表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜と魔法使い。  作者: のん
4/80

職場訪問。


大きなテオさんの手は、ライオンの手〜。

わぁ〜・・ライオンの肉球って、こんなに大きいんだ〜〜。


差し出された手の平を思わず両手で、モミモミ・・と揉んでしまう。


「よ、ヨル・・・・??!」

「あ、すみません・・。こんな風に手をじっくり見た事がなかったんで・・、失礼しました」

「いや、私の配慮が足りなかった」


そういうと、手が淡く光ったかと思うと、人間の手に変わる。


「え?!!手が人間に??これ、魔法ですか?」

「そうだ」


テオさんがゆっくりうなずく。はぁ〜〜・・すごぉおおおい!!!

私はまた手をまじまじと見ながら、モミモミしてしまう・・。本当だ・・人間の手だ・・大きいなぁ。ちょっとざらっとしてる。


「・・・・・・・・・・ヨル、あの・・・、手を・・」


テオさんは、気恥ずかしいのか声が困っているようだ。顔の表情がわからないのって、ちょっと不便だな。


「あ、すみません・・・」


私はそう言って、ようやく普通に手を握ると、ホッとしたような息遣いが聞こえる。す、すみません・・。病室を出て、受け付けらしき所へ行き、手続きを済ませると病院を出る。お世話になりました〜〜。



「ヨル、ではこの街を案内しながら職場に行こうと思うが、体調が悪くなったらすぐに言うように・・」

「あ、はい!ありがとうございます」


街・・と言うだけあって病院から出ると、そこは本当に整えられた街並みだった。馬車でここへ来た時は、外は見えなかったもんね。


石畳の上を歩きながら、テオさんが色々説明してくれた。

ここは、ガルドという国で首都から少し離れたバルという街。

私が捕まったのは、バルの外れにある所で治安が良くなく、人さらいが頻発していたので、騎士団と一緒に摘発したとか。助かりました・・騎士団の皆様。


今から行く職場は、騎士団から外注のような形で任されている魔法に関わる道具や、植物、魔石や鉱石を管理する場所・・。「魔法庫」と呼ばれているらしい。かっこいい〜〜〜。夢がある〜〜〜。


「え・・、すごく楽しみです」


そういうと、ライオンの顔は静かに微笑む。おお、かっこいい。


「そこがヨルの住む場所にもなる」

「あ、そうなんですね?」

「まだ、この国の事を知らない内に外へ住むには危険そうだしな・・」

「ありがとうございます」


・・・実は、異世界から来ました〜とは、言ってないんだよね。まぁ、何にも知らない所から連れられて来たって思ってるみたいだし・・・。


「私は、隣の棟に住んでいるから・・何かあれば声をかけるといい」

「一緒じゃないんですね」


「・・・ヨル・・・」

「ん?なんですか?」

「・・・・そういうことは、いうものではない・・」

「はぁ・・・・?」


いや、一緒じゃないのか〜って思っただけだし・・。

要領を得ない顔をした私をじっと見る金の瞳・・。綺麗だ。


気を取り直したテオさんは、よく行く食べ物屋さん、卸しに行くお店、洋装店、雑貨店などをざっくり教えてくれた。どれも可愛いお店だったり、素敵な店構えで見ているだけでワクワクした。


「今日は、まず職場と住む場所を整えて、徐々に外へ行くようにしよう」

「何から何まで、お世話になります・・」

「しっかり働いてもらうから、おあいこだ」



ニヤリ・・と片方だけ口が上がった。

おお、捕食されそうだな・・。


「頑張ります〜」


そんな会話をしながら、大きな赤いレンガでできた建物に着いた。鉄の門でグルっと囲まれて中までは見えない。

紺の屋根と赤いレンガの建物の配色が可愛い・・・。めちゃくちゃ好みだ・・・。


「ここだ」


そう言ってテオさんに手を引かれ、大きな木の扉を開ける。

中に入ると、飴色に磨かれた木の床に、真っ白の漆喰の壁。空気が気持ちいい。ひんやりしてる・・?


「外、ちょっと暑かったのに中はヒンヤリしてるんですね」

「魔法で温度管理している。魔法に使うものによっては、温度管理も大事な物もあるからな」



魔法・・・万能すぎない????!!!

私が目を丸くすると、テオさんの口がまた片方だけ上がった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いきなり肉球もみもみはダメでしょう。 その後、人間の手になってももみもみしてるし( *´艸) 気持ちはわかるけど(^・ェ・^)(^._.^)(^・ェ・^)(^._.^)ウンウン
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