仕事依頼。
とりあえず・・、私の無茶苦茶な引き止め方を注意される事はなかった。
・・ただ、自分がテオさんを好きだった事を、今更知るという事態になったけど。
両思いって本当にあったんだ・・!別な意味で感動してる・・。
気付かない自分とは・・と、落ち込んでもいるけど。
テオさんとしばらく抱きしめあっていたけど、ジスさんが訪ねてきて、ものすごい勢いで二人で離れた。ちょうど良かったかも・・。頭茹だりそうだったし・・。
ジスさんとテオさんにお茶を入れて、トレイにのせて部屋へ運ぶ。
温室への扉は少しあいていたので、体で扉を押して中へ入ろうとすると、テオさんと目が合う。サッと立って、扉をあけてくれた。
「ありがとうございます」
「呼べば開ける・・」
「ですよねー・・」
そんな風に会話しつつ、ジスさんの方へ向くと、こっちを見てニヤニヤしてる。ああ、そうでした・・。昨日もそんな顔をしてらっしゃいましたね。
「・・・・お仕事ですよね?」
「お仕事ですよ〜。昨日お陰様で、人さらいの親玉を捕まえられましたし!遅い返却になっちゃってごめんね〜」
「ジス・・・」
「時間超過は高くつきますからね」
まったく・・、楽しそうに見ている事で。お茶をテーブルに置くと、ジスさんはお礼を言って一口飲むと、はぁ・・と息を吐いた。
「・・・本当にテオドルさん、見つかって良かったです」
「・・・ジス・・」
「そこはジスさんと同意見です」
「ヨル・・・」
ちょっと困った顔になったテオさんが可愛いなぁ〜と思って、笑ってしまう。
「でも、約束してくれたからもう大丈夫です」
ジスさんにそう言うと、ジスさんは黙って笑いながらうなずいてくれた。
「ヨルちゃん、あんなに心配して泣いてたのに偉いね〜〜」
「えっ!!?」
「ちょっ!!!ちょっと!そこ黙ってて下さい!!!」
「テオさんいなくなっちゃった〜〜〜、戻ってこなかったらどうしよ〜〜って、めちゃくちゃ泣いてたのにね〜〜〜」
「ちょっと!ジスさん!!!」
慌ててテオさんを見ると・・・、しょんぼりした顔になってる〜〜!
「だ、大丈夫ですからね!?もう泣いてないし・・、ええと約束したんですから、もう泣きません!あ〜〜〜もうジスさん、そういうのは言わないでください!!」
テオさんの手をぎゅっと握りつつ、ジスさんに抗議する。
ジスさんは、爆笑しだすし・・、もう!!!テオさんを見ると、手をじっと見て真っ赤になってるから、私まで赤くなるし・・。一時騒然としていた・・。3人だけの空間なのに。
ひとしきり笑ったジスさんは、一枚の紙を出す。
「これ・・申し訳ないんだけど、テオドルさんに探してきて欲しいんだ」
「・・・探す?」
「ここの領主がなんでもその地域にしかない魔石を探してるらしい・・。探して欲しいって依頼があったんだ。ただ人さらいグループ捕まえたら芋づる式に問題が見つかって・・。手も足りないんで、魔石の知識もあって、腕もたつテオドルさんにお願いしたいんです〜」
テオドルさんがジスさんから受け取った紙を私も覗き込んで見る。
「・・これって遠いんですか?」
「いや、この距離だと馬で一日行って帰ってこれるな」
「へ〜、じゃあ一緒に行けますかね?」
「・・・・ヨル、馬に乗りたいんだな?」
「バレました?」
そんな会話をしていると、ジスさんがまた笑っている。どんだけ笑うんだろ・・この人。
「魔石探しは、そんなに大変な場所にあるわけじゃないですから、一緒に行ったらどうですか〜?」
ジスさんの言葉に目が光る。テオさんを見ると、ジスさんを睨んでいたけど。
「お弁当作ります!!ピーマン、入れませんから!!」
テオさんにめっちゃアピールする。
お出かけしたい!馬に乗りたい!!あわよくば触りたい!!と・・。
テオさんは、はぁ・・と、ため息をつくと、小さくうなずく。やったあ!!!
馬に触れる!とウキウキしている私に、「馬は蹴ってくるから」とか「そばに近寄ると危ないから」と、テオさんがアドバイスをしてくる。・・・いや、子供じゃないからね?




