表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/61

7

ナスターシャはブーツを脱ぐと履いてあった靴下も脱いで新品のニーソに足の先を差し入れる。たかが靴下。履くことに対しては躊躇することもなく、抵抗もない。もしあるとすれば、それは別な意味で……ナスターシャはちらりと隼人を見た。


この男には遠慮というものが、配慮というものがないのだろうか。潔いほどまでにガン見だ。見られれば見られるほど恥ずかしさが増していくナスターシャはニーソを一気に履き終えるとブーツを履き直した。


「こ、これでいいのか?」


ナスターシャはテーブルから下りて、恥ずかしそうに隼人に見せる。


ナスターシャの白魚のように美しい脚に黒ニーソという魅惑のコントラスト。黒ニーソの艶生地が少し食い込んで、ほんの少し沈んでいる太股。ニーソとミニスカートが繰り出す魅惑な領域。そして極うっすらと黒ニーソから透けて見える白い肌。


スリムよりムッチリ感を好む隼人。その隼人が望むこと全てを満たした究極形態がそこにあった。しかもブーツときたもんだ。まさか異世界でニーソブーツが拝めるとは夢にも思ってなかった隼人は感無量。まさにマーベラスと言わざるを得ない。顔を綻ばせる。


「イイ! マジでイイ! マジですっげ似合ってる!」


「そ、そうか? 私には今イチよく分からんのだが……ただの長い靴下だろ?」


「ちっがーう! ニーソだ。ニーソックス。正しくはオーバーニーソックス。さっらーに! お前の履いてるニーソの長さからして、そいつはサイハイソックスとも言われている。まあぶっちゃけ纏めてニーソでよろし」


「ニーソ……サイハイ? なんかお洒落な呼び方をするんだな。初めて耳にする呼び方だ」


「そうなのか? じゃあ、こっちではニーソのことなんて言うんだ?」


「普通に長尺の靴下と言ってるが?」


「長尺て……ロマンもへったくれもないな。ま、いいけど。これからは長尺とは言わずにニーソでよろしく」


「それは別に構わんが。……それじゃあ、もうこれは脱いでもいいか?」


「は? なんで脱ぐ必要があるんだよ。勿体ない」


「勿体ない? どういう意味だ?」


「そのまんまの意味だよ。さっきも言っただろ、似合ってるって。冗談抜きでマジで良いから。その脚最高。完璧」


隼人に褒めちぎられ、ナスターシャは何ともむず痒いし、恥ずかしい気持ちになった。でもどことなく悪い気はしない。


ナスターシャは視線を下げると、改めてニーソを履いた自分の脚を見た。隼人に理想と言われた自分の脚。


「そ、そうか……そんなに、か?」


「まさにオレの理想」


さっきまで何とも思っていなかった自分の脚。それがどうだろう。


「そうか、理想か……そうか。うむ……ふふふ……そう言われると悪い気はしないな」


ナスターシャの表情のなんと嬉しそうなことか。自分の知らぬうちに、女の子らしい可愛い笑い声が漏れていた。


そんなナスターシャを見ていて、隼人は思った。


こいつって、ホント単純なんだな、と。……勿論、良い意味で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