柔道着の代わりに、愛を着てみようか? 22
暖かい日差しがリビングの窓から長く伸びていた土曜日の午後。ヒョヌはソファにゆったりと横になってスポーツチャンネルを眺め、ジンスはその隣で近づく学会発表の資料を検討していた。リビングの床では、ミンジェが色とりどりのブロックで巨大な城を築くのに熱中していた。三人の平和で物憂げな週末の風景だった。
ブロックの城の尖塔を立てていたミンジェが、ふと顔を上げた。指先で自分のおへそをツンと突きながら、純粋な好奇心に満ちた声で尋ねた。
「パパたち、僕はどこから生まれたの? 友達は、ママのおへそと繋がったへその緒から生まれたって言ってたけど……僕もそうだった?」
一瞬、リビングの空気が止まったかのようだった。ヒョヌはテレビから目を離してミンジェを見つめ、ジンスもまたノートパソコンから顔を上げた。子どもの質問はあまりにも天真爛漫だったが、そこに込められた重みは決して軽くはなかった。いつかは必ず向き合わなければならない質問だと分かってはいたが、いざその瞬間が訪れると、二人は当惑を隠せなかった。
ヒョヌとジンスはしばし、互いの目を見つめ合った。その短い視線の交わし合いの中には、「どう説明すべきか」という悩みと、「ついに時が来たか」という微かな緊張感、そして何より「子どもを傷つけずに真実を話さなければならない」という親としての責任感が込められていた。
ジンスがまず沈착にノートパソコンを閉じ、ミンジェに歩み寄ってその隣に座った。そして子どもの目線に合わせて、穏やかな声で話し始めた。
「ミンジェ、パパたちの話をちゃんと聞いてくれるかな?」
ミンジェは頷き、好奇心いっぱいの瞳でジンスを見つめた。ヒョヌも静かに歩み寄り、ミンジェのもう片方の隣に座って、その小さな手を握ってやった。
「うーん……ミンジェがパパたちのところに来る前のことなんだけどね」
ジンスは慎重に言葉を選びながら、ゆっくりと話を始めた。
「ミンジェを産んでくれたママがいたんだ。僕たちはその人を『産みのママ』と呼ぶことにしようか?」
「産みのママ?」
ミンジェが聞き返した。
「うん。産みのママはミンジェを本当に、本当に愛していたけれど……色々な事情があって、ミンジェを直接育てるのがとても難しかったんだって。だから、ミンジェがもっと良い環境で、もっとたくさんの愛を受けながら幸せに育つことを心から願って、施設に預けたんだよ」
ジンスは子どもが理解しやすい言葉で、しかし真心を込めて説明した。
ヒョヌも言葉を添えた。彼の声は低く温かかった。
「そしてその時、ヒョヌパパとジンスパパは……ミンジェみたいに可愛くて愛らしい子に、どうしても会いたいと思っていたんだ。僕たちの息子として迎えて、世界で一番大きな愛をたっぷり注ぎながら一緒に暮らしたかったんだよ」
「パパたちは、ミンジェに初めて会った日のことを今でも忘れられないよ。なんて可愛くて愛らしかったことか! パパたちはミンジェを見た瞬間、『ああ、この子こそが僕たちがずっと待ち望んでいた大切な息子なんだ!』ってすぐに分かったんだ」
「僕たちがミンジェを選んだんじゃないんだよ、ミンジェ」ヒョヌがミンジェの手をぎゅっと握り、強調した。「僕たちはミンジェに会える機会をもらって、ミンジェを見た瞬間に一目惚れして、『どうか僕たちの息子になってください!』ってお願いしたんだ。そして、ミンジェが僕たちの息子になることを決めてくれたんだよ。だから、僕たちはミンジェに毎日毎日感謝して生きているんだ」
ミンジェは大きな瞳をパチパチさせながら、二人のパパの話を静かに聞いていた。子どもの小さな頭の中では、今どんな考えが巡っているのだろうか。ヒョヌとジンスは焦る気持ちでミンジェの次の反応を待った。
しばらく沈黙が流れた後、ミンジェが小さな声で尋ねた。
「……じゃあ……産みのママは……今どこにいるの? 僕に会いたいとは思ってないのかな?」
子どもの声には、寂しさよりも純粋な疑問と、微かな思慕のようなものが滲んでいた。
「うーん……産みのママがどこにいらっしゃるのかは、パパたちも正確には分からないんだ」
ジンスが正直に答えた。
「でも確かなのは、産みのママも、ミンジェが今のように健康で明るく、そして幸せに育っているという知らせを聞けば、とても喜んでくれるはずだということだよ。そして、きっと……ミンジェのことをいつも心の中で応援してくれているはずだよ」
