エピローグ
世界は色で溢れている
赤、青、黄色、緑…
色には個性が、特徴があり、時に混ざり合い新しい物を産む。
君の好きな色は何色ですかーーーーーーーー?
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ーーーー鬱陶しいくらいに青く染まった空に太陽が輝く。
真夏日続きの毎日に嫌気も差すが、かといって部活をサボる訳にもいかない。
体育館へ向かう前に部室ーーーーー男子バスケットボール部の荷物置き場兼ごくたまにサボり場所ーーーーーへ荷物を入れる
黒が擦り切れグレーっぽくなった、5年目のバッシュを履いて体育館へ入る。
「ちわっす!!」
1年の後輩が運動部らしく反応する。うっす!と軽く返すと、いつも通りのメンバーの元へ
「よー春明、遅刻ギリじゃんか」
佐倉慎大、シンと呼ばれるコイツはでかい。日本人とは思えないレベルで。190はある身長にイタズラ好きな1面もあり、問題児でもあるがチームの絶対的エースかつムードメイカーだ。
「春ちゃん寝癖すげぇーー」
こーちゃんこと中原幸輔はいつも通りのマイペースな口調だった。しかし鋭い所もあり、身長は高くなくパワーも普通だが周りをよく見るプレイからレギュラーに選ばれている。
「ハル、夏休みの宿題ちゃんとやってる?」
圧倒的な真面目さが特徴の濱本駿希。ただ真面目なのでなく、何をやるべきかいつも考えており、だからこそガリ勉とかと違って信頼できる。バスケットも努力し、今年になりレギュラーを掴み取った。
この3人と自分、東条春明の4人はバスケットボール部の中心的存在であり、部を引っ張っていってる。
ーーーーかといって、全国行ける様な天才でもないんだけどなーーーーーーー
練習が始まると、全体の空気が次第に熱くなっていく。
別段いつも通りでテンションが上がることも無いけれど、合わせて上げておくのが義理だろう。
声を出しながらもタイマーをちらりと見た。
赤色の時間を示す光はまだまだ先は長いぞ、と告げてくる。
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