電死させてしまった。

ま、いっか。

処理がしやすくなったし。

取り敢えず、空間収納に入れて持って帰る。






「あれ?さっきの二人は?」

「感電死させちゃった。」

「じゃあ、四人もそうしておいて。情報を引き出すための人間は、一人でいいからね。」


四人まとめて電撃で殺すか。

私は、さっきみたいに電流を流して、即死させる。

元から気絶してたのに、電撃を浴びせると、何故かビクンッ!!って、跳ねるこれ。

これって、どうしてなんだろう?


「始末したよ。」

「じゃあ、空間収納に回収しておいて。ついでにそいつも担いできて。」

「…私、貴女の姉だよね?」

「可愛い妹が、姉を頼ってるんだよ?」

「頼ってるというよりも、利用してる…」


あ、これ絶対聞いてくれないやつだ。

ビーノが無茶苦茶なことを言うときは、大体反論を聞かない。

何言っても、それをやり通そうとするから。


「ハァ…私、姉なんだけどな…」

「姉なら、妹の為に尽くしてよ。」

「そんなことするのはね?ビーノ、貴女くらいなのよ…」


ビーノの行動原理は、大体がサフィーのためだ。

サフィーへの愛で動いてる。


「あの見てるやつはどうする?」

「ほっとけばいいでしょ?」

「でも、クソ豚に弱み握られるよ?」

「リン姉、こいつら焼却処分したら、貴女にクソ豚を回収してきてもらおうと思ってね…」

「は?嫌だけど?」

「拒否権があるとでも?」


うーん、良くない。

このままだと、また喧嘩になる。

あれかな?私が姉妹最速だから、こういう回収作業が得意だろー、って…


「わかったわよ、やればいいんでしょ?やれば。」

「うん、理解の早い姉は、頼りになっていいね。」

「利用しやすくての間違いでしょ?まったく…ホントに姉使いが荒いだから。」


きっと、私のことはサフィーと幸せに暮らすための、世話係としか考えてなさそう。

…マジでありそうなのが怖い。


「ビーノはさ、私のことを何だと思ってるの?」

「リン姉のこと?うーん、使い走りにしやすい姉。」

「わかってはいたけど、改めて言われると、くるものがあるわね。」


本当にサフィーにしか、興味ないんだな〜って。

私は、刺客を担ぎながら、ビーノについて行った。

















「ヘイ、ジョージ。気分はどう?」

「ジョージって誰だよ?」


ホントよ。

ビーノは、たまに変なこと言うからよくわかんない。

なにげに、姉妹の中で一番謎なのかも。


「取り敢えず、あんたの雇い主はあのクソ豚でいいかな?」

「そうだな。」


あら?

意外とすぐに吐いたね。


「知ってることは話す、だから命だけは…」

「ふーん?いいよ?」


嘘ね

ビーノが、人間相手にそんなことをするはずがない。

だってビーノは、サフィーのためなら、家族すら容易く切り捨てる狂人だから。

そして、刺客が一通り大事な情報を話したあと、


「そう、もう行っていいよ?」

「感謝する。」


そう言って刺客は立ち去ろうとしたが、


「やっぱりこうなるのね…」


ビーノの飛ばした、人体をあっという間に灰にする炎によって、刺客は火刑に処された。


「サフィーに、手を出そうとした時点で、こいつらの死は確定してのよね?」

「当然でしょ?もちろん、あのクソ豚ね。」

「どうするの?今から行った方がいい?」


私は、一向に構わない。

でも、これはビーノに頼まれてやってる事だから、ビーノの意見を聞きたい。


「もう少し、情報を集めてからね。もし、私より強い護衛がいたら、リン姉が逃げ切れるか分からないからね。」

「使い走りが死ぬのは嫌?」

「嫌だね。私だって、リン姉に姉妹としての最低限の愛情は持ち合わせてるからね?…ホントだよ?」

「いや、信じられない。」


あの、ビーノが最低限の愛情を持ち合わせてる?

信じられない。きっと、嘘に決まってる。

そうか!最低限の愛情は持ち合わせてるって、道具に向ける愛情か!!

それなら納得がいく。


「リン姉、なんか変に解釈してない?」

「してないわよ?私は、貴女の言葉を正しく理解しただけよ。」

「絶対違うね。」


ビーノが、最低限の愛情という言葉を使うときは、道具に向ける愛情って事がわかった。

これで、また一つビーノの謎が解けた。

私は、満足してテントに戻った。













三日後


「き、貴様ら…こんなことをして、ただで済むと思っとるのか!?」

「はあ?元々、ここで殺す気なんだから、誰が何をするのよ?」


リン姉が捕まえてきた、クソ豚を処刑…屠殺することにした。


「お前みたいな奴に、わざわざ拷問する気はない。疲れるからね。」

「何だと!?」

「変わりに、少しずつ燃えて死ね。」

「な!?」


今更言うのもあれだから口に出して言わないけど、火刑ってかなり苦しい処刑方法だ。

体を焼かれる激痛はもちろんのこと、焼かれることで二酸化炭素なのどが発生して、酸欠にもなる。

火傷と酸欠の二重苦を味わうことになる。


「ぎゃあああああああああ!?」


アキレス腱は切ってある。

このまま放置しても気付かれないだろう。

…念の為、こいつの周りに防音の魔法を掛けとくか。

クソ豚が、何か喚いてるのは見えるけど、何言ってるかは聞こえない。

口がパクパクしてるくらいだ。


「さ~て、私も寝よ〜っと。」


翌朝見に来ると、クソ豚は骨だけになっていた。

一般的な主人公の悪徳領主を攻撃する理由。

→美少女が苦しんでる。

→何かを差別してる。

→金の亡者

→クズ

ビーノの場合

→サフィーを汚い目で見たから。

→サフィーに近づいたから。

→腹立ったから


流石、イカれサイコシスコン姉。

理由がイカれてる。


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