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妄想は光の速さで。  作者: 大嶋コウジ
第4重力子 イロイロナ オニイチャン ト アソベタノ-不良少女やまい-
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思い出アルバム

お隣に住んでいた舞ちゃん。

毎日公園で遊んだんだ。

だけど、体が弱いのかな。

たまに遊べなくなる時があった。

だけど、今回は何か様子がおかしいなぁ・・・。

「お兄ちゃんっ!あ~そ~ぼぉ~っ!」


いつものように舞ちゃんが遊びに来た。


「うんっ!いいよ~っ!」


僕らは公園に行って、ブランコに乗ったり、砂遊びをした。

ママゴトもするけど、ちょっと恥ずかしかった。


「えへへ。お兄ちゃんと遊んでると楽しいな。楽しい・・・な・・・。」


そういいながら、舞ちゃんは倒れてしまった・・・。


「わわわ・・・。おばさんっ!おばさ~~~んっ!舞ちゃんが倒れちゃった~~っ!」


舞ちゃんは身体が弱くて、すぐに疲れてしまう。

だから、いつも舞ちゃんのお母さんも一緒に遊びに来ていた。


翌日は舞ちゃんが遊びに来ないので、僕から遊びに行った。


「ごめんね。舞は今日はね、お熱が出て遊べないの・・・。」

「うん・・・分かった・・・。おばさん、舞ちゃん元気になる??」

「もちろん元気になるわ。ありがとうね。」

「うんっ!」


「バイ・・・、バイ・・・。おにい・・・ちゃん。」


家に帰る途中、そんな声が聞こえた気がした。


「ま~いちゃん。」


その翌日、懲りずに僕はまいちゃん家に遊びに来た。


「あら、今日も来てくれたのね・・・。だけど・・・、舞は昨日から入院したのよ・・・。」

「えっ?にゅういん??」

「そうなの・・・。病院でおねんねしてるのよ・・・。」


僕は単に病院というところで寝ているだけだと思っていた。


「そうかあ。いつ帰ってくるの?」

「そうね。いつかなあ・・・。」


この時、舞ちゃんのお母さんが悲しい顔をしたのに気づかなかった。


「早く帰って来てほしいなぁ。」

「舞も早く会いたいって。」


そう、だから、このおばさんの言葉は「希望」だったということ・・・。


「うん。僕も遊びたい。」

「もうちょっと待ってね・・・。」

「うんっ!」


----------


またしばらくして、僕は舞ちゃん家に遊びに行った。

だが、そこは誰もいないさみしい家があるだけだった・・・。


「お母さん!お母さん!舞ちゃん家、誰もいないみたいだよっ!!どうして!?」

「舞ちゃんのお引っ越ししちゃったのよ・・・。」

「おひっこし?」

「そうよ。遠くに行っちゃったの。」

「え~っ!なんでぇっ!」


子供だった僕は引っ越しした事より、黙っていなくなってしまったことの方が理解できなかった。


「う~ん、どうしてなのかしらね・・・。」

「舞ちゃんに会えないよぉっ!ぐすっ・・・。」

「そうね・・・。」


後から知ったんだ。

舞ちゃんは病院でそのまま死んじゃってしまったんだって・・・。

ご両親は、舞ちゃんの思い出が詰まった家にいられなくなったんだって・・・。

舞ちゃん・・・。


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