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夜と魔法使い。  作者: のん
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秘密。


緊急でテオさんが呼び出される事もあるので、時間を要する薬は私が担当する事になった。


難しい調合なんかもあったりするので、テオさんの鬼のような指導の元、ひたすら練習である。鬼・・・、仕事の時は鬼やでぇ・・・・。でも仕事が終わると途端に優しい顔になるので、なんというか・・とにかくそわそわしてしまう。


とはいえ、呼び出しはしょっちゅうある。

一日おき・・もあれば、一週間ずっと何処かへ飛び回っている時もある・・。大変そうだなぁ。


長く帰ってこない時は、食堂で時々食べるようにしている。ジスさん曰く「生存報告」も兼ねてね!と、いう事らしい。はいはい。テオさんの心の安寧にも繋がるようなので、とりあえず食堂で食べる。実は美味しい食事に私はニコニコである。・・・テオさんには言えないけど。


今日もテオさんは朝早く呼び出され、ため息をつきながら出かけていった。


「・・・穴、いつ無くなるんだろうなぁ・・」


ボソッと呟きつつ、食堂の窓の外を見る。

あれ?さっき出かけた騎士さん達・・?戻ってきた?


「こんにちは」


声のする方を振り返ってみると、白の魔法使いさんがニコニコ笑って立っていた。


「こ、こんにちは・・。お仕事、お疲れ様です・・」

「ここに座っても?」

「はぁ、どうぞ・・」


白の魔法使いさんは向かいの席に座ると、面白そうに私を見る。な、なんでしょうか・・。


「君、面白い目をしてるね」

「目ですか・・?あ、黒い目ってこっちでは珍しいんですか?」

「割と」

「そうだったんだ・・・!!!今、知りました。金色の瞳が珍しいって思い込んでました・・」

「ああ、あれもそうだけど。誰も言わなかったんだ?」

「・・・はぁ・・」


ふーんと、頬杖をついて私をじっと見る。白の魔法使いさんの青い目も、私からすればあっちの世界では滅多に見る事のない瞳の色だけどなぁ・・。


「白の魔法使いさんの目も、すごく綺麗な色ですけどね・・」

「ありがとう。あ、ワーズでいいよ」

「あ、ワーズさんって言うんですね」

「皆僕の事、名前で呼んでくれないんだよね〜」


頬杖ついたまま話す仕草は、本当に中学生っぽくて・・なんだか可愛いなぁと笑ってしまった。そうか・・有名だけども、色々大変そうだ・・。


「ワーズさん、大変そうですね・・。魔の穴って、どれくらいで無くなるものなんですか?」

「ん〜、2・3年かかった時もあったし、1ヶ月で終わった時もあった」

「な、長い・・・」

「ライオンがいないと寂しい?」


ニマニマと青い目をキラキラさせながら聞いてくる。ワーズさん、貴方もジスさんと同じ匂いがします・・・。


「・・・まぁ、ちょっと・・・です」

「ふふふ〜」


ワーズさんがクスクスと笑い出す。


「異界人とライオンの組み合わせなんて、どうなるかな・・なんて思ったけど、やっぱり面白そう」


ドキっとして、ワーズさんの目をみる。

なんで・・?誰にも話していないのに・・。

ザワザワした食堂なのに、私は途端に音が聞こえなくなって、ワーズさんと私の二人だけのように感じる。ワーズさんは、口に指を当てて、



「・・・・まだ黙っておくよ」

「・・・はい」



なんといったらよいかわからなくて、返事を返すだけだった・・・。

異界人は、秘密にしておかないといけないのだろうか・・ワーズさんに聞いてみようとすると、


「ヨル!」

「あ、ライオンが来た」


・・・すごい。心配性と名乗るライオンテオさんがこっちへ真っ直ぐ来ると、ワーズさんはパッと席から立ったかと思うと、「またね〜」とあっという間に去っていった・・。早い。逃げ足までジスさんと似ている・・。


「大丈夫だったか?」


テオさんが私を心配して聞く。


「大丈夫だったような、そうでないような・・・?掴み所がない人だっていうのは、ちょっとわかりました」

「それだけ分かればよろしい」



テオさんの口ぶりに、なんだか苦労しているんだろうな・・と、伺い知れて、思わず笑ってしまった。お仕事、お疲れ様でーす!!



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