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妄想は光の速さで。  作者: 大嶋コウジ
第12重力子 「アタラシイ イエ ハ ナニヲモタラシタ?」
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前夜

Zが母親に会う前夜、Hさんが優しい言葉をくれる・・・。

日曜日になるまでは憂鬱で仕方が無かった。

僕は前日の土曜日の夜、Zさんの家で、いつもの霊界講義を受けていた。


「Zさん?」

「・・・。」

「Zさん?聞いていますか?」

「・・・あっ、すいません。Hさん・・・。」

「・・・お母さんに会うのは不安ですか?」


相変わらず鋭い人だな・・・。


「・・・はい。」

「分かりますが、そんなに不安になっても仕方ありませんよ。」

「・・・だけど、とても怖いです。それに、また病院に連れて行かれてしまいそうで・・・。」

「それは、他の皆さんが守ってくれるでしょう。気にしないで下さい。」

「はい。」

「私たちは色々な事があって、こんなところに住んでいますが、大事なことは分かっているつもりです。

あなたは若い、とても若い。

これから出来ることがたくさんあるのです。

だけど、社会というのは、ある程度の基準というものを必要としています。

それは、若いときに学校に通ったと言うことも、その一つです。

学校を中退された人でも立派になった人もいますが、Zさんの場合はその最初の段階すら至っていない。

それを私たちは心配しているのです。」

「・・・。」

「私たちを信じなさい。私たちに大事な家族を思い出させてくれた、あなたのために出来るだけのことをさせて下さい。

これがあなたへの恩返しなのです。」

「恩返しだなんて・・・、それは僕の方がしなければならないのに・・・。」

「皆さんは、Zさんに感謝していますよ。とてもね。

だから、恩返しをさせてもらっているのです。

そして、社会に出たらは社会に対して恩返しして下さい。

それが回り回って私たちに返ってくるのですから。

人間社会とはそういったものですよ。」


いつもながらしんみりと話すHさん。

だけど、その説得力はいつも僕の心を動かしてくれる。


「分かりました。明日は堂々と母親に会います。」


「はい、それが良いでしょう。さぁ、今日はゆっくりと眠りなさい。」


ちょっと短め・・・。すぐ続きます。

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