134.5、ヤマノテNews!!
【タマシティ攻防戦から1ヶ月経ち‥復興への兆し】
・ヤマノテシティは明日の明朝、ついにタマシティ復興支援を開始する。ミツホシホールディングスとシブサワグループ、ニホンコクを代表する2大巨頭が手を組んで行う一大事業の行末は〜
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「タマシティの皆様、ついに復興の時がやって来ました。大変な思いをされた方も多いと思いますが、ここが踏ん張り時です。力を合わせて復興しましょう!」
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「タマシティ地盤から完全にイっちゃってて復興無理じゃねと考えてしまう。頑張って欲しいけどこれはまた人類の生存圏が狭まりそう」
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「ヤマノテシティが復興資材わんさか持って来ましたよ〜。正直タマシティ復興要員として現地に駐留する奴ら絶望感エグいよな。現地の娯楽施設軒並み瓦礫、インフラ設備もボロボロ。ヤマノテとの環境差で死ぬんじゃね?」
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「どうせタマシティからヤマノテへの民族大移動が発生するぞXDシナガワシティの時もそうだったけどヤマノテの何処かにタマタウンが作られるんじゃない?」
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「シナガワタウン→ヤマノテ屈指の観光都市化 タマタウン→田舎都市の田園風景が広がりますXDXDXDXD下層区の端っこで充分だな」
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【タマシティ移住者希望!!今タマシティへ移住する10の利点とは/賢い暮らし】
・これから復興によって新生するタマシティ。ぱっと見今のタマシティに魅力を感じる方は少ないんじゃないでしょうか?
しかし、筆者はこれをチャンスと考えます!
タマシティはヤマノテシティと比べ非常に土地が安く、まっさらな状態になった以上新規参入し放題のブルーオーシャンなんです!しかも復興を担当するシブサワグループは誰もが知る超大企業。これから都市がどれ程発展するかお分かりでしょう?
新興都市の古株になれる千載一遇のチャンス、皆さんはどうお考えでしょうか?
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「ものは言いようだが正直不謹慎。てかビジネスチャンスどころか顧客のインフラすら無いんですが。今行っても店を構えられる状態が整うのって何年後だ?」
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「ないないXDXDビジネスの土台すらねぇよ。移住するのってヤマノテに住む事すらヤバい困窮しきったスラム住みとかでしょ?税滞納しまくってるとこういう時に強制的に叩き出されるんだよなXD」
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「実際治安めっちゃ悪くなりそう。強制移住させられた貧民、前科のせいでマジでやっていけなくなった奴ら、タマシティ近郊に住みたい亜人連中の大移動‥うーん地獄」
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「こういう記事に騙されて移住する奴はどの道ヤマノテじゃやって行けなかっただろうしいいんじゃね。大穴で意外と早く復興して以前よりデカくなる可能性もゼロじゃないし。」
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【タマシティ鎮魂式大炎上事件‥サシマの足取り】
・5万人以上の犠牲者を出したタマシティ大規模収容違反事件。その鎮魂式を荒らした迷惑系配信者、サシマチャンネル。シブサワグループに身柄を抑えられた後完全に行方不明となっていた。
彼はシブサワグループから企業戦争を布告されており、もしシブサワが法を遵守する企業であるならば少なくとも生存はしている筈だ。
またシブサワグループ傘下、フェニックスに同時期100人近い人数が雇用されたという情報もある。本件との関係性は定かでは無いが、彼の安否が気になる所だ。
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「金が絡むと人間あそこまで醜くなれるんだなって」
