柔道着の代わりに、愛を着てみようか? 04
[BL] 柔道着の代わりに、愛を着てみようか? 04
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大学3年生の時間は、かつてないほど重く、そして速く流れていった。キャンパスのロマンスよりも、それぞれの未来に向けた熾烈な準備が日常を支配し、ヒョヌとジンスにとって、互いの存在はその激しさの中で息抜きであり、揺るぎない錨のようなものだった。ヒョヌは国家代表選抜を目標にトレーニング強度を極限まで高め、ジンスは医大本科課程に本格的に進み、病院実習と膨大な学習量の間で苦闘していた。週に一度会うのも難しい日々が続いたが、物理的な距離や時間の不足が彼らの関係を希薄にすることはなかった。むしろ、互いへの切ない思いと大切さは、より一層鮮明になっていった。
冬の足音が聞こえ始め、12月の冷たい風が襟元をすり抜けるある夕方、ヒョヌは練習着姿のまま、ジンスが実習中の大学病院ロビーで彼を待っていた。白いガウンを脱ぎ、私服に着替えて出てきたジンスの顔には、ハードな一日の疲れが色濃く残っていたが、自分を待つヒョヌを見つけると、かすかな笑みがこぼれた。
「ヒョヌ、ずいぶん待った?ごめんね。」
ジンスが近づき、心配そうな声で尋ねた。肩がいつもより一段と落ち込んでいるように見えた。
「ううん、大丈夫だよ。」
ヒョヌはジンスの手を自然に握り、自分の厚いコートのポケットにそっと入れた。冷え切ったジンスの指先に温かさが伝わった。
「今日、すごく大変だった?」
ヒョヌの温かい手と気遣わしげな眼差しに、ジンスは少しだけ緊張を解いた。
「うん、救急患者が多かったんだ。もう、頭の中が真っ白で。でも、君に会ったら生き返った気がする。」
正直な答えとともに、ヒョヌの肩にそっと頭を寄せた。
ヒョヌはそんなジンスの姿を見て、胸が締め付けられるような気持ちと同時に、彼の頑張りに感銘を受けた。彼はジンスの肩を軽く抱き寄せ、背中を優しく叩いた。
「よく頑張ったね、本当に。君がこんな大変な道を黙々と歩んでいくのを見ると、僕ももっと気を引き締めて頑張らなきゃって思うばかりだよ。」
二人は、ジンスが大学近くに借りた小さなアパートへと向かった。狭いながらも、二人だけの思い出が詰まった居心地の良い空間だ。ジンスは玄関に入るやいなやバッグを置き、ソファに身を投げ出すように寄りかかった。ヒョヌはそんなジンスのために、慣れない手つきながら夕食を作ってあげることにした。
「今日は僕が特別にスパゲッティを作ってあげる。味は保証できないけど、努力点は認めてくれるよね?」
ヒョヌが袖をまくりながら冗談めかして言った。キッチンに立つ彼の背中が頼もしく見えた。
ジンスはソファに横たわり、目を閉じたままヒョヌの声を聞いていた。疲れでまぶたが重かったが、自分のために不慣れながらも料理をするヒョヌの姿が目に浮かぶようだった。そのささやかな気遣いと温かい心が、疲れた魂を優しく包み込むように感じられた。
「君が作ってくれるものなら何でも美味しいよ。こうしてくれるだけで、私にとっては最高の夕食だよ、ヒョヌ。」
ヒョヌはジンスの言葉に、照れくさそうに咳払いをしながらも、より一層丁寧に麺を茹で、ソースを温めた。器用ではなかったが、真心がこもった動きだった。まもなく、質素だが温かい湯気の立つスパゲッティ二皿が食卓に並んだ。向かい合って不器用なスパゲッティを食べながら、二人はこれまで話せなかったささやかな話をした。
食事の途中、ヒョヌはフォークを置いてジンスの手をそっと握った。彼の眼差しが真剣になった。
「ジンス、最近君が忙しいのを見て、そして僕がトレーニングするのを見て…本当にたくさんのことを考えるよ。僕たちがこうしてそれぞれがむしゃらに忙しく生きながらも、お互いを思う気持ちが少しも変わっていないこと。それが改めてどれほど幸運で大切なのか分からない。」
ジンスはヒョヌの手を握り返し、ゆっくりと首を縦に振った。眼差しが深くなった。
「私もそうだよ、ヒョヌ。どんなに大変でも、君がいると思うから、週末に君と会えるっていう期待が私を支えてくれる。君と過ごす時間が、私にとっては他のどんなことよりも大きな慰めであり、安らぎの場所なんだ。」
