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スターシューティング部。  作者: 杏月 要
スターシューティング。
3/9

3

4月。

待ちに待った放課後。

今日は初めてちゃんと部活動ができる。

入部届けはもちろんスターシューティング部を選んだ。

先輩達はどんな人なのか、スターシューティング部はどんな練習をするのか。

自分の目で見たいものをやっと見ることが出来る。

それが楽しみで、嬉しくて。私は朝からそわそわしていた。

スターシューティング部の部室は校舎を出て少し歩いたところにある。

スターシューティング部専用の施設があって、中の設備は写真で見たことがあるがとんでもなく大きかった。

筋トレルームや、何種類かある陸上コース、ミーティング部屋もちゃんとある。

うきうきしながら階段を降りようとすると、ふと声をかけられた。

「いお!さっきぶりー」

ビクッと後ろを振り返ると、ニッと笑った笑顔がまず入ってくる。

彼は“橘悠月”私の幼馴染である。

兄と一緒にスターシューティングの練習をした仲間だ。

「ゆづ……!圭ちゃんもいたんだね」

傍らの静かであまり騒がない彼は“住永圭一”この3人が、幼い頃から一緒にスターシューティングで遊んできた仲間だ。

幼馴染であり、昔からこんな仲である。

「まあ。やっと部活できるから」

「こう見えて圭そわそわしてたんだよ?皆クラス別れちゃったけどさ、俺待ってる時とか何かしらいじってたもんねー」

からかうように笑って横目で圭ちゃんを見る。

ムッとした表情をより一層強めて圭ちゃんは頬を赤らめた。

「……いいから、初っ端から部活遅れてたら先輩に怒られるぞ」

片方ずつの手で2人を押して、圭ちゃんは階段を無理やり降ろさせた。

背中を押されておろおろしつつも、ゆづは笑っていた。

「いやー楽しみだな。なんてったって小学校からずっと部活でスターシューティングやるのが夢だったからなぁ」

たしかに、小学校の頃から一緒にスターシューティングをやろうと約束していた。

それをやっと実行できる日になったのだ。

喜ばない方がおかしい気もする。


そのまま校舎を出て、道に沿って歩きながら一際大きくて目立っている建物を見上げた。

入口のところには石に“スターシューティング部”と彫られていて、ゆづは目を爛々とさせていた。

中に入れば、もう1つの校舎に来たのかと錯覚させるほど広いホールが目に入る。

受付口みたいな所もあるし、奥には広い階段がある。

靴箱だって大きいし、違う学校に来たみたいだった。

「すっげー……」

これにはさすがのゆづも興奮するというより圧倒されたのだろう。

ぽかんと口を開けたまま突っ立っていた。

たぶん私も今顔をしていると思う。

「ほら、早く行くぞ」

一足先に上履きに履き替えた圭ちゃんが私達を催促した。

慌てて運動靴を脱いで上履きに履き替え、圭ちゃんの後について行く。


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