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3

髪を短くした中性的な顔立ちをした青年。


「ん?」隼人が目を凝らす。


「……違う。女か?」


胸らしき膨らみが確認出来た。


「どうかされましたか?」


背後から声が掛けられる。通りすがりの衛兵のおじさんだった。


「ん? いや」


「何か珍しいモノでも?」


衛兵は隼人に近寄ってくると、窓の脇から覗き込むようにして隼人の視線の先を追った。


「ああ、なるほど。ロナウ様ですね。ガイナ様の妹様です」


「ガイナ? ああ、赤髪ヤンキーね」


返事に困る衛兵のおじさん。


「しかし、そこらにいる量産型イケメン顔負けの美形だな」


「ロナウ様は兄であるガイナ様直属の副隊長であられ、それはそれはガイナ様をお慕い尊敬しておられます」


「へぇ、ブラコンか。いや、シスコンってのもあり得るな……」


「何のことで?」


「いーや、こっちの話」


「はぁ……」


隼人は衛兵のおじさんを残してその場を離れた。


部屋に戻ってきた隼人は、それからしばらくして部屋に運ばれてきた朝食を取っていた。


期待していた朝食だったのだが予想外に、質素とまではいかないが、普通クラスのホテルが客に出す普通な朝食だった。パンが三切れに、少し濃いめのポタージュ、何の動物か分からない肉を加工したハムのようなもの。そして色取り取りの野菜サラダ。


隼人はパンを千切ってはポタージュに付けて口に入れる。黙々とそれを繰り返す。


味は……美味しいと思う。味を楽しむ余裕がなかった。何よりも空腹を解消するのが大事だったのだ。それほどお腹が減っていた。


サラダを残して一通り平らげた頃、部屋のドアがノックされた。返事を待たずに部屋に入ってきたのはナスターシャであった。


「……む。食事中だったか、悪い。出直そうか?」


「いや、別にいいよ……。でもちょっと待ってちょうだい……ん」


隼人は指先についたポタージュを啄むようにして舐め取り、最後のサラダをかき込むと水を口に含み一気に胃に流し込んだ。


胃の中はまだ満足していないのだが、それなりに空腹感は解消された。「ごっそさん」と一息ついたところで、隼人はナスターシャに声をかける。


「おまっとさん」


「なんか急かしてしまったようで悪いな」


「気にすんな。オレが勝手に急いだだけよ。そしてオレは早食いが得意だ」


何て言って返せばいいのか。ナスターシャは苦笑した。

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