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妄想は光の速さで。  作者: 大嶋コウジ
第13重力子 ボクハ ミンナトトモニアル
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新たな災害

池上の母親から消息が分からなかった波多野は、世話になっている警察署に戻った。

その時、信じられないような光景が、テレビに映っていた・・・。

結局、池上君の家に行っても彼の情報は得られなかった。

君は一体どこに行ってしまったのだ・・・。


こちらに来て、お世話になっている警察署に戻った時だった。


「波多野さん!テレビテレビっ!波多野さんの地元が大変なことになっているぞっ!!」

「は、はい?」


私はテレビを見ると唖然としてしまった。


「こ、これは一体・・・。」


誰もがテレビを見て凍り付いた。


"午後3時頃、きょ、巨大な塔が突然現れました!あちらをご覧くださいっ!"

"巨大な塔の底にい、色々なものが吸い込まれていますっ!"

"塔の周りを何か生き物のようなものが動いていますっ!"

"あぁっ!塔がゆっくりと動き、塔の底をこちらに向け・・・て・・・いま・・・"


「き、切れた・・・。おいっ!画面が消えたぞっ!」

「動画だ、動画っ!SNSとか動画サイトとか、調べろよっ!」


有名どころのSNSには信じられないような光景が映っていた。

遠くから撮したものを見ると、その巨大が分かる・・・。

その足下からは、何かが吸い込まれているのが分かった。

巨大なハリケーンのようにうごめきながら全てを吸い込んでいた。

塔の周りは何かが飛び交っている。


別のユーザーが撮したものは、その生物がこちらに向かってくる映像だった。

だが、そこに映っている生物は、我々が認識している動物では無かった。

そして人間でも無い。

その中間のような生物・・・、


「あっ、あり得ない・・・。え、映画か何かか・・・?」


またしてもあり得ないことが発生している・・・。

これも、あの事件と関係あるというのか・・・。

いや・・・まさか・・・。


そして、動画もプツリと消えてしまった。

いや、これはパソコンが壊れたという事では無い。

パソコンの電源が切れたのだ。


「お、おいっ!なんだっ?停電かよっ!!」

「あれ、スマホも使えないぞ・・・。」


停電でもなかった。

警察署にある、あらゆる電気機器が一斉に壊れたのだ。


「一斉に・・・。一斉に壊れた・・・。何があったのだ?」


別の者が外を見て叫んだ。


「お、おい・・・。これは不味いぞ・・・。」


外を見ると信号機が切れている。

電信柱からは火花が散っていた。

それはこの警察署だけが停電になったという事では無いことを示していた。


「な・・・、これは何だ・・・?」


何故急に停電になったのか、誰も分からなかった。


そして電話も通じない状態だった。


「車も動かないぞっ!」


電気を使うあらゆるものが動かない。


「し、仕方ない、お前、自転車で電力会社に行けっ!」


警視が部下に命じていた。


「緊急放送も流せないか。全員各地の交番に回れっ!

緊急避難所に集まるように案内させるんだっ!」


こんな時の警官は強い。

私は改めてこの仕事に誇りを持った。


「波多野さん、自転車を一台貸すから、自分のところに戻るんだ。」


警視が私に話してくれた。


「は、はい。だけど、貴重な伝達手段です。走りますよ。」

「さすが、若いな。だが、自転車はたくさんあるから大丈夫だ。」

「はいっ!」

「それじゃぁ、急げよ。」

「ありがとうございましたっ!」


そう言うと、私は急いで走り出す。

しかし、200Kmはあるから、とんでもない距離となるだろう。


し、しかし、この災害・・・。

震災のような建物が壊れたりするような災害では無い。

一斉に電気が使えなくなる災害・・・。

何が原因なんだ・・・。

あの塔と関係しているように思えるが・・・。


私は、このまま向かって大丈夫なのか。

何かを吸い込んでいるように見えたあの塔は何なのだ・・・。


またも池上君を追いかけている状況では無くなってしまった・・・。


2017/08/09 誤字修正

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