表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紋章憑き~世界最強の男がやって来た世界は、キスもエッチも無い世界のようです  作者: 琴崎大寿
第一章 ワケも分からぬまま、この世界で最強を目指すことになりました
4/61

4

衛兵は不思議そうに首を傾げる。


「あ、あの、仰ってる意味がよく分からないのですが?」


「だから人間は空を飛ばないのって。魔力? なんだそれ? 魔力ってあれか? さっきお前が槍とか馬呼び出したりしたやつか? あんなもん普通の人間が出来るもんじゃねーだろが。その時点で人間じゃねーよ!」


「は、はぁ。と、申されましても……あの」


衛兵はなんとも困った表情でナスターシャを見た。


「……実はこの男、俄には信じられないことなんだが、この世界の人間ではないと言っていてな。確か、ニホンとか言う国からやってきたと言ってたか?」


「そ」


「この世界の人間ではない? それは何とも……言葉に困りますな」


「まあ、この話は後で詳しく聞かせてもらうとしよう。実際興味もあるしな」


「それはオレもだっつーの。それよか、まずは『神撃』ってやつよ」


「そう慌てるな。始まるのは日が暮れてからだ。それまでの間、城で時間を潰すことにしよう。それに、流石にその格好のままっていうわけにもいかないしな」


「あ、あの、もしかしてこのお方は今日の『神撃』に出るおつもりなので?」


「そうだが? それがどうかしたか?」


衛兵達がどよめいた。


「ナ、ナスターシャ様? 今日の闘者、ご存じですよね?」


「知ってるぞ? たしかアルベセウスの所の者達だったな?」


「ち、違いますよ! やっぱりご存じなかった……今日の『神撃』は、ヴァティスガロ帝国のマウロノ副将軍と、アルベセウス様の部下であられますリレイア副将軍との『神撃』に変更されてるんです」


「な!? ヴァティスガロだと!? 一体何のようでこの国に!?」


「い、いえそれは私には分かりませんが……それと、あの、マウロノ副将軍お一人ではありません。『土の紋章憑き』であられますダンダーク将軍もご一緒です」


衛兵の口から出てきた『ダンダーク将軍』という言葉を耳にした途端、表情がみるみると険しくなったナスターシャは大きく舌打ちした。


「ダンダークだと? ……あのゲスも一緒か。なるほど。と言うことは今回の『神撃』、間違いなく普通の『神撃』ではないだろうな」


「なあなあ? さっきから何話してんだ?」


「あ、ああ……ちょっとな。私が留守にしている間に予期せぬ事が起きていたそうだ」


「予期せぬこと?」


「ああ、それでだが……すまない。今夜の『神撃』は中止だ」


「はあ!? な、なんでよ!? 超楽しみにしてたのによ!」


「それは本当にすまないとしか言いようがない。おそらく、今夜の『神撃』はただの『神撃』ではなくなってるはず――『隷属戦』だろう」


ここでまたもや衛兵達がどよめいた。隼人はチンプンカンプン。


「れいぞく戦? 何それ」


「言うなれば、勝者が敗者を配下にすることが出来る契約試合だ。しかし、だ!」


ナスターシャは続く言葉を言う前に、隼人達を残して城へと歩き始めた。隼人は慌ててその後を付いていく。


「お、おい。どうしたんだよ急に。どこ行くのよ?」


「アルベセウスのところだ。そして問いただす。なぜこの『神撃』を認めたのかを!」


「なんか問題あんのか?」


「大ありだ! 言いたくはないがリレイアとマウロノ。同じ副将軍だが、圧倒的に向こうの方が強い。次元が違うと言っても良いくらいにな」


「へえ、そんなになの?」


「マウロノ。ヤツは生身の人間でありながら、並の『紋章憑き』を相手にしても全くひけを取らぬ程の実力者だ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