「それにね、ミンジェ」
ヒョヌが付け加えた。
「家族っていうのは、必ずしもお腹の中から生まれたからなれるものじゃないんだ。ヒョヌパパとジンスパパみたいに、お互いを深く愛し合う心、そして僕たちのミンジェみたいに、お互いを大切に想い、慈しみ合う心。そうやって愛で結ばれていれば、それが本当の家族なんだ。僕たちは血は繋がっていないけれど、世界のどんな家族よりも深い愛で繋がった、とても特別で素敵な家族なんだよ」
ミンジェはもう一度頷いた。依然として表情には様々な感情が交錯しているようだったが、最初よりはずっと落ち着いて見えた。子どもは自分のルーツについての問いを投げかけ、パパたちはその問いから逃げずに誠実に答えた。その過程自体が子どもにとって、
「自分は愛されている」
「自分は大切な存在だ」
という信頼を植え付ける重要な経験になるはずだった。
「……分かった」
ミンジェはしばらくして、先ほどよりも明るくなった声で言った。
「僕はヒョヌパパとジンスパパの息子でよかった! 僕たちの家族が一番大好き!」
そして、両隣に座った二人のパパの首を同時に力いっぱい抱きしめた。
ヒョヌとジンスは安堵の溜息とともに、こみ上げる感動を覚えながら息子を強く抱きしめた。子どもの小さな体から伝わってくる温もりと信頼が、どんな言葉よりも大きな慰めと力になった。最初のボタンはうまく掛けられたようだった。もちろん、これが終わりではないと分かっていた。子どもが成長するにつれて、また別の質問を投げてくるだろうし、そのたびに彼らは再び知恵と勇気を出して子どもと向き合わなければならないだろう。しかし今日、彼らは最も重要な第一歩を共に踏み出した。
その夜、眠りにつく前、ジンスはミンジェに養子縁組についての物語が描かれた絵本を読んで聞かせた。ミンジェはパパの膝の上に座り、静かに絵本に集中した。本を読み終えた後、ミンジェはジンスの胸に顔を埋めて囁いた。
「ジンスパパ、僕をパパたちに会わせてくれてありがとうって……産みのママに……心の中でお祈りしてもいい?」
「もちろん、当たり前だよ」
ジンスはミンジェの頭を撫でながら言った。
「とても素敵な考えだね、息子よ」
子どもの温かい心が、ジンスの胸を熱くさせた。
ミンジェが眠った後、ヒョヌとジンスはテラスに座り、夜空の星を眺めながら今日あった出来事について再び語り合った。
「今日……お前と俺、本当にうまくやり遂げたと思うよ」
ヒョヌが先に口を開いた。
「正直、ミンジェが質問した時、心臓が止まるかと思ったんだ。どう言えばいいか途方に暮れたけど……お前が落ち着いて話し始めてくれたから、俺も勇気を出せた」
「僕も震えていたよ」
ジンスが正直に言った。
「でも、僕たちがまず正直に堂々と話してこそ、ミンジェも自分のルーツを肯定的に受け入れられると思ったんだ。今日のミンジェの反応を見ると……僕たちが思っていたよりもずっとよく理解してくれたみたいで……ありがたいし、誇らしいよ」
「これからがもっと重要になるだろうな」
ヒョヌが言った。
「ミンジェが育つにつれて、またどんな質問をしてどんな感情を抱くか分からないから……俺たちがもっと勉強して準備しなきゃいけない。子どもの心をしっかり汲み取って、いつでも頼れる心強いパパたちでいてやらないと」
「うん。一緒に頑張ろう」
ジンスはヒョヌの肩に頭を預けた。
「僕たちがミンジェにあげられる最高のプレゼントは、変わらぬ愛と支持、そして僕たちの家族に対する誇りだと思う。僕たちが揺るがなければ、ミンジェもきっと力強く根を張れるはずだよ」
二人は言葉少なに互いの温もりに寄り添いながら、夜空を見つめた。子どもの質問は彼らに一時的な当惑をもたらしたが、同時に家族の意味を改めて噛み締め、互いの愛と信頼を確認する大切なきっかけとなった。彼らは知っていた。家族とは完成された形ではなく、共に作り上げていく過程であることを。そしてその過程の中で、お互いの心に植えられた愛の種が芽を出し、堅固に根を張り、より豊かな樹木へと育っていくであろうことを。冬の夜の冷たい空気の中でも、三人の心は互いへの温かい愛で満たされていた。




