ある日の会話
愛那と師匠のある日の会話。
テレパシーで話し合う彼女たちはSNSなんて無用のようです。
<愛那ぁ、こっちは結構大変だったわぁ~。>
<師匠どうされたんですか?>
<なんつ~か、災難がこれでもかって振ってくるんだよねぇ~。
本人には、悪い霊が取り憑くわ、周りからは攻撃されるわ。
あたしには手に負えなかったわ・・・。>
<ど、どうしましょう。>
<私も手伝いましょうか?>
<いやぁ、でも、彼を守ろうとする人もいたから、大丈夫。
前世で縁のあったことのある人だったらしくて、彼のことが、とても心配だったんだとさ。
いやぁ~、愛って言うのは偉大だねぇ。>
<おぉっ!>
<本人も生まれたかったんだけど、色々あって生まれることが出来なかったんだと。>
<あら、可哀想に・・・。>
<んで、彼女の友達は生まれていたらから、協力してもらったらしい。>
<そうですか、うまくいったみたいですねっ!>
<それと、何だか徳の高いお坊さんがいてね。>
<ほ~、そうですか。>
<彼にも助けてもらったよ。いや、すごい力を持っている人もいるもんだねぇ。
ちょっと会話できたんだけどさ~・・・>
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(あら、こんにちは。)
「はい、こんにちは。」
(私が見えるようですね。かなり修行されていらっしゃる。)
「とんでもない。まだまだの身です。」
(貴方様のお陰で、今まで邪魔をしていた者を祓うことが出来ましたよ。ありがとうございました。)
「いえ、どういたしまして。」
(将来、この方は、この国を守る役割があるので、何とか守っている次第です。ところが光が強すぎるせいで、まだまだ邪魔が入りそうでなんとも。)
「はい、そうかもしれないですね。」
(私の力及ばず、守り切れるものでも無く、ちょっと苦労していまして・・・。)
「今のままでは力を持て余すでしょう。」
(そうですね。何かいい手が無いかと考えている次第です。)
「少し力を押さえますよ。」
(えっ?そんな事が出来るのでしょうか?)
「はい、やってみます。」
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<ふぇ~、そんなことが。>
<いやぁ、あの人のさ、霊界とつながっているところにフタをしちゃうの。
すごいったら。あんなこと出来るんだねぇ。>
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(力が押さえられたみたいですね。)
「はい、これでしばらくは、落ち着くでしょう。」
(ありがとうございました。)
「いえいえ、どういたしまして。」
(これでしばらく、まともな生活に戻れると良いのですが。どのぐらいの期間、封印された状態でしょうか?)
「どれぐらいでしょうか、私も少し分かりかねるところがあります。まあ、何かの機会で外れてしまうかもしれません。」
(そうですか。器が我々とは違うような方なので・・・。)
「そうですね。これほどの光の方なら。」
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<こんな感じだったよ。>
<ほう、すごい方ですね。>
<彼は、どうやら密教系の人みたいだった。
私らとは、少し毛色が違うけど、あんな人もいるんだね。>
<なるほどぉ。>
<そっちはどうだい?>
<お兄ちゃんは一生懸命勉強していますよぉ~。
勉強ばっかりしていて、お友達がいなくて寂しいぐらいでしょうか・・・。>
<そうか、それぐらいなら、まあ。
でも、そっちも油断するんじゃ無いよ。>
<はいっ!だけど、お兄ちゃんだから大丈夫ですっ!>
<はぁ、まだ、ブラコン引きずっているのかい。>
<師匠こそ、未だ言いますかっ!>
<あぁ、ごめん、ごめん。お互い油断大敵って言いたいだけだよ。>
<う~ん、誤魔化されたような・・・。>
<んじゃ、通信終わり。久々にあとで、家で会おうか。>
<はいっ!>