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「堂々とした態度で出たと思ったらラフィと手を繋いだ瞬間急に発狂し出して怖かった。どんな後ろ盾があったにせよシブサワ相手じゃ後ろ盾ごと潰されるの分からなかったかなぁ?」
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「ラフィに一喝されて怯んだ所見ててスカッとした!サイテーな屑だったし安否なんか気にしなくていいでしょ。殺処分でオーケー!俺が許可する!」
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「正に企業戦争の闇って感じ。最低なドクズでも最低限人権はあるんだしちゃんとした処遇を受けて然るべき。別にサシマを擁護する訳じゃないよ?でも超えちゃいけない一線があるから」
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「あの企業戦争のお陰でハムハムとかTUBEで好き放題やってた連中が纏めて消えて一気に治安回復した感ある。ビビったのか関係ない炎上系の連中も更新途絶えてる奴多いし。企業はドンドン社会悪を消し去ってくれ!」
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【フィクサー再び?!正体不明のフリーコンサルタントの影】
・先日ヤマノテを騒がせたSCC団体、「スライムネトネト納豆神を広める会」。同時多発的に起きたスライム投げ無差別テロは、丁度都市警察のパトロールの穴を突いた、非常に計画的な犯行だった事で話題になった。警察の到着が遅れた事で被害が拡大し、街がスライムと納豆で酷い様相になっていた。
しかし当SCC団体が昨日、フリーコンサルタントであるフィクサーの存在をアカウントにて仄めかした。ヤマノテで起きる数々の事件の裏に潜む謎の人物。今後の展開が一気に分からなくなってきた、と都市警察の関係者は語る。
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「またフィクサー案件かよ。マジで仕事の幅が広すぎて訳わかんない。前は売れない駄菓子屋の経営コンサルやってたよな?」
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「名前は出るけど正体がハッキリしない。女性?っぽいけどかなり小柄って話は聞く。でも本当にヒトか?人外っぽいんだよな。」
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「いつまで経っても組合警察は取り締まれねぇんだ。何回取り逃すんだよ。」
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「にゃははっ!いいじゃないですか!街中をスライムと納豆でネバネバにして面白おかしく騒ぎたいなんて相談されたら背中を押してあげたくなちゃいますって。ヒト風情がそう簡単にワタシを捕まえるなんて出来ませんよーだ!」
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【セツナ、1億越え報酬獲得か】
ヤマノテシティ最強の独立傭兵として名高いセツナがコマゴメタウンで激しい戦いを繰り広げた事件は記憶に新しい。現場には多くの死傷した傭兵が倒れ、コマゴメタウンは阿鼻叫喚となった。
関係者によると今回の防衛依頼によって得た総額報酬は1億3000万円を超え、1回の仕事で稼ぎ上げた報酬額として過去最高のものになった。
結果突発的な大襲撃からコマゴメタウンの一等地のタワーマンションは守られ、倒壊を免れたものの現場に残された傷跡はあまりに大きかった。
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「んっ‥だけでほぼ全ての会話をこなす超コミュ障なのになんでこんな強いんだ?」
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「子供開拓者だけでお腹いっぱいなのに子供独立傭兵が暴れ回るヤマノテシティは今日も平和です」
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「ラフィがヤマノテ上陸したらどうなるんだろうな?その内セツナとブッキングして戦うんだろうか?どっちが勝つか見ものだわ」
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「正直ラフィよりセツナの方が強いと思うわ。動画で見た感じセツナが負ける所が想像付かない」
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【魔法少女エンジェル・ベリー♡!!次回公演はタマシティ到着日!】
