柔道着の代わりに、愛を着てみようか?07
[BL] 柔道着の代わりに、愛を着てみようか? 07
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オリンピック閉会式の華やかな花火が夜空を彩り、全世界の選手たちの熱い戦いが幕を閉じた。イ・ヒョヌは選手村の自分の部屋のベッドに横になり、天井に吊るされた銅メダルをじっと見つめた。金色の光ではなかったが、触ってみるとずっしりとした重さと冷たい感触が、これまでの数年間の汗と涙、そして歓喜の瞬間をそのまま物語っているようだった。表彰台の上で太極旗が上がった瞬間のこみ上げる感動、悔しさと晴れやかさが交差する複雑な心境。そのすべての過程の中で、彼の心を最も強く支配していたのは、たった一つの名前、キム・ジンスだった。
「僕がやり遂げたよ、ジンス。最高のメダルカラーではなかったけど、君に見せるメダルを持って帰れることになった。」
彼はジンスに電話をかけようか迷ったが、すぐに考え直した。すぐに帰って、直接顔を見て話したかった。オリンピックという巨大な目標に向かって走る間、ジンスは単なる恋人を超えて、彼の精神的な支柱であり、揺らぐ自分を引き止めてくれる最も強固な根だった。ジンスがいなかったら、このメダルは決して彼の首にかかることはなかっただろう。このメダルの半分、いや、もしかしたらそれ以上はキム・ジンスの功績だった。そしてヒョヌは悟った。オリンピックメダルよりももっと永遠で価値あるメダルが、すでに自分の人生に存在しているということを。
帰国便の飛行機の中、窓の外に広がる青い空と白い雲を眺めながら、ヒョヌは深い思索にふけった。隣の席の同僚選手たちの浮かれた会話も、彼の耳にはほとんど聞こえなかった。彼はこれからの人生をどう描いていくべきか、そしてその絵の最も重要な部分にどのようにジンスを置くべきかを真剣に悩んでいた。選手としての頂点は、もしかしたら今回のオリンピックだったかもしれない。しかし、人生というもっと大きな舞台では、今、新しいスタート地点に立っていた。そして、その始まりを、必ずジンスと一緒に迎えたかった。彼の心の中では、すでに何かの決意が固く定着しつつあった。
ついに飛行機が仁川空港の滑走路にやわらかく着陸した。
長いフライトの疲労感とともに、すぐにジンスに会えるというトキメキがヒョヌの全身を包んだ。入国審査を終え、荷物を受け取る間も、彼の視線はしきりに出迎えのロビーへと向かった。もしかしたらジンスが早く来すぎて長く待っているのではないか、疲れているだろうに無理して来てはいないかという心配と期待が交差した。
ついに自動ドアが開き、出迎えのロビーに入った瞬間、ヒョヌは息をのんだ。予想よりもはるかに多くの取材陣と歓迎の人々が、プラカードと花束を持って選手団を迎えていた。フラッシュの光と歓声が飛び交う中、ヒョヌは一瞬戸惑ったが、すぐに彼の目はレーダーのように人ごみの中をスキャンし始めた。そして、まもなく彼は発見した。柱のそばで少し焦ったように立って、自分を探している見慣れたシルエット。普段より少し気を使ったような服装で、マスクの上から見える目元には喜びと切なさがたっぷり込められている、彼の愛する人、キム・ジンスだった。
「ジンス!」
周りの騒音など何でもないというように、ヒョヌはカートを押しやって、ずんずんとジンスに向かって歩いていった。彼の呼びかけに、ジンスの顔がぱっと明るくなり、彼もまたヒョヌに向かって走り寄った。ついに二人は、数多くの人々の前で力強く抱きしめ合った。数週間ぶりの再会だったが、まるで何年も離れていたかのように切実で、かけがえのない抱擁だった。ヒョヌはジンスの細い背中を抱きしめ、彼の首筋に顔をうずめた。慣れ親しんだ温かい彼の匂いが、緊張で固まっていたヒョヌの心を柔らかく溶かしてくれた。
「お疲れ様、ヒョヌ…本当に…本当にすごかったよ。」
ジンスが少し詰まった声でささやき、ヒョヌの背中を優しく叩いた。ヒョヌの顔を両手で包み込み、ゆっくりと見つめる彼の目には、誇らしさと痛々しさが交差していた。
「試合を見ながら、どれだけハラハラしたか分からない。君がどれだけ誇らしかったか…言葉では言い表せない。」
「お前がいなかったら…ここまで来られなかった。」
ヒョヌはジンスの胸の中で深い安堵感を感じながら言った。
ジンスの温かい手と眼差しは、世の中のどんな金メダルよりも価値ある慰めと報酬だった。これは単なる感謝の表現ではなかった。自分の存在理由を確認させてくれる絶対的な信頼と愛に対する告白だった。
