さぽーとぷらん
師匠と呼ばれる女性に天国に連れてこられた愛那。
自分が死んでしまった事を深く反省した愛那が師匠と考えたプランとは・・・。
自分のことを師匠と呼ぶ女性は、私を天国に連れて来てくれました。
ここは辺り一面綺麗な草原、花々が綺麗に咲いていました。
遠くにはとても高そうな山々がありました。
お空は生きていた頃に見たことも無いような綺麗な青色をしていて、じっと見つめていると吸い込まれそうでした。
そして、大きな太陽が眩しく輝いていて、その光を浴びているだけで元気になってきました。
植物たちの光合成は、こんな感じなんだと思いました。
天国は、いるだけで幸せな気分になる場所だと思いました。
私は師匠の家に案内されました。
小さな丘の上にあるこの家もとても素敵です。
神社を豪華にした感じだけど、派手な色じゃ無くて、とても住みやすそうなお家でした。
何もかも驚いてばかりいる私を見て、師匠は声をかけて下さいました。
「どうだい?ここは。」
「えぇ、とても素敵な場所です。」
「お前が生まれる前は、この家に一緒に住んでいたんだよ。」
「え、そうなんですか・・・。」
「まあ、一旦忘れちゃうからねぇ。」
「はい、確かに・・・、覚えていません・・・。」
「まあ、ゆっくりと思い出すことになると思うけど気楽にしなよ。サクヤヒ・・・じゃない・・・、えっと、愛那だっけか。」
「サクヤヒ?」
私は、しばらくの間、師匠の下で修行をすることになりました。
修行と言っても、お勉強をするだけですが・・・。
そして、色々なことを思い出しました。
・師匠と私は女神になるための修行中の身であったこと
・私が生まれた理由
・お兄ちゃんが何故暴走する可能性があったのか
・私がお兄ちゃんをサポートするという意味
理由はどうあれ、私は自分の仕事を途中で投げてしまいました。
それは、非常に重大な問題であるという事も分かりました。
私は、お兄ちゃんの暴走、つまり、お兄ちゃんが将来作る発明品を使って世界を滅亡させること、を止める役割があったからです。
この暴走へのカウントダウンは、私がいなくなることで拍車がかかってしまいました。
重要な問題について、私は師匠と話し合って2つのプランを実行することにしました。
1つはお兄ちゃんのサポートプラン、もう一つは、池上さんのサポートプランでした。
「さぽーとぷらん、何て格好いい英語なんだろ。」
「ふふふっ、師匠、英語も勉強しないと現代について行けませんよ。」
「まいったね。私も地上に生まれないと、色々と話しについて行けなそうだよ・・・。」
「ともかく、私はお兄ちゃんの発明を見守って破滅方向に進まないように頑張ってみます。」
「あいよ。私は池上って名前で生まれた人をさぽーとするかね。しかし、あの人は、何て言うか、私が頑張らなくても大丈夫だと思うわ。」
「おぉっ!師匠、サポートって言葉を使っていますねっ!」
「お、おい、変なこと言うんじゃないよ・・・。使ってみたら、ちょっとは格好いいかなってね。
でも、ほら、ブラコンって言葉は知っていたし。私も少しは勉強しているんだよ。」
「わ~~、もうっ!ブラコンって言わないで下さいっ!」
「昔は、夫婦だったこともあるから、まあ、深い親しみを持つのも分からないでもないけどね。」
「ふ、夫婦っ!?お兄ちゃんとっ!?」
「いつだったかな。覚えていないなぁ。」
「ふぇ~~・・・。」
「何顔を真っ赤にしているんだい?ブラコンさんっ!」
「し、師匠っ!!」
「ケラケラケラッ!私があんたの姉貴をやった頃だったかなぁ。う~ん。」
「お姉さんだったこともあるんですね。」
「そうそう。だから、師匠でもあるし、アネキでもあるってことさ。」
「お姉ちゃんっ!」
「あはっ!まぁ、あんたとは縁が深い仲ってこと。」
「はい、イワナガ姉さんっ!あ、あれ?イワナガ??」
「あはは、思い出してきたかなぁ。」