ごめんなさい
愛那は自分の死について話し始める・・・。
お兄ちゃんとお父さん、お母さんは、私のために、学校と戦ってくれたことは、しばらく経ってから師匠が教えてくれました。
私が中学校に入学して、しばらくすると、Aさんが私の横に座っていた子を虐め始めました。
その子は、余り抵抗せず、じっと耐えていて、それを見ているのが可哀想で仕方がありませんでした。
私はついに耐えかねて、Aさんに強く叱ってしまいました。
「Aさんっ!もう、止めてっ!可哀想じゃないですかっ!!何でそんな酷いことをするんですかっ?!」
「あぁん?何だよ、愛那。文句あるのかよ。コイツの母親はエロい店で働いているんよ。いいんだよ。こんなやつ。たまに臭いしさ。」
「ご両親がどんな方であっても関係ありませんっ!もう止めて下さいっ!」
「ふ~ん、分かったよ。もうイイよ。」
その日から、Aさんの"ターゲット"が私に向いてしまいました。
Aさんは、クラスでリーダーシップを取るような強い子だったので、クラスの女の子達は一斉に私から遠ざかってしまいました。
唯一の救いは、私の隣の子が虐められなくなったということ・・・。
それからは、何をするにも一人きり。
とても辛い日々が続きました。
虐めは、徐々にエスカレートしていきました。
上履きがなくなったり、定期券がなくなったり、体育の後、制服が無くなった時は、ジャージで過ごすことになり、
とても恥ずかしかったです。
攻撃の手は緩まず、私は抵抗も出来ず、なされるがままの状態でした。
担任の先生は、見て見ぬ振りをすることもあり、何もかも信じられなくなってしまっていました。
6ヶ月ぐらい経った時、私はついに耐えきれず、死を選んでしまいました・・・。
今思えば、一人で抱え込まないで、両親や、お兄ちゃんに相談すれば良かったと思います。
私が死んでしまった後、家族が私のために戦ってくれました。
私は何て素晴らしい家族に恵まれていたのでしょうか。
師匠からそのことを聞いて、私は涙が止まりませんでした。
私は家族を信じることが出来ていなかったのかもしれません。
だから、相談もせず、誤った判断をしてしまったのです。
ただ、この件でお兄ちゃんの心が悪い方向に向かってしまいました。
学校という大事な場所を嫌いにしてしまった私の罪。
お兄ちゃんも色々な人を信じられなくなってしまっていました。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
お兄ちゃん・・・。
私のために戦ってくれたお兄ちゃん。
ありがとう・・・。
だけど、学校や、世の中の人を嫌いにならないで・・・。
発明品で世界の人を幸せにするんだよね・・・。
そんなことをお兄ちゃんのそばで考えていたけど、「ごめんなさい」という言葉しか伝わらなかった・・・。