しばらくの間、お互いの温もりを分かち合っていたヒョヌは、ゆっくりと体を起こし、ジンスの目をまっすぐに見つめた。彼の表情はこれまでになく真剣で、眼差しには深い決意が宿っていた。空港の騒音、人々の視線、カメラのシャッター音。そのすべてがはるか遠くに感じられた。今この瞬間、彼の世界にはキム・ジンスだけが存在していた。
「ジンス、僕…今、君に絶対に言いたいことがあるんだ。」
ヒョヌの低い声に、ジンスの心臓がドクン、と大きく落ちた。普段とは違う雰囲気、彼の目に込められた重さに、ジンスは思わず息をのんだ。
「……うん、ヒョヌ。何?」
ヒョヌは震える息を一度大きく吐き出した。そしてゆっくりと、とても慎重に自分のコートの内ポケットに手を入れた。オリンピック決勝戦のマットに立つ時よりも震える瞬間だった。彼の指先に、固くて小さな箱の感触が感じられた。彼は深呼吸をしてその箱を取り出し、ジンスの目の前に差し出した。濃い藍色のベルベットのケースだった。
ジンスは自分の目を疑った。心臓が喉まで跳ね上がるようだった。時間が止まったかのように、周りのすべてがスローモーションのように感じられた。ヒョヌは震える手でケースを開けた。その中には、華やかではないが、きれいで澄んだ光を放つ小さなダイヤモンドがはめ込まれたシンプルな指輪が静かに置かれていた。
ヒョヌはジンスの揺れる瞳をまっすぐ見つめながら、震えながらも真心込めて準備した言葉を口にした。
「キム・ジンス。僕は君がいなければ息ができない。オリンピックという大きな舞台に立って悟ったのは、勝利の喜びよりも、メダルの栄光よりも、君が僕のそばにいるという事実が、僕にとってずっと重要だということだった。君の存在そのものが、僕にとっては金メダルであり、生きていく理由だよ。」
彼は少し言葉を止め、感情がこみ上げてくるかのように、少し声を整えた。
ジンスの目には、すでに透明な涙の膜が張っていた。
「だから…これからは柔道着やトレーニングウェアじゃなく、一生君という人を僕のそばに置いておきたい。朝、目を覚ました時、一番最初に君の顔を見て、眠る前、最後に君の声を聞きたい。君の喜びと悲しみ、君のすべての時間を…僕が一緒にいてもいいかな?」
ヒョヌは唾を飲み込みながら、最後の勇気を出して尋ねた。
「僕たち…結婚しよう、ジンス。僕と一生…お互いの味方になってくれる?」
「……結婚…?」
ジンスの唇から、ほとんど音のないため息が漏れた。予想していなかった、しかしもしかしたら心の奥底ではずっと待ち望んでいたかもしれない言葉だった。心臓は制御不能なほどに暴れ回った。ヒョヌの真心がこもった眼差し、彼の震える声、そして目の前で輝く指輪。これらすべてが非現実的に感じられながらも、あまりにも強烈に現実として迫ってきた。
これまでに一緒に過ごした時間たちが目の前を素早く通り過ぎていった。初々しい高校生の頃のトキメキ、大学生になってお互いの夢を応援しながら深まった愛、つらい時期を共に耐え抜き、強固になった信頼。この人となら、一生を共にしてもいいという確信が彼の心全体をいっぱいに満たした。いや、この人でなければダメだと悟った。
こみ上げる涙を必死にこらえながら、ジンスは世界で一番明るい笑顔を見せた。そしてゆっくりと、しかしためらうことなくうなずいた。
「……うん。ヒョヌ。」
彼の声は感情に濡れて少し震えていた。
「うん、結婚しよう。僕も…君と一生一緒にいたい。君のいない僕の人生は…もう想像すらできない。」
その答えを聞いた瞬間、ヒョヌの目にも熱いものがこみ上げた。彼はこみ上げる感情を必死に抑え、慎重に指輪を取り出し、ジンスの左手薬指にはめてやった。少し不器用だったが、世界で最も真実な手つきだった。指輪が定位置に収まった瞬間、二人はまるで世界に二人だけ残されたかのように、深く見つめ合った。
その眼差しの中には、言葉では表現できない愛と感謝、そして未来への希望がたっぷり込められていた。空港の騒音の中で、彼らだけの時間は永遠のように輝いていた。
「この指輪が…僕たちの約束だよ。」
ヒョヌがジンスの手を両手で大切に包み込みながら言った。
「簡単な道ではないかもしれない。でも、もう僕たちは一人じゃない。どんなことがあっても、僕たちが一緒なら…全部乗り越えられるはずだ。」
「うん、一緒に。」
ジンスは自分の指にはめられた指輪を見下ろしながらささやいた。きらめく小さな宝石の上に、二人の未来が明るく輝いているようだった。
