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アッティラ作戦//ゲヘナ軍政府の終焉

……………………


 ──アッティラ作戦//ゲヘナ軍政府の終焉



 デモン・レギオンの猛攻撃にさらされるゲヘナ軍政府。


「ウェストモーランド少将閣下。我が軍の防衛線は次々に突破されています。もはや防衛計画は機能していません!」


 ゲヘナ軍政府中央基地にて参謀がルーカスに向けて叫ぶ。


「損害はMAGとジェリコだけか?」


「今のところは。エデンから増援はないのですか?」


「エデンは現在内戦が勃発している。我々を助けるものはいない」


 エデンで内戦が勃発したことは既にルーカスにも伝えられていた。


 アデルがクーデターを起こそうとしてドミトリーが反応し、それによってトロイカは分裂。血塗れの内戦が始まったということは既に。


「今あるもので戦うしかない。動かせる空中機動部隊はあるか?」


「あります。クレイモア空中突撃旅団の残余戦力が投入可能」


「それを敵の司令部位制圧のために投入する。ただちに実行せよ」


「了解です」


 ここでクレイモア空中突撃旅団の残余と他の部隊を組み合わせた空中機動部隊が編成されて投入されることとなった。


「司令部の位置は電子戦部隊が把握している。徹底的に叩け!」


「出撃だ」


 ハミングバード汎用輸送機とナイトゥジャー汎用輸送機が基地を飛び立ち、そしてファティマたちのいる司令部を目指して飛行する。


『ムサシよりフランカー・ゼロ・ワン。これより敵防空コンプレックスに対するスタンドオフ攻撃を開始する。備えろ』


 ここで飛来したファントム無人攻撃機がデモン・レギオンの防空コンプレックスに対するスタンドオフ攻撃を開始。


 偵察衛星が把握していた高射機関砲や地対空ミサイル(SAM)に向けて巡航ミサイルなどの大量のスタンドオフ兵器が飛来した。


『敵の巡航ミサイルが次々に飛来している! 迎撃せよ!』


 デモン・レギオンの防空コンプレックスが飛来するミサイルの迎撃を始めるが、敵は飽和攻撃を仕掛けてきており、対応できなくなっている。


 そこにゲヘナ軍政府の空中機動部隊が襲来し始めた。


『クソ! ロックオンされた!』


『回避、回避!』


 それでもまだまだ防空兵装は存在しており、MANPADSや高射機関砲がハミングバード汎用輸送機などのパワード・リフト輸送機を攻撃。ゲヘナ軍政府の送り込んだ空中機動部隊が被害を出す。


『フランカー・ゼロ・ワンより各機! 着陸準備──』


 もう少しで司令部まで到達するところだったゲヘナ軍政府の空中機動部隊に向けて赤いエネルギーブレードが襲い掛かった。


「“赤竜”! 全て落とします!」


 ファティマだ。司令部にいたファティマ自身がゲヘナ軍政府の空中機動部隊を迎え撃ち、敵のハミングバード汎用輸送機を次々に撃墜していった。


 これによってゲヘナ軍政府の最後の足掻きであった反撃は失敗に終わり、デモン・レギオンによるゲヘナ軍政府へのトドメを刺すための戦いが続く。


「アルファ・ゼロ基地は維持できているのか? 部隊をエデンに撤退させる」


 そして、ルーカスがついにゲヘナの放棄を決定。


「維持できていますが中央基地から分断されました。現在利用可能なのはエコー・デルタ・ワン空軍基地のみです」


「では、そこに戦力を集めろ。シャトルで全員をエデンに脱出させる。ともに戦った戦友たちは誰も置いていくな。いいな?」


「了解しました」


 軌道エレベーターのあるアルファ・ゼロ基地と中央基地は分断されてしまっているが、エデンと行き来可能なシャトルがあるエコー・デルタ・ワン空軍基地には行き来できる状況だ。


