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断罪失敗者の末路(Said:クリス)



 ご機嫌よう、クリスティ=クロノスと申します。



 この度、家族が協力してくれたお陰で《悪役令嬢》にならなくて済みまして、幸せ一杯です。



 私が紹介しますのは、学院の卒業パーティーにて私を《悪役令嬢》として断罪しようとしていた者達の顛末となります。



 しかし、皆様。



 私は前世の記憶として、いろんな《悪役令嬢》と名のつく小説を読み漁りましたが、イスキオス帝国を舞台にした物語を読んだ記憶がほとんどありません。



 この世界に生きる人々は皆、地に足をつけて息をしております。



 私は、看護学校を卒業した後、病院に看護師として就職して働いていましたが、度重なる感染症の波による人手不足に悩まされて働き続けて追い詰められてしまった結果、クロノス侯爵家に転生したようでした。



 美容と服飾が大好きで、働いた給料は大好きなモノに注ぎ込んでいたんですけれど。



 こほん。



 さて、私が《悪役令嬢になりたくない》という願いを抱いたのは、とある言葉を聞いたからでした。



「この学院に入学したら、王子様も、未来の騎士団長様も、高位の貴族令息も沢山いるわ!この豊満な身体と好みの男のみに使えるよう開発した魅了魔法を使って、夢だった玉の輿になるのよ!!好きになった方に相手がいようが関係が無いのは実証済みだもの。うふふ……楽しみぃ!!!」



 これぞ、異世界へ転生した私へのご褒美!と叫んでいたピンク頭のフワフワを、学院での教育課程3年目を迎えた日の中庭で見かけたのです。



 そうと決めたピンク頭が、ウィリアム(既に王子ではないので呼び捨てにします)にワザとぶつかりに行くのを、ジーーーッと見てしまった為に、私が《悪役令嬢》にされるのではないかと思ってしまった次第なのです。



 ね?



 その時の判断、間違っていなかったでしょう?



 こほん。



 私を断罪して失敗した者達の顛末でしたね。



 では、僭越ながら。



 ウィリアム=フォス=アステーラス=イスキオスは、王族の身分を剥奪されて廃嫡され、先王の弟君が統括している離れ島に行かれるそうです。

 炭鉱がある島で、それなりに島は栄えているそうですが、働き手は全て罪を犯した者達ばかり。

 それも頑強な方達ばかりで、なよっちぃアイツが存分に働けるかは分かりません。

 なんせ騎士に守られる立場にある者が身体を鍛える必要が無いと抜かしやがった奴なので、筋力なんて無いんです。

 私が王子妃教育なる雁字搦めの教育を受けさせられていたのは、こいつのバカなオツムの尻拭いをさせる為であり、なんら調整をしやがらなかった王族なんてクソ喰らえ!っと……こほん。

 ノルマが達成できなければ、様々な折檻をされるそうですよ?

 いつの時代の罰を適用しているのでしょうか。

 体力は治さず、怪我だけを治療して労役をエンドレスなんだそうです。

 あら、便利な魔法がありますね。



 セイロン=パランクスは、貴族籍を抜かれて平民になりました。

 ただ、コイツ。

 機械分野に於いては秀でている方でしたので、グランコールという都市にある研究者に配属されるんだそうです。

 え??罰になってない???

 そんな事はありません。

 コイツに支払われる給料は全て、私の戦友でもある友人シエラの懐に入ります。

 仕事内容も、機械に取り込む色素や使用する液体が人畜無害な物かを被検するだとか、危険な場所にある貴重な材料を単独で取りに行くだとか色々なんだそうです。

 馬鹿な元王子よりは、ユスフール伯爵家に支払われたパランクス家の賠償金額の返済を含めて、少ない年数で済むのでしょうね。

 パランクス公爵の当主レウクトラ卿は、愚息がしでかした責任を取って蟄居し、嫡男であるジョージ様に譲られました。

 ご英断よね?



 騎士団長の息子、サイラス=クロフォード。



 こいつね、一応クロフォード侯爵家の次男なんですのよ?

 クロノスの家と同じ家格なんだけど、我が家の次男坊であるユージーンとは、えっらい違う!

