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警察署日誌03
大田警察署の波多野警部による日誌。
災害に飲まれた大田町。
殺人事件どころではなくなっている彼だが、あらゆる偶然が、彼を殺人事件から引き離さない。
大田大学五反田研究室殺人事件
大田警察署 波多野
災害時には、広域緊急援助隊が主体となって活動することになっている。
今回は、特別救助班も駆けつけてくれた。
我々は緊急時彼らの下で働くことになっている。
私は救助班に所属されて、救助活動を行うことになった。
しかし、震源地が判明した時点で私は驚きを隠せなかった。
なぜあの大学ある地域なのだ?
関連はないはず、だがこのわだかまりは何だというのだ。
そして、偶然とはいえ、研究室殺人事件の第一目撃者の少年に出会ってしまった。
この災害で殺人事件どころではなくなっている。
だが、彼との出会いは、否応なしに私の心をまた殺人事件に戻されてしまった。
いったい私は何をすればいいのか。
いや、まずは救助活動に専念せざるを得まい。