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妄想は光の速さで。  作者: 大嶋コウジ
第10重力子 イトシノイモウトヨ -お助け少女 アイナ-
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深い決意

最初は、両親が学校に問い合わせても、虐めの実態は無いの一点張りだった。

当然、納得できるわけが無く、俺と両親は思案を巡らした結果、マスコミを使うことにした。

つまり、愛那の遺書に書いてある事について学校は調査不足であること、そして、虐めの実態は無いという学校からの報告内容について、

マスコミに公表したのだ。

この効果は大きかった。

自殺の話が大々的にニュースになり、大きく報じられることになった。


このため、学校と教育委員会も本格的に調べざるを得ず、第三者機関なるものに調査させると連絡があった。

だが、その第三者機関の結論も俺達を納得させるものでは無かった。


-----

池上様


XXX中学校の虐めの実態について


20xx年xx月xx日

XXX市教育委員会


この度の池上愛那様のご逝去にあたり、心よりご冥福をお祈り申し上げます。


本書は、ご依頼頂いておりました。XXX中学校の虐めの実態についてのご報告となります。

大変遅れまして、申し訳ございませんでした。


私どもXXX市教育委員会が、第三者機関に厳密な調査依頼をさせて、報告をもらったところ、

虐めの実態は見つからなかったという結論に至りました。


ご遺書に記載されておりました人物に十分な聞き取り調査をしたところ、虐めたという実態は無く、

ただ一緒に遊んでいたということでした。

遊んでいる中で、からかったことはあったということで、とりわけ個人を攻撃するような言動、

態度、また、愛那様への暴力といった事は無かったということでした。


また、学校で愛那さんは、孤独でいることが多かったという情報がありました。

孤独でいることで思い詰めて、自殺に至ったという報告が、第三者機関からありました。


池上愛那様を救うことが出来なかった点は大変申し訳なく、遺憾に思っておりますが、本件に

つきましては調査を完了したく存じ上げます。


何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


-----


こんな信頼できないような第三者機関なる組織に大事な妹のことを調べさせて、出た結論が虐めは無かった?

俺と両親の怒りは収まらず、この報告書もマスコミに流すことにした。

マスコミで流すことで、世論は俺達の味方をしてくれた。


A週刊誌「これが教育か?!虐めの実態がなかったという報告」

B週刊誌「虐めの実態はなく、ただ遊んでいたという内容に市民の怒りは爆発!」

Cサイト「虐めとは一体何なのか!こんな教育委員会に教育されたくない!」

Dサイト「日本の教育はここまで落ちぶれた。XXX市教育委員会を糾弾する!」


様々な週刊誌、また、ニュースサイトが取り上げてくれた結果、教育委員会は更に追い込まれていくことになる。

ただし、XXX市教育委員会から得られた回答は、こんな内容だった。


-----

第三者機関の調査結果を尊重せざるを得ず、私どももこれ以上調査すべき事は無いとの結論です。

-----


たった一行で回答は終わり。

何でそんな事実からかけ離れた内容で"終わり"になるんだ。

学校は虐めが無かったという結論で自分たちの責任を逃れたいだけじゃないかっ!

その責任を第三者機関に移しているだけじゃないかっ!

第三者機関って一体何なんだっ!

そいつらは一体何者なのかの説明も無いじゃないかっ!


この内容もマスコミに流したが、結局、XXX市教育委員会は、これ以上動くことは無かった。


マスコミは良くやってくれたと思った。

ただ、残念だが、小さな事件について、いつまでも付き合ってくれるわけじゃ無い。

世間からは、徐々にこの事件については、忘れ去られていった。


数ヶ月して、良心的なマスコミから、第三者機関は、ある弁護士の事務所であることを教えてもらった。

この事務所の弁護士は、虐めた人物が子どもであったため人権を尊重したということだった。

ここで犯罪者にしてしまうと、子どもの将来が潰されてしまうということを懸念して、"虐めが無かった"という

結論にしたということだった。


つまり・・・、


つまりっ!!!


虐められた人物よりも、虐めた人物が尊重されたということっ!!!

虐めが無かったということによって、教育の現場は責任から逃れることが出来て、虐めた本人達も責任から逃れたということっ!!!

人の命が一つ無くなった事への反省の色は無く、虐めた側の利益が尊重されたということっ!!!


学校の先生とやらは、尊敬に値するような人間では無く、クズの集まりだということっ!!!!!

反省することの出来ないクズどもは、自分たちの社会的な信頼を捨てたということっ!!!!!


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。」


愛那・・・、


愛那・・・、


謝らないでくれ・・・。


俺は、まだ弱い・・・。

お前を虐めた奴らに復讐することが出来なかった・・・。

俺は何でこんなにも力が無いんだ・・・。



怒りに震えた手を握り、俺は誓った。


クズども・・・それなら良いだろう。

俺は・・・、学校や先生なんて絶対に信じないっ!!!


体面だけのために学校だけは行ってやる。

だが、こいつらの言うことだけは絶対に聞かないっ!!!

俺は俺自身で勉強することにする。

そして、こいつらをいつか復讐してやるっ!


2020/09/19

この節が長い間抜けていました。

文字通り、ちょー間抜けです。申し訳ございません。

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