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スターシューティング部。  作者: 杏月 要
スターシューティング。
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2

私立緑南高校。

そこは部活動に力を入れている学校であり、施設はかなり揃っていた。

偏差値もそれなりに高く、いつも大体倍率は高めである。

でもそこは私が今年から入学する高校でもある。

この学校に入学すると決めたのは、もちろん偏差値の問題もあるが、一番は高校にある部活があるからだ。

それは“スターシューティング部”

私がスターシューティングという陸上競技を知ったのは兄の影響だった。

小学生の頃に、2つ年上の兄がスターシューティングというスポーツがあると教えてくれた。

兄自体がスターシューティングにハマっていて、中学はわざわざ遠くまで行ってスターシューティング部がある中学に入学したのだ。

小学校低学年の頃に初めてあのスポーツを知って、私はスターシューティングに魅せられたのだ。

2人の選手が汗を流しながら様々な障害物を飛び越えくぐり抜けながら突然出てくる的を射抜く。

その動きは私の心を揺らがした。

かっこいい。私もやってみたい。

そう思ったけれど、スターシューティングは男子向けの競技で未だに女子部門は存在していない。

テレビでも男性の選手しか見かけないから予想はついていたけれど、実際に知ったのはかなりあとだった。

それでも、私がスターシューティングを嫌いになることは無かった。

むしろもっとスターシューティングについて知りたいと思った。

私があの場に立てなくても、生で見ることが出来ればそれでいい。

そんなことを考えていた時に、私は“サポーター”というポジションを知った。

それは“司令塔”と呼ばれて名前から引き付けられてしまう。

サポーターは実際にあの場にたって走ることはないけれど、その代わりもっと重要な役目をうけていた。

言葉のとおり、選手をサポートしながら司令をする。

的がどこに出てくるのか、的が出てくると予想されるポイントはどこか。

あと何メートルで選手と交代するのか、など役目は様々である。

皆に注目されることはないし、存在も最初は知られないのがほとんどだ。

だけど、まさに“縁の下の力持ち”ということわざが似合うそのポジションに私はまた魅せられた。

スターシューティングは素晴らしいスポーツだ。

そのことは、兄から他の2人にも伝えられて私を含む三人全員がスターシューティングにハマってしまった。

テレビ中継される時はいつも同じ画面で見ていたし、2人が兄とスターシューティングの練習をしている間、私は頑張ってサポーターの役目をこなしていた。

最初は難しくて、部活では選抜メンバーである兄の手助けがなければ行うことも出来なかっただろう模擬戦も、なんとか形を成していた。

そんなこんなで高校生になったら絶対にスターシューティング部に入ろうと約束したのだ。

その約束が、やっと果たせそうだ。

緑南高校はスターシューティング大会で関東代表まで上り詰めたと聞いているし、強豪だとも聞いていた。

そんなところに行ったら、もっと楽しくスターシューティングが出来るのではないかと、私たちは楽しみで仕方がなかった。

だから偏差値が高い緑南高校にも頑張っていこうと勉強したし、スターシューティングの練習も欠かさなかった。


そんなこんなで、やっと緑南高校に入学することが出来た。


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