『全軍撤退、全軍撤退。エコー・デルタ・ワン空軍基地まで撤退せよ!』


 命令が発されゲヘナ軍政府はエコー・デルタ・ワン空軍基地へと撤退を開始。


「ゲヘナ軍政府が崩れ始めています」


 ファティマは司令部を前線近くに移し、そこで戦況を告げた。


「各地で防衛線が崩壊したことに加えてゲヘナ軍政府は全面的な撤退を開始しました。撤退先はシャトルが存在するエコー・デルタ・ワン空軍基地です」


「撤退させるわけにはいきません。叩かなければ」


「ええ、シシーリアさん。こちらとしても逃がすつもりはありません。既にフォー・ホースメンの空中機動部隊を準備しています。この空中機動部隊を突入させてエコー・デルタ・ワン空軍基地を制圧します」


 シシーリアが力強くそう言い、ファティマがそう応じる。


「私もそれに参加していいですか?」


「ええ。構いませんが気を付けてください」


「ありがとうございます、ファティマさん」


 シシーリアもその空中機動部隊に参加するために向かった。


「よう、シシーリア。お前も加わるのか?」


「あなたが直接出るのですか、バーロウ大佐?」


「そうだ。俺が指揮する」


 ファティマが準備した空中機動部隊の指揮を執るのは他でもないバーロウ大佐自身だった。彼がいつもの服装にMTAR-89自動小銃を握って待っていた。


「では、そちらの指揮下に入ります」


「オーケー。出撃準備だ」


 バーロウ大佐が指揮する空中機動部隊が出撃準備を始める。


 そして──。


本部(HQ)よりローニン。作戦開始です。出撃してください!』


「了解。出撃だ、紳士淑女の諸君!」


 バーロウ大佐が指揮する空中機動部隊は大規模で1個連隊以上の規模だ。


 空挺戦車やアーマードスーツを含めた重装空中機動部隊であり、ハミングバード汎用輸送機の他にバルチャー攻撃機やフサリア無人攻撃機などの上空援護機を有する。


 それらが一斉にフォー・ホースメンの基地を飛び立った。


「全員現地の映像を確認しておけ。偵察衛星とドローンの両方から映像が来ている」


 フォー・ホースメンはサマエルの力を借りて偵察衛星の乗っ取りを行っており、偵察衛星の情報すらも今は握っていた。


『ガンマン・ゼロ・ワンより各部隊へ。敵防空網破壊(DEAD)を開始する』


 そして、やはりエコー・デルタ・ワン空軍基地を防衛している防空コンプレックスへの攻撃を実施。スタンドオフ攻撃と小型ドローンによる飽和攻撃が行われ、ゲヘナ軍政府の防空コンプレックスが制圧されて行く。


「乗り込むぞ! ぶちかませ!」


「了解!」


 そして、ついにバーロウ大佐が指揮する空中機動部隊がエコー・デルタ・ワン空軍基地に向けて乗り込んだ。


 次々に投下される空挺戦車とアーマードスーツ。それらが着陸地点(LZ)を確保し、そしてそこに兵士たちが降下する。


「交戦を開始!」


「アルファ大隊は管制塔の制圧! ブラボー大隊はハンガー! デルタ大隊は全てのシャトルを制圧しろ! エコー大隊とフォックスロット大隊は敵の防衛戦力の拘置だ!」


「了解!」


 バーロウ大佐が手早く指示を出してエコー・デルタ・ワン空軍基地の制圧作戦を開始した。フォー・ホースメンの精鋭たちがゲヘナ軍政府の残存戦力の殲滅を図る。


「アーマードスーツと戦車を盾にして進め! 敵は重装備を喪失しているぞ!」


 ゲヘナ軍政府はこれまでの撤退で重装備のほとんどを喪失しており、装甲戦力に応戦する手段がない。


 フォー・ホースメンはそれを把握し、装甲戦力である空挺戦車とアーマードスーツを盾にして強引に前進してきた。


 ゲヘナ軍政府はついに崩壊しようとしていた。


……………………

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