・漫画一、ギャラクシートイズが贈る、今大人気公演中の劇場型ヒーローショー第25シリーズ「魔法少女エンジェル・ベリー♡!!」の次回公演日が公表された。
タマシティからの移住者、観光者に向けて笑顔になって欲しいという願いを込めた公演がこれから三日間に渡って行われる。場所はエビスタウン、グルメストリートの予定だ。
所詮は魔法少女物。戦隊ヒーローと比べて迫力がイマイチ‥と筆者も考えていたが、実際に公演を見ればそんな考えがガラリと変わってしまう。特に今期の高校生開拓者である魔法少女ラズベリー、グミ、ブラックカラントは持ち味を活かしたプロ顔負けのアクションを見せてくれる。
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「エンベリはガチ。魔法少女物はマジで顔だけで役をやってるアイドル開拓者(下手すると開拓者ですらない素人)の見てられないプロレスがメインで微妙だったけど、今期はガッツリ一線級の高校生開拓者。可愛い&強いで推せる」
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「僕たちのグミたんが頑張る姿を見るのが生きがい。ぶっちゃけあんま強くないけど勢いだけあって毎回いい所無しに負ける不憫さが刺さる」
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「清純派なラズベリーちゃんが清々しいくらいちゃんと魔法少女してるの最高。演技っぽい雰囲気無しに天然でやってるのが激推し案件ですよぉ」
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「ブラックカラントのミステリアスな感じ好きなのに意外と周囲に賛同者居なくて寂しい。ヴィラン役もベテラン開拓者揃いでガチバトルが見れて満足感高いぜ」
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───その都市は動く。
摩天楼の頂点に腰を掛ける少女は、星型の瞳にホロウインドウを映して笑っていた。
「にゃはは。そろそろ着きますよー。」
スタイルに対してブカブカな印象の白タキシード。揺れる髪はピンクプラチナ。金のメッシュがその美しい長髪に彩りを加える。
フィクサーと悪名高いフリーコンサルタントは、ある計画を企てていた。
全ては推しの為。ヒトならざる少女はその姿がふとかき消える。一機の小さなドローンが摩天楼の闇に消えて行った。
「この‥クソガキが!」
銃を手に遮蔽から身を乗り出した一人の傭兵が、窮地を脱せずにその人生を終えた。頭部の無い亡骸が幾人分も転がる、下層区の建設現場の上階。夜闇の中、セツナの姿が月明かりに照らされた。
その姿はまるで雪の精。白いキャップと薄青いマフラーで目元以外を隠した儚げな少女。薄青い長髪が歩く度に揺れる。
依頼は達成、強盗計画を企てた傭兵崩れの犯罪組織を一つ潰した。場を去ろうとするセツナの前に白タキシードが姿を現す。
「にゃははっ!相変わらずお強いですねぇ!」
手を叩いてヘラヘラ。無視して脇を抜けようとするセツナの背後から手が伸びる。触れようとする手をマグナムで払い退け、銃口を向けた先には誰も居ない。フィクサーの姿が真近の正面にあった。
「もっと仲良くしましょうよ。ずっと富豪共の犬をやってちゃ腕が腐りますよ?」
「んっ‥」
短くマフラーの下から発された声は、邪魔だという意思が込められていた。しかし気付かないフリで揶揄うフィクサーは楽しげに。
「一つ、予言をしましょう。貴女はそう遠くない未来、大きな壁にぶつかる事になります。それを乗り越えられるか、死んでしまうかは五分五分でしょう。」
不吉な予言を発射音が掻き消し、放たれた銃弾がフィクサーを的確に狙う。そして指先にマグナム弾が摘まれた。急に弾速を失った弾丸は、地面に落下する前に拾い上げられた風だった。
ジト目で返すセツナを、ヒトならざる星型の瞳が覗き込む。
「まぁ死んだとしてもワタシ的には問題ありません。寧ろ貴女の死があの方にとって追い風になるのですから。」
「近い内にワタシが貴女に大口の依頼が届くよう、お膳立てをしてあげますから。どうかそれまでそこらで野垂れ死なないよう健康第一でお願いしますよ?」
「んっ‥」
あまりに小さい返事にフィクサーは耳に手を当てる。
「‥クリハラが来る。」
その一言で思わず飛び退き、セツナもさっさと踵を返す。二人の少し前まで居た場所に、巨大な影が壁面を這い上がって着地した。
何十丁もの銃口を全方位に向けたその影は、通報を受けてやって来たものの空振った事に気付く。
ヴィラン、傭兵、組合警察。ヤマノテシティには強者が跋扈する。そんな環境に、流星の如く現れた少年開拓者がどれ程大きな一石を投じるのだろうか。
ヤマノテシティは大きく揺れようとしていた。




