参加宣言。
大変照れくさい朝を迎えて、朝食を食べてから人間テオさんと執務室へ向かう。
ノックして入ると、団長さん、ジスさん、ワーズさんがすでにいた。
「おはようございます」
「おはよう、疲れは取れたか?」
団長さんが聞いてくれてうなずくと、微笑んでくれた。
ソファーに座るよう促されて、二人で座るとワーズさんが私を見る。
「・・昨日、うちの・・妖精の王様にヨルの話をしてきたんだ」
「は、はい・・」
「多分、ヨルの力は、魔力・・でなく、神力に近いんだろうって」
「え、あっちでは何にもできませんでしたが・・」
「こっちの世界では使えるんだろうって言ってた。だから、おめでとう!魔物討伐、手伝ってね〜」
すっごい事をさらっと言ったけど、まって欲しい・・。
まだ何一つ、頭に着地してないけど・・。
テオさんは、私の混乱っぷりを察して、手を握ってくれた。ありがとうございます・・、ドキドキするけど助かります。
「しかし、そう言っても危険だ。彼女は戦いの経験はない」
テオさんが止める。うん、想定内です。
ワーズさんは、面白そうにテオさんを見る。
「テオドルの力を止められる唯一の存在だったら・・・?」
テオさんの力を止められる・・・??
私とテオさんで顔を見合わせる。
「・・・それって本当ですか・・・?」
「神力って、呪いにも有効だって。便利だね〜、いいなぁ、その力!」
ってことは・・、何かあればテオさんを助けられる?
何もできないって思ってたけど・・、力になれるって事・・・?
「魔物討伐、一緒に行きます!!」
「ヨル!!」
思いっきり挙手して、名乗りを上げた私を瞬間止めるテオさん・・。
安心して下さい、そこも想定内です。
私はテオさんに向き直って、じっと目を見る。人間のテオさんで良かった・・、今日は表情が良くわかる。
すごく戸惑ってる。わかる・・急に言われたら戸惑うよね。
「・・・私、テオさんに助けてもらうばかりで、何も返せなくて・・・歯がゆかったんです。きっとテオさんは、そんな事気にしないで・・って言うのわかってます。でも、やっと返せるんです!テオさんにしてもらって嬉しかった事、少しくらい返させてください」
「そんな・・こと」
「テオさん、お願いです・・」
テオさんの手を握ってみた。
大きな、ちょっとざらっとした手だ。いつも守ってもらったこの手を、私だって守りたい。テオさんは目元が赤くなっていて、言葉が出ない様子だった。
ワーズさんは、ニマニマと笑いつつ、私に話す。
「話は決まったみたいだから、穴の知らせが来たら早速一緒に行こうね〜。大丈夫、ゆっくり慣らしていくから」
「・・・そこは是非、お願いします」
「じゃあ、知らせが来たら連絡する・・でいいよね、団長〜」
ワーズさんの言葉に、団長さんがうなずく。
お、おお・・ちょっとドキドキして来たぞ?
テオさんと私は、ひとまず知らせが来るまで仕事場に戻ろうと、執務室を退室した。扉が閉まると、大きく息を吐いた。
な、なんか・・・すごい事がいっぺんに来たぞ・・???
神力って何?
呪いの力に効く・・・??
でも、とりあえずテオさんを助けられる・・。そこはわかった・・。
そっと手を繋いだままのテオさんの手を握ってみた。ピクッと揺れた手を見て、顔を見上げる。
「テオさん・・、大丈夫ですよ」
不安そうな瞳でこちらを見る。
「神力・・の力があっても・・、ヨルに何かあったら・・?」
「大丈夫です。根拠はないけど・・、私、結構たくましく育ってきましたし」
「でも、万が一ヨルを傷付けたら・・」
そうだよね・・、怖いよね・・。今までずっと避けられてきたんだし、私は大丈夫って言われても怖いよね・・。
テオさんの手を思いっきり引っ張ってみた。
顔と顔が近くなって、私は金の瞳を見る。
「どんとこいです」
ニヤッと笑って見せた。
意外と気が強いの・・知りませんでしたっけ?
そのままキスすると、テオさんは真っ赤になった。
よし、ちょっとやり返したぞ。




