とっきょの場合
「お父さん・・・。
お母さん・・・。
会いたいよぅ・・・。
ぐすっ・・・、わぁ~~ん・・・。
私、私・・・。
どうしちゃったんだろう・・・。
ここはどこなの?
顔が何で壊れて・・・。
やだやだやだ~~~っ!
思い出したくないよぉ~~。
グスッ・・・、グスッ・・・。
んっ?あれっ?!
な、何かに引っ張られてるぅ~~~。
足、足、足・・・、あ~~~し~~~~が引っ張られてるぅ~~~。!!!
なになに??
う~・・・。
引っ張って飛んでて・・・。
何だこりゃぁ・・・・。
周りが急にまぶしくなってお花畑か・・・。
綺麗だなぁ・・・。
って、ここどこじゃ~~~っ!
ん?あれ?
お、お、お父さん?お母さん?
こっちみて、笑ってる・・・。
んが~っ!
助けてよぉ~~~!!
「まだ、こっちに来ちゃ駄目だよ・・・。
ごめんな。また会おう・・・時子・・・。」
お父さん何を言ってるの???
ん?
何あの穴・・・トンネル・・・?
トンネルに入ると、わぁ~~~・・・、だんだん暗くなって行くんだけど・・・。
何か怖いよぅ~~。
ス、スカート、めくれちゃうよぉ~~・・・。」
-----
「戸越、見たかっ!」
「おおっ!永原君、すごい、すごいよっ!(呼び捨てか・・・。)だ、だが、は、裸だ・・・。」
あれ、ここはどこだろう?
「目覚まし時計を媒介したのは笑えるが、生命体だぜ。」
んん?
頭とかお腹が何か引っ張られているなぁ。
「こ、これは・・・。信じられない・・・。」
「ああ、こりゃすごいぜ。うん!あぁ、そうだ俺は別の研究をする。後は任せたっ!」
「お、おいっ!どこに行くんだよっ!おいおい・・・。ブツブツ・・・。」
あれっ、何だっ?
朝なのかな。
目が覚めた感じだ。
「き、君?!お、起きたのか・・・。あぁ、何て呼べば良いんだ?」
でも、不思議だなぁ。
身体が元気になったぁ?
あれ、足も大丈夫だ。
ジャンプも出来ちゃった。
「あっ・・・、あぁ・・・・っ。」
鏡に映った私・・・。
顔が・・・、顔が治ってるっ!!!
「う・・・、うぅぅ・・・。わ、私・・・。生きてる・・・。」
「ん?どうしたんだい?そうだよ。君は生きているよ?」
「うっ、うっ、うわぁ~~んっ!!!」
涙が止まらないよぉ~~・・・。
「ど、どうしたんだい??」
「うわぁ~~ん、うわぁ~~ん。いぎてるよぉぉ~~~っ!!」
「こ、困ったなぁ・・・。」
「あれっ、私・・・。」
「うん?」
「はっ、はっ、はだかぁっ~~~!!何でぇ~~~!制服着ていたのにっ!!!」
「わっ、わっ、そっ、そうだね。せ、制服?制服が良いんだね?あ~~、え~とっ、そっ、そうだ。附属高校の制服が良いだろう。」
「な~~~っ、制服が出来たっ!?どうやったの?!い、いや、それどころでは無いぞ、とっきょさん!(噛んじゃった)」
「とっきょ??」
私は急いで制服を着るのであったっ!
だ、だが、下着が無いぞっ・・・。
「し、下着・・・も・・・。」
「いや、そ、それは、ぼ、僕には無理だ・・・。後で買いに行こう・・・。」
「ふにゅぅ・・・。スースーするぅ・・・。」
ん?
おっとっ???
何だこの頭にひっついている赤いやつは。
目覚まし時計のベルみたいだなぁ。
何で浮いているのに、離れないっ!
「えいっ!え~~いっ!!!外れろぉ~~~っ!はぁはぁ、駄目だぁ・・・。何だこれはぁ・・・。」
んっ???
何だろ、この2つの棒は・・・。
2つじゃ無い、二本か・・・。
こ、こいつも離れないぞぉ~・・・。
「やだやだやだ~っ!」
「だ、大丈夫かい?」
「な、何ですか、この頭のやつと、この棒は・・・。」
「君は目覚まし時計を媒体にしたから、目覚まし時計の格好をしているんじゃないかな・・・。」
「何ぃ?目覚まし時計ですとぉ~?ばいたい??」
「ほら、このネズミを見てごらん、これは携帯電話を媒体にしたから、携帯電話と一体化しているんだ。」
「なっ?!なっ?!なっ?!」
「電話もかけられるんだよ。」
「かぁ~~~。」
「か???」
「かぁ~~~わぁ~~~いぃ~~~~っ!!!」
「そうか、可愛いか。これは君にあげよう。」
「やったぁ~~~っ!」
「こう見ると普通の女の子だな。」
「可愛い、可愛い、ん?はい?私は、普通の女の子ですっ!」
「とっきょと言ったっけ?名前まで持っているとは・・・。ますます不思議だ。ブツブツ・・・。」
「えっ、ちょっと噛んだだけなんですけど・・・。き、聞いてます??(ぐぅ~~~。)」
お、お腹が空いてきた・・・。
道路にいた時は、お腹なんて空かなかったのにっ!
すごいっ!すごいっ!すごいっ!
「お腹まで空くのか・・・。う~ん、まあ、良いか。さっき頼んだピザがあるよ、とっきょさん。」
「ピ、ピザッ?!食べるぅ~~っ!!」
バクッバクッバクッ!
「やだやだやだ~っ!おいしいよぉ~~~っ!」
「元気になったみたいだ。良かった、良かった。しかし、食事もするのか・・・。ブツブツ・・・。」
「う、う、うわぁ~~ん。おいしいよぉ~~~っ!」
「や、やれやれ、また泣いてしまった・・・。」