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10

等間隔に火を灯されただけの薄暗くなった廊下を、まばらに衛兵達が歩いていた。


その『まばら』の中に隼人の姿もあった。先程まで寝ていたのか髪がボサボサ状態の隼人は衛兵に先導される形で、昨夜リリス達が集まった円卓のある部屋へと向かっていた。衛兵が言うには、どうやらアルベセウスが戻ってきたようで、緊急を要する事態だと言う。


部屋の扉の前までやってきた隼人。衛兵が部屋の扉をノックする。


「お連れ致しました」


「――入ってくれ」


扉の向こうから聞こえたのはアルベセウスの声だ。促されて扉を開ける衛兵。


「どうぞ」


そう言って体を横へと移動させた衛兵は部屋には入らずに、隼人が部屋に入るのを確認すると頭を下げ扉を閉めた。


部屋の中には昨夜と同じ顔触れが、昨夜と同じ席に着席していた。隼人も昨夜同様に、ナスターシャの横の椅子に座った。


「皆にこの様な時間に集まってもらった理由は言わなくても分かるであろう。そう、『地食』を確認した」


アルベセウスの言葉に、場の空気が一変する。全く話の知らない、眠そうにしていたリリスまでもが体をビクと震わせ、凛とした表情に切り替わった。


一層真剣さを増した表情のアルベセウスが本題へと入った。


「――場所はツェンダーテンの町から、東の方角に一五キル米ほど離れた、地図で言うと丁度マコロ平原辺りか」


「ツェンダーテンか、近いな。規模は?」


ナスターシャの言葉にアルベセウスが苦笑いを浮かべた。


「それは皮肉か? 私が確認するだけで、何もせずに戻ってきたのだぞ」


「そのようなつもりで聞いたのではないのだがな。ふむ……小規模か」


「……『こちら』と繋がるのは?」


眠気がスッと消えた、不安そうな目のリリスが聞いてきた。


「応急に封を施してはきましたが、それも持って精々二日だと」


「そうですか……」


迫るリミットに、リリスはもう一段深く気落ちした。


「発生しちまったもんはしょうがねぇだろ。いつも通りにアルベセウスは城に残って、オレとナスターシャでどうにかするしかねぇんだろ?」


「いや、今回は私も出る。私とガイナでツェンダーテンの『方』に向かう」


アルベセウスの言葉に隼人以外の人間が過敏に反応する。感が良くない人間でも、察知するには十分だった。


「おいおい……『方』って、おまえ」


ポジティブ思考の強いガイナであったが、これには辟易とするほかなかった。


「そうだ。『地食』は一つではなく二つ発生している。もう一つの方の確認から戻った者による報告によると、場所はここから街道に沿って南に五〇キル米ほど離れた所にあるオージス平原。活動が活発なため、『地食』の規模は正確に測れてはいないが、『小』に進行する恐れがあるようだ。現在、直属の者達が数人現場に残って封縛にあたってはいるが、こちらもマコロ平原の『地食』と同じに、押さえ込めるリミットは二日と言う」


「なるほど。ということは、こちらを私に任せると言うことだな?」


「ナスターシャ一人を向かわせるのですか!? そんなの危険すぎます!」


一人声を荒げるリリスに、ナスターシャは心配は無用とばかりに口元を綻ばせて見せた。


「姫様、心配してくださりありがとうございます。ですが、大丈夫です」


「大丈夫って……全然大丈夫ではありません!」


ナスターシャがアルベセウスに視線を向けると、アルベセウスが頷く。


「――そのことについてですが」


アルベセウスが隼人に視線を向けた。追って全ての視線が隼人に集中する。


飛び交う専門用語についていけず完全に部外者を決め込んでいた隼人は、不意に視線を向けられ戸惑う。


「な、なんだよ」

新作『魔王を名乗るアッシュ・バ・クラヴェリードは世界を守護する者だそうですよ?』のプロローグを掲載しました。更新スピードはそれほど早くないと思いますが応援よろしくお願いします!


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