プルガトーリョ
池上をムーの最後の神官と呼ぶ、その悪魔は自分の目的を話し始める。
そして、ヘッドギアは、使わせてはならないものに使われてしまう・・・。
最後の神官・・・?
何を言っているんだ・・・。
そ、それより、沈めるとは・・・?
「お前たちの目的は何だっ!」
「文明が大きくなりすぎてて、気に入らねぇぇぇ。」
「それが、僕らとどういう関係があるんだっ!」
「永原とお前はぁぁぁ、世界を進化させる役割があるのが分かってたんだぁぁぁ。
やっと、永原を操って、破滅に導けそうだったのにぃぃぃ。
お前はぁぁぁ、愛那とかいうくそガキと、邪魔をしたぁぁぁ。」
「お前たちが、この世界を破滅に導こうとしていたからだっ!!」
「世界ぃ?文化ぁ?文明ぃ?
くそ食らえだぁぁぁ。
くそ神の世界を目指すような文明は、無くなれば良いんだよぉぉぉっ!!!」
「だ、だから、僕らを邪魔してた・・・?」
「だがぁ、だがぁ、だがぁぁぁぁっ!!!
俺はコイツ(ヘッドギア)を手に入れたぁぁぁぁっ!!!
永原を間接的に動かしていた頃とは違うぅぅぅっ!
直接、身体を乗っ取れてたぁぁぁっ!
しかも、ヘッドギアだが何だか知らねぇが、コイツはさいっこうぅだぜぇぇぇっ!!!
計画ぅぅぅっ!計画ぅぅぅっ!計画だぁぁぁっ!!!実行してやるぅぅぅっ!!
人類に対してぇぇぇ、今度はぁぁぁ、コキュートスの最深部への道を開いてやるわぁぁぁっ!!!!
開けぇ、開けぇ、開けぇぇぇっ!!!!!」
以前から邪魔を繰り返していた悪魔だったが、完全に永原の身体を乗っ取ったため、完全にヘッドギアを扱えるようになってしまった・・・。
そして悪魔は、ヘッドギアを使って、何かを生み出そうとする。
<<入り口となるPurgatorioへ至れぇぇぇっ!!!!!>>
「クゥククククゥゥゥ・・・、カァカカカカカァァァ・・・!!!!」
「!!!」
それは、遙か上空に現れた。
それは、存在してはならないものだった。
それは、地獄の階層を現すような塔の形だった。
それは、巨大な台風のようにも見えた。
だが・・・、
だが・・・、
だが・・・、
それは、僕が知っているこれは・・・。
「ブ、ブラックホール・・・?!」
事象の地平線にあたる部分は塔の地面となっていて、それは渦を巻いている。
渦の中心から遙か上空まで段々となった塔が伸びていている。
塔の底は、何もかも吸い込む「入り口」になっていた。
「な・・・、なんだ、これは・・・。」
「クゥククククゥゥゥ・・・、カァカカカカカァァァ・・・!!!!
こりゃぁぁぁ、すげぇぇぇっ!!
わ、笑いがぁぁぁ、と、止まんねぇぇぇっ!!!!!
俺の住処がぁぁあ、ブラックホールって宇宙の渦と一緒になりやがったわぁぁぁ。
ヒャヒャヒャャャッ!!!!
すげぇぇぇっ!!
すげぇぇぇっ!!
すげぇぇぇぜぇぇぇっ!!」
「す、住処だって!?」
「そぉぉぉだぁぁぁっ!!!最後の神官よぉぉぉっ!!!
これは、俺の"お家"だぜぇぇぇ!!地獄への入り口だぜぇぇぇ!!」
そいつは、徐々に移動し始めていた・・・。
「ここじゃぁ、つまんねぇぇぇ。あっちが、いいかぁぁぁっ!」
「や、やめろぉぉぉっ!!!!」
その塔は、街に向かい始めた。
全てを吸い込む入り口のせいで空気が動き始め、風が強くなってきた。
それは活動を開始し初め、木や土までも吸いながら街に向かう。
そして、街にある吸い込んではならないものまで吸い込み始めた。
「あ、あぁ・・・。聞こえる・・・。聞こえる・・・、悲鳴が、叫びが・・・。止めてくれ・・・。」
「ぜ・つ・ぼ・う・・・したかぁぁぁ???最後の神官よぉぉぉっ!
ざまぁぁぁねぇぇぇなぁぁぁ!!!」
「あぁ・・・。」
僕はこの光景を眺めるしか無く、力を失った。
巨大な塔とブラックホールを目の前にして、どうすれば良いのか分からず、頭が空っぽになってしまった。