V. 協力者
俺は所属する研究室の戸越を利用することにした。
俺よりは知識を持っているから、何かと使えると思ったからだ。
やつも最初は驚いたようだった。
「あり得ないよ・・・。永原君・・・。」
「えぇ、先生。自分も驚きました。でも、事実なんです。」
「何てすごい発見をしたんだ。すごいよっ!すごすぎるっ!!」
「そうなんですよ。先生、協力して研究しませんか?」
「ああ、もちろんだよ。是非、協力させてくれ。」
そういうと思った。
ノーベル賞どころの騒ぎではないからな。
「でも、他の人には秘密にして欲しいのです。」
「な、何故だい?御岳教授にも話した方が何かと協力を得られると思うのだが。」
「自分で言うのも変ですが、この発見は人類の生活を変えてしまうぐらいの発見だと思うのです。」
「そうだね。」
「だから、最初は二人で進めて、ある時に研究論文をネイチャーなどに発表したいのです。」
「そうか。二人で大丈夫だろうか。」
「お金の掛かる施設も不要だから大丈夫です。半年で良いので一緒にお願いします。」
「分かった!一緒に研究しよう!!!」
「ありがとうございます。」
御岳教授からすれば裏切りに誓い行為だと思うのだが、あっさりと引き受けてしまった。
欲に目がくらんだな。
ちょろい奴だった。