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妄想は光の速さで。  作者: 大嶋コウジ
第12重力子 「アタラシイ イエ ハ ナニヲモタラシタ?」
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挨拶回り H宅 そのついでに・・・

最後に訪れたHさんの家、悟りきったHさんに出会い驚きのまま彼がされたこととは・・・。

最後に僕は、Hさんの家に行った。


「お、おはようございます。」

「あぁ、おはよう。お待ちしていました。」


・・・待っていた?

僕に驚きもせず、こちらを綺麗な目でじっと見つめている。

他の人の身なりは適当というか、何でもありだったが、Hさんはお寺の人が着ているような服を着ている。

あとから聞いたのだが、作務衣さむえと呼ぶらしい。


それに、Hさんの家は、比較的綺麗な状態で、良い匂いがした。

これはお線香の香りだとあとで教えてもらった。


「君は・・・、いえ、あなたは・・・、苦労してきましたね。」

「えっ?」

「あぁ、ありがたい。生きている間にあなたのような方に出会えるとは・・・。」

「えっ?えっ?・・・あっ!」


Hさんの頭の後ろから光が出ている。

香織さんの他にも頭の後ろから光が出ている人がいるなんて・・・。


「いやぁ、それにしてもお若い。それに、その光の強さ・・・。あなたは、その力で苦労したでしょう。」

「・・・。」


全てを見透かすこの人は一体・・・。

何でこんな場所に住んでいるのかも不思議だった。


「暗い顔の人達も近くにいて・・・、全く可哀想に・・・。」


Hさんは数珠を持つと、荘厳に満ちあふれた言葉を話す。


「この人から離れなさい。いつまでも迷惑をかけるのは止めなさい。あなた達の居場所はここではありません。・・・はっ!!」


Hさんが気合いの込めた言葉を発すると、僕の周りにあった暗雲が全て取り払われたような気がした。

そして、周りが落ち着いた綺麗な空気に変わる。


「おや、綺麗な女性もお二人いますね。心配そうに見ていますよ。」

「そ、そうですか・・・。」


一人はあの巫女みたいな人かな?

もう一人は誰だろう・・・。


(・・・・・。)


「はい、こんにちは。」


(・・・・・。)


「とんでもない。まだまだの身です。」


(・・・・・。)


「いえ、どういたしまして。」


(・・・・・。)


「はい、そうかもしれないですね。」


(・・・・・。)


「今のままでは力を持て余すでしょう。」


(・・・・・。)


「少し力を押さえますよ。」


(・・・・・。)


「はい、やってみます。」


例の巫女さんと話しているのかな・・・。


「えっと、良信さん、少し力を押さえましょう。」

「はい?」


あれ、名前言っていないよな・・・。


「あぐらを組んで、手を合わせて深呼吸を3回ほどお願いします。あ、背筋は伸ばして下さいね。」


僕は言われたとおりに、あぐらを組んで手を合わせ、深呼吸を行う。

うん?あれ、何だか胸が温かいな。


Hさんは数珠を持った手を僕の額に当てて、もう一方の手をへその下あたりに当てた。


「目をつむって下さい。」


そして、さっきのような荘厳に満ちあふれた言葉を唱える。


「力溢れる君よ。あらゆる力を押さえ、今、私が恭しくも力を封印せん。」


一瞬時間が止まったような気がした。


「終わりました。」

「あれっ・・・。」


何かにフタがされて、もう一つあった感覚が閉ざされたような気がした。

すると周りのざわめきがなくなり、全てが静かになった。


(・・・・・。)


「はい、これでしばらくは、落ち着くでしょう。」


(・・・・・。)


「いえいえ、どういたしまして。」


(・・・・・。)


「どれぐらいでしょうか、私も少し分かりかねるところがあります。まあ、何かの機会で外れてしまうかもしれません。」


(・・・・・。)


「そうですね。これほどの光の方なら。」



何を話しているのかな。


「はい、では、また。ありがとうございました。」

「あ、ありがとうございました。」


このあとから、僕は心が乱れるようなことがあっても、別人になる事も無くなり、

周りの物体が周りを回るようなこともなくなった。


この力を再び使うことになるのは、大学4年のあの事件の時になる。

研究室のみんなの死体を見ることで大きなショックを受けて、力を出しやすい状態になっていたことも封印を解くきっかけでもあった。

この力を一部開放し、さらにとっきょの力の共鳴を誘うような技でさらに解放されてしまうことになる。


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