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妄想は光の速さで。  作者: 大嶋コウジ
第15重力子 オマケ
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特別講義:重力子って何だ?

戸越ととっきょのある日の会話です。

「ところで、戸越君、私たちが生まれるために使った重力子って何じゃいな?」

「おや、とっきょ。重力子について興味が出てきたのかい?(戸越君って・・・。)

重力子というのは重力が働く際にやり取りされる素粒子のことだよ。」


「ふえ?分かんな~い。」

「う~ん、質量を持った物質同士は重力が働くんだけど、分かるかい?」

「???物質って何でもかんでも"ぶっしつ"?とっきょも物質??」

「そうそう。何でもかんでも。」

「うん。」

「それで、その物質は、重力が必ず働いているんだ。」

「そうなの?」

「とっきょとユウにも働いているの?」

「そうだよ。石だって、草だって、動物だって、何でもだ。」

「ふ~ん。」

「とても大きな物質はより大きな重力を持っているんだよ。」

「え~。どんな?」

「例えば、惑星。」

「惑星?あっ、そうか。地球だね。」

「そうそう、地球だとよく分かるよね。」

「うん!」

「それに太陽。太陽の重力で太陽系が出来ている。」

「わ~、すごい!」


「話を戻すと、物質同士が働き合う重力は、重力子という素粒子をやり取りしてるって、想定されていたんだ。」

「そりゅうし?魚を捕っている人のこと?」

「・・・いやいや、漁師じゃないよ・・・。とっても小さな物質のことだよ。」

「はぁ~。」

「原子よりも小さな物質だよ。」

「はぁ~、わけ分からん。そんな小さなもんがあるのか。」


「見えないぐらいとても小さなボールをやりとりしていて、相互に影響していると言えばいいのかなぁ。」

「ふ~ん。とっきょと良子ちゃんもボールをやり取りしているということ?戸越君とも?ん?あれ、地球とも?」

「そうだよ。」

「わ~、みんなで影響し合っているってすごいね。みんなつながっているんだ。」

「つながっているか・・・。考えて事も無かった・・・。」

「すごいっ、すごいっ!」


「重力子は、宇宙を司る4つの力の中で、一番小さな力と言われているんだ。」

「また、分からないよ~。4つの力って?ああ、火、水、土、風みたいな力か。何かのゲームで見たことあるぞ。」

「ち、違う・・・。4つの力っていうのは、弱い力、強い力、電磁力、そして重力だ。」

「どっかんっ!何だその名前はっ!」

「(何の音だ?)単なる種類のことだから、名前自体は余り意味がないかなあ。」

「強い力や弱い力というのは、原子に影響している力(正確には原子核だけど)。」

「え~、原子って何かで出来ているの?」

「そうだよ。原子も色々な素粒子で出来ているんだ。魚を捕る人じゃ無いぞ。」

「う~ん。」


「電磁力は、電気を作る力だよ。フレミングの左手の法則って習ったかな?あれは高校だったかなあ。」

「わかんな~い。」

「まあ、それは良いか。とにかく電気や、磁力を作るときに使われる力だ。」

「うん、分かった~。」

「それから重力だ。これは、さっき説明したね。」

「でんじりょくって言うのと、じゅうりょくだけは、実感できるなあ。」

「そうだね。その二つは、身近な存在だね。」


「そして、それぞれの力は、素粒子をやり取りしているのが分かっているんだ。」

「へ~。」

「だけど、重力でやり取りしている重力子だけは見つかっていないんだ。」

「何で??」

「とても弱すぎて、観測できないからだと思っている。」

「そうかぁ。あれ、でも、太陽みたいなでっかいもんが、太陽系を作ってるって話していたよね?本当に弱いの?」

「確かに惑星、恒星ぐらい大きいと強力に見えるけど、とっきょが、ジャンプすれば地球から少し離れることが出来るだろう?」

「ふえ?そうだけど。」

「他の力は簡単には離れない力なんだ。」

「原子が分解したらすごい力が生まれるんだよ。原子力発電所や、原子爆弾なんかもそうだね。」

「わ~、爆発しちゃうね。」

「そう。大爆発しちゃう力が生まれるんだ。」

「うん。」

「だけど、重力だけはとても小さいから、ちょっとぐらいなら簡単に離れてしまう。」

「ジャンプできちゃうもんね。」

「だけどすぐに引き寄せられる。」

「んでも、離れちゃうけど、またくっつくってことは、ゴムみたいなもんじゃ無いかな。」

「ゴ、ゴムか・・・。」

「そうだ、重力は、ゴム理論によって、説明が出来るはずだっ!」

「えっ?!いや、いやいや・・・。(まともに考えそうになってしまった。

そ、その重力子を発見して、思考との結びつきも発見した事が偉大な発見なんだよ。」

「うん、それでどうして私たちが生まれることが出来たのさ。」

「うん・・・?」

「どうやって生まれたの?」

「そ、それは、重力子の見えない力によって、私たちの思考が引き出しとなって・・・。ブツブツ・・・。」

「はぁ、何だ分かっていないのか。」

「いや、だから、それは、これからの研究によって解明されて・・・。ブツブツ・・・。」


「よし、戸越君、私が説明しようっ!」

「はあっ?」

「重力とは、結び合う力だと説明したね。」

「へっ?い、いつ、説明した???」

「そうだよ。ゴム理論によるとだね。人々を結びつけ合うこの重力子は、一言で言うと"愛"だっ!」

「あ、愛?」

「うむ。どんなものでも結びつける力ということは、愛以外には考えられないっ!」

「・・・え、うん?」

「だから、銀河系が出来ているのも、太陽系が作られているのも、地球が私たちをくっつけているのも、愛なのだよ。」

「はぁ・・・。」

「私たちは、神様の作った大きな愛の中にいると言うことだ。分かったかね?」

「え、いや、その・・・。あい・・・?」


「とっきょ、先生、ご飯出来たよ~。」

「は~い、ユウ姉さんっ!今行くね~っ!」


「・・・何なんだ。この敗北感は・・・。愛、重力子・・・。ブツブツ・・・。ブツブツ・・・。」


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