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夜と魔法使い。  作者: のん
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職場の説明。


私が住む場所をまず案内される。

階段を登って、2階のお部屋。少し奥まった所にあった。

同じように漆喰の壁に、飴色の木の床だ。木枠の窓がまたいい感じだ。おお、素敵〜・・。


ベッド、デスクと椅子、クローゼット・・・今まで住んでいた場所よりも格段に豪華なんだが???


「ええええ・・、凄い素敵です・・!!!」


私は嬉しすぎて、テオさんの手をぎゅうぎゅう握った。


「う、うん・・・、あの、手を・・」

「あ、そうですね。すみません」


手を離して、部屋の中へ入ると右側にもう一つドアがあった。


「右手のドアに、洗面所と、風呂とトイレがある。ランプの使い方はわかるか?」

「ランプ・・・???」

「・・教えよう」


ランプを持ったテオさんに手招きされて、近くへ寄って見る。


「ヨルは、火の魔法は?」

「・・・使ったことがありません」

「・・では、これを」


そう言って、デスクの上にあった小さな箱からマッチみたいな物を出して、


『火よ来たれ』


そうテオさんが言うと、木の棒の先から火が出て、ランプの芯に火をつけると明かりが灯る。


「わぁ・・・魔法みたい・・・」

「まぁ、魔道具の一種だから、魔法の一つでもあるかな」


テオさんは、目をすっと細める。うん、笑ってる・・ってことでいいのかな・・?

ランプのつまみを回すと、火が大きくなって明るくなったり、反対に回すと小さくなって、回し切ると消える事を説明してくれた。

細やかな百獣の王・・・。ちょっと面白い。


「荷物は、とりあえず置いてもらって・・、次は職場だ」

「はい!」


ベッドの上に、服が入った袋を置いて一階に下りる。


緑の扉を開けると、温室があった。魔法に使う植物の部屋だそうな・・。青い扉は、魔石や鉱石が置いてある部屋、濃い茶色の扉は、魔道具が置いてあったり、魔法に使う素材が置いてある・・と、ざっくり説明してくれた。


「明日から一緒に管理をやってみて、少しずつ覚えていこう」

「はい!!」


元気よく返事をすると、頭に手をポンと置かれた。

目を丸くして、テオさんをみると、


「・・・・・・・・・・大人だったな・・すまない・・・」


金の瞳が、ちょっと焦っていた。可愛い。

なかなか面白い上司だし、明日から楽しみだ・・。


レンガの家から、廊下で繋がっているもう一つの家がテオさんの家らしい。めっちゃ近い。

なんか女子寮の管理人さんみたいだな。


そうして一旦建物を出て、隣の大きな紺色のレンガの建物へ連れて行ってもらう。


「こちらが騎士団の詰所だ。ここへ魔法の道具や薬を届けたり、一緒に仕事をする時もある。食事はこちらで取っている。8時、12時、6時が食事時間だ」

「最高ですね・・・」

「食堂を教えておく、こっちだ」


私は、騎士団の建物の中へ入って行く。

テオさんがいると、ほぼ顔パスらしい。


と、メガネをかけたお兄さんが前から歩いてくる。

わ!格好いいなぁ〜。ちょっと人懐っこい笑顔でこちらを見る。


「あれ〜〜、テオさ〜〜〜ん、今日お休みですよね?デートですか〜?」

「・・・・ジス・・・」


のんびりした口調で、いきなり突っ込んで来るな・・。

そぉっと、大きなテオさんの後ろへ隠れる。大きいって便利。


「・・ヨル、こちらはジス・バルド・・。ここの騎士団の副団長だ」

「よろしくお願いします〜。あ、そっか!この間、捕まってた子か!傷はもう大丈夫?」


ちょっと屈んで私を覗き込む。


「ジス・・彼女は、成人だ。子供ではない・・」

「え?!そうなの??ごめんね〜」

「・・・・・・いえ」


今も絶賛、子供みたいな扱いされてるけど・・。まぁ、いいや・・。ショートボブなんで、余計幼く見えるのかもしれない・。そう、思おう・・。


「明日から仕事を一緒にする」

「へぇ〜、そうなんだ〜。ヨルちゃんよろしくね」

「よろしくお願いします」


大人っぽく、はっきり挨拶してみた。私は大人です。



「ところで、なんでライオンなの?」


ジスさんが、テオさんに聞いた途端、物凄い勢いでテオさんの手がジスさんの口を塞いだ。・・・ん?ライオンじゃないの・・??





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