夕食を終え、皿洗いをするヒョヌの背中を見ながら、ジンスは静かに近づき、彼の腰を抱きしめた。ヒョヌは一瞬驚いたようだったが、すぐにジンスの手に自分の手を重ねて握った。温かい水の音とともに、二人の間には心地よい沈黙が流れた。
片付けを終え、二人は小さな部屋に入り、ソファに並んで座った。窓の外では、いつの間にか大粒の雪が音もなく降り積もっていた。街灯の光に反射して舞い散る雪の結晶が、幻想的な風景を作り出す。二人は言葉もなく窓の外を眺め、久しぶりに訪れた静かで穏やかな瞬間を共に味わった。
ヒョヌが先に沈黙を破った。彼の声は低く、落ち着いていた。
「ジンス、君が僕の隣にいるから、僕はいつも前に進む力を得られるんだ。振り返ると、僕たち、本当にたくさん変わって、そしてたくさん成長したと思わない?高校生の時とは…なんか違う感じだよ。」
ジンスはヒョヌの肩に頭を寄せた。彼のしっかりとした筋肉と体温が、そのまま伝わってくる。
「うん、そうだね。あの頃はただときめいて、ドキドキして、お互いへの漠然とした期待が大きかったとすれば…今はなんていうか、お互いの人生に深く入り込んでいる感じ?ただ君が私の隣にいるっていう事実自体が、すごく当たり前で…そしてすごく大切。」
ヒョヌはジンスの髪を優しくなでながら、彼の顔をじっと見つめた。疲れの中でも、自分に向けられた眼差しだけは変わらず温かかった。ヒョヌは一度息を整え、とても率直な声で言った。
「ジンス、僕は…君がいなきゃダメだと思う。時々そんなことを考えるんだ。もし僕の人生に君がいなかったら、僕は今みたいに頑張り続けられただろうか。この大変な道を歩み続けられただろうか。君なしでは…僕の人生はあまりにも空虚で無意味なものになりそうだ。」
ジンスはその言葉に胸が締め付けられるのを感じた。ヒョヌの瞳の奥には、揺るぎない真実と、自分に向けられた深い愛情と意志が込められていた。ジンスはヒョヌの頬をそっと包んだ。
「ヒョヌ、私も君がいなきゃダメ。君がいたから、私は医者になるっていう夢を諦めずに走り続けることができたんだ。私たちは…もうお互いにとって、あまりにも当たり前で、なくてはならない空気みたいな存在になったんだよ。」
その瞬間、言葉はもう必要なかった。ヒョヌはジンスの手をさらに強く握り、彼の体を自分の方へと引き寄せた。互いの息遣いが感じられるほど近い距離で、二人は深い眼差しを交わした。その眼差しの中には、これまでの時間を共に積み重ねてきた数え切れないほどの感情と思い出、そしてこれから共に築き上げていく未来への静かな約束が込められていた。
ジンスはヒョヌの広い胸に顔をうずめた。慣れ親しんだ安定した心臓の鼓動が耳元に響く。ヒョヌはそんなジンスの後頭部を優しく撫でながら、彼の背中を抱きしめた。窓の外の雪は降り止むことなく、部屋の中にはただ互いの温もりだけが満ちていた。
ヒョヌはそっとジンスの顔を持ち上げた。そして彼の額に、閉じたまぶたの上に、ほんのり赤くなった頬の上に、とても優しく、そして敬虔にキスをした。情熱的なキスではなかったが、どんなスキンシップよりも深い愛情と信頼、そして互いへの尊重が込められた口づけだった。ジンスはヒョヌの腕とキスに完全に身を委ねた。この瞬間だけは、世界のすべての心配と不安が遠く消え去り、ただヒョヌと自分だけが存在するかのような、完全な平穏を感じた。
彼らはもう何かを強く求めたり、確認しようとはしなかった。ただ互いの存在を感じ、共にいるという事実そのものに感謝し、静かに互いの温もりを分かち合った。ソファに寄りかかったり、床に一緒に座って穏やかに語り合ったりするうちに、いつの間にか互いに寄り添って眠りについてしまうこともあった。それは単なる恋愛感情を超えた、互いの人生深く根ざしたパートナーとしての絆、疲れた魂を預けられる安息の地としての愛だった。
その夜、ヒョヌとジンスは悟った。大人の愛とは、華やかな花火よりも、穏やかに長く燃え続ける薪の火のようなものだと。互いの違いを認め、それぞれの道を尊重し、それでもなお、最も困難で孤独な瞬間には、喜んで互いのそばに寄り添うこと。それこそが、時が経つにつれてより一層強固になった彼らの愛の姿だった。柔道着と白いガウンの下で、彼らは互いにとって最も信頼できるパートナーであり、世界の何物にも代えがたい大切な存在へと深く成長していった。
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