 筋肉を褒められて、ピンク頭に惚れたという筋肉馬鹿でしかありませんの。

 しかも「貴方に守られながら、ウィル様に尽くしたいの」と言われて騎士の誓いをした勘違い野郎。



 民を守る為に誓えよ、ばーぁか!……こほん。



 サイラスもまた、貴族籍を抜かれて平民に。

 父親であり、騎士団長であるゼクス=クロフォード様の命によって、西方の国境であるダウナント地区の警備に当たらされる事になりました。

 婚約者であったルクレツィア=ピースミリオン様が、大層甘っちょろい方で、辺鄙なところに行っては可哀想とか言いやがりましたから、なーんか中途半端になった感じが致します。

 でもね???

 実は、ダウナント地区って砂漠の入口らしくて、かなり暑いんですって。

 で、サルゴン帝国首都までの輸送や運搬時の警備を無給でするのが罰に当たるんだそうよ。

 タダ働きは、ブラーック!!の証。



 宰相の嫡男であったナダル=キーナ。



 これがねぇ、中々の面倒で。

 キーナ家唯一の男だったから、現当主のパレラ=キーナがゴネにゴネやがった!

 てめぇの教育指導不足だろぉが、ばーか!!

 しかも!

 パランクスと違って、当主交代も無ければ蟄居もしないのよ!?

 馬鹿を通り越してんじゃないの!?

 こんのバカあほボケくず、てめぇ、ち○こついてんのか、あぁーん!?



 げほげほっ。



 ある日、キーナ家が輸送する品の中から禁制品である麻薬が大量に発見されました。

 ある日、キーナ家が主催するパーティーで、国で禁止されている人身売買が謙虚されました。

 ある日、キーナ家で裏帳簿が見つかり、収めるべき税金を遊興費に使っている事が発覚しました。

 ある日、キーナ家の別宅で大量に死んだ若い女性の血で満たされたバスタブに浸かるパレラの妻バートリが捕まりました。



 え!?

 最後のはサイコパスではございません???

 ヴラド=ツェペシュみたいな奴が居たってことで構わないのよね??

 うっわー、ハントしなきゃ。



 うぇっほん。



 シリウス叔父様曰く、最初の3つは割と簡単だったんですって。

 ですが、4つ目の案件は、かなり巧妙だったそうで犠牲者の方の足取りを掴むのに時間を要したと伺いました。

 被害者の方々、ご冥福をお祈りします。



 最後の罪がトドメとなり、キーナ公爵家は断絶を命ぜられ、パレラとバートリは死刑に処され、断頭台のつゆと消えました。



 更に、連座として罪に加担した者達は全て刑罰を受ける事となり、一族は貴族としての体裁は一切無くなりまして、平民よりも下となる非人のような扱いを受ける者も出たそうです。



 なんか、貴族って怖い。



 さて。



 東の公爵家が潰れますとバランスが悪くなり、隣接するボリス皇国に舐められるわけにはいかないとの事でして、公爵家を新たに興すことを王家がお決め遊ばされたのです。



 それが、イスキオス王国の王弟であるロタール大公様の息子、ルートヴィヒ=マスタング様。



 そのルートヴィヒ様。



 蒼い髪に蒼い瞳をしており、背も高く、それなりに筋肉もあれば、凛とされている御仁でして、かなり見識の広い印象を受けました。



 何故か、絶賛アプローチされまくりです。



「従兄弟にあたる王子との婚約者であった為、諦めていました。ですが、婚約破棄となった今、最早障害はありません。僕と結婚して頂けませんか?」



 …ですって。



 ふふ、私は今、物凄く幸せでしてよ。



 あ。



 ピンク頭のフワフワお花畑は、よく小説で読みました修道院行きにはなりませんでした。



 詳細は、また機会が訪れましたら、我が家の陰あたりから報告が入るのではないかと思いますし、私の口から申せるような処断でもありません。



 私、今が一番幸せなのです。



 ですから。



 私が次に皆様へ語る折は、嬉しい話題にてお会いできます事を楽しみにしております。



 演劇や本にしたい?



 それでは、お話の提供料金と今後興行などの売れ行きにおける収益の配分をお話しして、利益の70%をマージンとして契約致しましょうね?

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