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ダンダークが服の袖を捲り上げる。
前腕には、先端が大きく開き牙を剥き出しにしたワームの紋章が蜷局を巻くようにして浮かび描かれている。その紋章が淡い光を放っていた。
そして、その光に呼応するかのように隼人の胸に描かれた『竜の紋章』も光りを放ち始めた。
ダンダークが薄い笑みを見せた。
「なるほど。これはお主が言うように『丁度良い』流れになったぞ。どうやら我がタイダロニアもお主の『神』とやりたいようだ」
遅れて隼人の戦歴が浮かび上がる。
黒澤隼人(二十歳)性別・男性
『出身地』日本・東京都
『憑き神』竜神ラルファエンクルス
『戦績』二戦二勝〇敗
【攻】★★★★★★★★★★
【守】★★★★★★★★★★
【魔】★★★★★★★☆☆☆
この者、現在一〇〇以下の位に席を置く者
ナスターシャとの制約有りの隷属戦も一つの勝負に含まれるようで、それに勝利した隼人のステータスが微妙にだが上昇していた。
ガイナとナスターシャが互いに小さく頷いた。
ナスターシャが隼人の肩を叩く。
「ある意味、お前が初めて行う本気の戦いだ。しっかりとな」
「今度は魔法とか有りになるんだよな?」
「そうだな。共鳴してしまったからな。まあしかし、そこはそんなに心配することはないと思う。ダンダークが使える魔法は付加系魔法しかないからな」
「アタッチメント?」
「身体能力に何かしらの+αを付加する魔法だ」
「ふぅん。ま、ようするに飛び道具みたいなヤツは無いんだろ? それならなんとか」
「――なんとかなればいいけどな。ま、武運を祈ってるよ」
そう言ってガイナは手をヒラヒラとさせ離れていった。
「それでは私も……」
リレイアも隼人に頭を下げると、ガイナの後ろを追いかけるようにして離れていった。
「それでは私も行くが、ダンダークなどに絶対に負けるんじゃないぞ?」
「勝つに決まってんだろ。と言いたいところだけど、ぶっちゃけ、それはやってみなくちゃ分からんね」
「ダメだ、勝て。ダンダークにだけは何がなんでも勝て。負けるのは許さぬ」




