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紋章憑き~世界最強の男がやって来た世界は、キスもエッチも無い世界のようです  作者: 琴崎大寿
第一章 ワケも分からぬまま、この世界で最強を目指すことになりました
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いやいや、そんなことよりも……そうなると当然、隼人には聞かずにはいられないことがあった。


「性行為を知らないって……、じゃあこの世界では一体どうやって子供が出来るんだ?」


「子供? そんなの『受精魔法』に決まっておるだろ。ん? もしかしてお前の言う『せいこうい』とは、『受精魔法』のことを指しているのか?」


「じゅ、受精魔法?」


一体なんなんだこの世界は。なんでもかんでも『魔法』ですか。


「そうだ。受精魔法だ」


「魔法でどうやって? 『赤ちゃん』って唱えたら『はい、ポン』って産まれるのか?」


「そんなわけあるか!」


「んじゃ、どうやってだよ!」


「それは――」


心なしか、恥ずかしそうに説明するナスターシャ。


簡潔に纏めれば、こうだ。


世界中には『新生館』と呼ばれる館が多く存在し、そこの館主、働く人間だけが『受精魔法』という特殊魔法を唱えることが出来る。その者達を『生殖師』と呼ぶらしい。


特殊魔法である『受精魔法』は誰にでも掛かるのではなく、結婚の儀を行った女性のみ。


伴侶となった男性の体から、『生殖師』が魔法を使って『生命の光』とやらを抜き出し、これまた魔法を使って、抜き出した『生命の光』を愛する妻のお腹の下、下腹部へと移転させる。


要するに。


『生命の光』とかロマンチックなネーミングをしてるが、単に精子で、その精子を魔法で女の子宮に飛ばすってことか。人工授精みたいなものか?


「なんでそんな回りくどくって面倒くさいことしてるんだ?」


「面倒くさいだと!? 新しい命を宿す儀を何だと思ってるんだ!」


「マジなの? そのやり方でしか子供作れないの?」


「当たり前だ! 他になにがあるというのか。なんだ? もしかしてお前のいた世界では違うというのか?」


「――動物は?」


「は? いきなり何を……」


「いやいや、動物も人間と同じように『受精魔法』で子供作ってんのか?」


「何を馬鹿なことを」


「馬鹿なこと、じゃねーよ。良いからちょっと答えてみろよ。どうやって動物は子供を作ってるんだ?」


「そ、そ、そんなの交尾に決まっているだろ……」


モゴモゴと小さな声で言うナスターシャ。


なぜ恥ずかしがる。意味が分からん。この世界には人間が行う性行為という概念がないのに、動物の『交尾』という言葉を口にするだけで恥ずかしがる意味が分からん。


でも隼人はこれで安心した。この世界にも『ズコバコ』の性行為というものがちゃんと存在していることに。

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