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5

案の定長引いた。決めた。と言うか、根を上げてギブアップした格好だ。


二十二個目までは覚えている。それからは数えるのをやめたから覚えてないが、相当な数の試着をこなした隼人は、次に一番、違和感の少ないガントレットに当たればそれに決めようと思っていた。それが、いま手に装着したガントレットだ。幸いなことに違和感が少ないどころか、違和感がなかった。ジャストフィットだ。


その後、「気に入る物があれば好きに持っていっていいぞ」と言ったナスターシャは出し散らかしたガントレットを片付ける作業に入った。


言われた隼人は気ままに物色し、そして選んだのは鋼鉄製のすね保護具レガースが取り付けられた靴だった。


靴を履いた隼人。自分の足がまるでガン○ムみたいな重厚な足になり「……か、かっけー……」と呟いた。


と、まあやることも終え、手持ち無沙汰になった隼人はナスターシャを見る。将軍様という身分でありながら、せっせと片付けに精を出していた。見た様子、どうやらまだもう少し時間が掛かりそうだ。


と、なれば……


隼人は部屋の隅へと視線を移した。別の部屋へと続くらしきドアがあった。入ってみようか? ここにいても暇を持て余すだけだ。


「なあ、隣の部屋って何があるんだ? オレが入ってもいいのか?」


「ん? 別に構わんが、これといってお前の必要な物は置いてないぞ? 兵が着る制服の予備がおいてあるだけだ」


「ふぅん。ま、暇潰しにはなるだろ」


奥の部屋。部屋に入った隼人は色々と見て回るが、これと言って気を引くような物品は見つからず、当てが外れた格好だった。暇潰しにもならない。


「ん?」


もういいや。とナスターシャの所へ戻ろうとした隼人がある物を見つけた。手に取ってマジマジと見る。


あー、アレか。どうやらこれがこの部屋で得ることの出来た唯一の成果、収穫のようだ。と、隼人はその『ある物』を持って「ナスターシャー」と名前を呼びながら部屋を出た。


元いた部屋に戻った隼人は、片付けられ何もなくなったテーブルの上に『ある物』をスルルと伸ばして置いた。


丁度、片づけを終えたナスターシャも戻ってきた。


「呼んだか?」と同時に、隼人が『どうぞ』と言った。テーブルの上に置いた『ある物』がナスターシャの目に入った。目をパチクリさせる。


「お、おま……こんなものを持ってきて一体どうするつもりだ?」


ナスターシャが手に取った『ある物』。スルルと伸びた細長い布生地。『何か』の正体は長尺の靴下であった。別名、ニーソックス。

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