警察署日誌07
波多野は、「ときこ」という女性も追っていた。
だが、その調査結果は期待したものとはかけ離れていた・・・。
池上君の捜索と共に、私は"ときこ"という名前の女性についても調べさせていた。
彼女について何か分かれば、池上君を助けることが出来るかもしれなかったからだ。
しかし、彼女も行方不明となってしまっていて、見つけることは出来ないかもしれない。
実際には存在しないかもしれないが、あの池上君が、嘘をついているとは思えなかった。
大田町に住んでいる女性で、太田大学の附属高校に通っている生徒は、以前も記載したとおり、一人もいない。
制服から考えると、年齢は、15歳から18歳と思われるため、絞り込むと、以下の3名となった。
一人目
大上 朱子 15歳
現在中学3年生
二人目
五月 雨鷺子 18歳女性
現在浪人中
三人目
新川 富紀子 16歳女性
現在両親の実家である富山県の高校に通っている。
住民票だけ、こっちに登録しているだけだった。
どの人物も、特に気になる点はなかった。
また、平成x年に交通事故で死亡した蓮沼時子15歳女性という人物もいた。
つまり、この線で池上君を助けようとしたのが、難しいことが分かった。
容疑者に肩入れしすぎているのは分かっているが、何故か応援したくなる彼の無実を証明したかったのに。
池上君が見つからない今、全国に指名手配されるのは時間の問題だろう。
悔しくて仕方が無い。