空港での感動的なプロポーズの後、ヒョヌとジンスはワクワクした気持ちで結婚の準備を始めた。まず最初にすべきことは、両家の両親にこの事実を知らせ、承諾を得ることだった。同性婚に対する社会的視線がまだ完全に自由ではなかったため、二人は少なからず緊張した。幸いにも、ヒョヌの両親は息子の幸せを最優先に考え、温かく祝福してくれた。ジンスの両親も最初は少し驚いたが、二人の真心とお互いへの深い愛を確認し、難航しながらも心を開いてくれた。その過程で小さな誤解や対立もあったが、ヒョヌとジンスはお互いに支え合いながら賢明に乗り越え、むしろ家族間の絆はさらに強固になった。
結婚式は二人の希望通り、華やかさよりも真心と意味に焦点を当てることにした。親しい友人や家族だけを招き、青い芝生が敷かれた小さな屋外庭園で、ささやかだが温かい雰囲気の式を挙げることに決めた。結婚式の日取りを決め、場所を予約し、招待する人のリストを作成し、一緒に着るオーダースーツを選び、お互いに伝える誓いの言葉を考える、その一つ一つの過程が、彼らにとっては大切な思い出として積み重なっていった。
準備の過程が順調なだけではなかった。些細な意見の違いで言い争ったり、忙しいスケジュールの中でストレスを感じたりもした。
一度は新居のインテリアを選ぶ際に、お互いの好みの違いで声を荒げたこともあったが、すぐにヒョヌが先に
「ごめん、僕が自分の考えばかりだった。君が好きなスタイルにしよう」
と言ってジンスの背中を優しく叩き、ジンスもまた
「ううん、僕も神経質になりすぎてた。一緒に使う家なんだから、一緒に決めないとね」
と笑って済ませた。そんな過程を通じて、二人はお互いの違いを認め、尊重することを学び、より深く理解し合った。
ヒョヌの柔道部の友人たちは、彼の結婚の知らせにまるで自分のことのように喜び、からかいの冗談とともに心からの祝福を送った。ジンスの医大の同期たちは、忙しい中にもかかわらずサプライズのブライダルシャワーを開いてくれ、二人の将来を祝福した。特に高校の体育の授業で二人をペアにした体育の先生は、感慨深そうに、二人に温かい祝福とともに励ましの言葉を伝えてくれた。
時間は流れ、ついに結婚式当日の朝が明けた。ヒョヌは少し上気した顔で鏡の前で蝶ネクタイを整え、ジンスは窓辺に立って深まる秋の空を眺めながら静かに心を落ち着かせた。異なる場所で準備をしながらも、二人の心はお互いだけを向いていた。
約束の時間が近づき、ヒョヌは式場の入り口でジンスを待った。招待客の祝福の中、ゆっくりと歩いてくるジンスの姿が目に入った瞬間、ヒョヌは息を止めた。きれいに整えられた髪、明るい笑顔を浮かべた顔、そして自分に向かってくる彼の姿は、この世の何物にも代えがたいほど美しかった。柔道着でもなく、白い白衣でもなく、ただお互いへの愛と約束で最も素敵に着飾った二人だった。
お互いの手を握って並んで立った二人は、招待客の前で自分たちで書いた誓いの言葉を朗読した。これまでの思い出への感謝、お互いの夢と人生への尊重、そしてどんな困難の中にあっても、お互いの味方になるという心からの約束。震える声だったが、その中に込められた真心は、その場にいるすべての人々の心に響いた。
指輪を交換し、司会を務める友人の力強い宣言とともに、二人は正式に夫婦になったことを知らしめた。ヒョヌはジンスの腰を抱きしめ、彼の唇に優しくキスをした。招待客の熱い拍手と歓声の中で、二人はお互いを見つめ、世界で一番幸せな笑顔を見せた。
結婚式が終わり、親しい人々とともにした小さな披露宴の席で、ヒョヌはマイクを手に取って言った。
「今日、僕の人生で最も大切な人と一つになりました。僕たち二人、これからお互いを大切にし、愛し合い、時には友達のように、時には心強いパートナーのように、仲良く生きていきます。見守り、応援してください。」
彼の隣で、ジンスはヒョヌの腕にしっかりと腕を絡ませたまま、幸せな笑顔を見せた。
その日の夜、二人は一緒に整えた居心地の良い新居に帰った。窓の外では街の明かりが輝き、家の中には二人の新しい始まりを祝福するかのように、静かで温かい空気が漂っていた。ヒョヌはソファに座っているジンスの隣に寄り添い、彼の肩に頭をもたれた。
「いよいよ本当の始まりだね、そうだろ?」
ヒョヌが静かに言った。
ジンスはヒョヌの頭を優しくなでながら答えた。
「うん。僕たち、一緒にとっても長く幸せになろう、ヒョヌ。」
結婚という名前でさらに固く結びついた二人。彼らの愛は、初々しいトキメキを越え、お互いを深く理解し尊重する成熟した関係へと発展した。これから繰り広げられる数々の日々の中で、彼らは時には笑い、時には泣き、時には喧嘩もするだろうが、お互いの手を離さない限り、彼らの愛は時間が経つほどに、より深く、より美しく輝くだろう。柔道着の代わりに、お互いという存在を身につけた二人の本当の物語は、今、始まったばかりだった。
읽어줘서 고마워.




