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解放への道//ユニフォーム・シックス空軍基地強襲

……………………


 ──解放への道//ユニフォーム・シックス空軍基地強襲



 ファティマたちは無事に現地の潜伏部隊と合流。


「ユニフォーム・シックス空軍基地周辺の警戒態勢はどうですか?」


「それなり以上に強固です。あちこちに検問(チェックポイント)ができています。そして、もうゲヘナ軍政府以外のIDでは通過できません」


「ふむ。となると強行突破していくしかないですね」


「ええ。命令を受けて部隊を編成しています。連隊規模の戦力です」


「それはいい知らせです。ユニフォーム・シックス空軍基地を強襲しましょう」


「了解」


 ファティマたちはユニフォーム・シックス空軍基地を目指す。


 まずは現地に潜入しているデモン・レギオン部隊との合流だ。


「ここです。この倉庫に司令部があります」


 装甲トラックで移動したファティマたちはゲヘナ企業の倉庫に到着。


「ようこそ、ファティマさんたち」


 即席民兵が主力を占めるデモン・レギオンにしては珍しく軍人らしい人間がファティマたちを出迎えた。


 恐らくはフォー・ホースメンに訓練された人間だろう。フォー・ホースメンは一部の志願者を高度に訓練し、将校として働けるようにしていた。


「攻撃の準備はできていますか?」


「ええ。ユニフォーム・シックス空軍基地は監視中です。やはり大量の兵站ドローンが離着陸し、前線のゲヘナ軍政府部隊に補給を行っています」


「警備の規模は?」


「機械化歩兵1個大隊を中核とする諸兵科連合が配置されています。所属はMAG。練度はそれなり以上です」


「ふうむ。こちらの戦力はいかほどですか?」


「戦力の集結の命令を受けて集まったのは6000名。しかし、重装備はテクニカルぐらいで全員が軽歩兵です」


「機械化歩兵の相手となると犠牲は出そうです」


 デモン・レギオンは大量の戦闘員をゲヘナ軍政府の後方に浸透させていたが、彼らは決して重装備ではなく、せいぜいCR-47自動小銃とSRAT-140携行対戦車ロケットで武装しているぐらいであった。


「そこはあたしたちがどうにかしてやるよ」


「お任せしましょう、カイラさん」


 そこでカイラが声を上げた。


 カイラのヴリトラ・ガーディアンズはデモン・レギオンと比較すれば重装備を保有している。ヘカトンケイル強襲重装殻がそうだ。


 ヴリトラ・ガーディアンズが動員したヘカトンケイル強襲重装殻は装甲強化モデルで口径40ミリの機関砲弾にも耐えられる。


「しかし、間接火力は何かしらありませんか?」


「それでしたらテクニカル搭載のカチューシャ・ロケットと軽迫撃砲が」


「火力も全力で投じましょう。それでは作戦を開始します」


 ファティマたちは作戦を開始した。


 多連装ロケット砲や軽迫撃砲が配置に就き、それからデモン・レギオンの軽歩兵とテクニカルが、そしてヴリトラ・ガーディアンズが攻撃発起地点に。


「サマエルちゃん。通信妨害をお願いします」


「分かったよ」


 サマエルが通信妨害を開始。


 これで全ての準備は整った。


「攻撃開始です!」


 ファティマが攻撃開始を宣言。


 テクニカルに搭載されたカチューシャ・ロケットが砲弾を放ってユニフォーム・シックス空軍基地の検問(チェックポイント)に降り注がせる。


「突入、突入!」


 それからテクニカル部隊が瞬時に突撃し、MAGの機械化歩兵と交戦を開始した。


「無反動砲を叩き込め!」


「敵のアクティブ(A)防護(P)システム(S)を飽和させろ! あらゆる対戦車兵器を使用しろ!」


 MAGの機械化歩兵はバルバロイ歩兵戦闘車で武装しており、アクティブ(A)防護(P)システム(S)が飛来する砲弾を迎撃しようとする。


 そのためデモン・レギオン側はアクティブ(A)防護(P)システム(S)を飽和させるために大量の対戦車兵器を使って火力を発揮した。


『ニューヨーク・ゼロ・ワンより各車。射撃開始、射撃開始』


 バルバロイ歩兵戦闘車が機関砲で自分たちを攻撃するテクニカルを砲撃。次々に砲弾がテクニカルを吹き飛ばしていく。


「クソ。このままじゃ……!」


『モンスター・ゼロ・ワンより各員。攻撃開始だ。叩きのめせ』


 デモン・レギオンの兵士が苦戦する中、颯爽とアーマードスーツが出現。


 装甲を強化したヘカトンケイル強襲重装殻。ヴリトラ・ガーディアンズだ。


 ヘカトンケイル強襲重装殻は対戦車ミサイルを一斉に発射し、アクティブ(A)防護(P)システム(S)が飽和状態だったMAGのバルバロイ歩兵戦闘車を撃破。


「道が開けたぞ! 進め!」


 ヴリトラ・ガーディアンズがこじ開けた突破口からデモン・レギオンの軽歩兵が突撃。一斉に基地施設内に入り込んでいく。


「全て破壊しろ! ドローンも物資も全てだ!」


「おおっ!」


 基地に侵入したデモン・レギオン部隊はウォーホース無人輸送機や集積されている物資に銃撃を加えたり、爆破したりなどして破壊工作異を繰り広げた。


『こちらユニフォーム・シックス空軍基地! 敵の攻撃を受けている! 誰か応答してくれ! 畜生──』


 ユニフォーム・シックス空軍基地は救援を求めたが、サマエルが実施している通信妨害によって他の部隊との連絡は遮断されており、応援を要請できない。


「いい感じです、カイラさん」


「うちの連中はプロだからな。勝てる戦いならやる気を出すさ」


 ファティマたちも戦闘に加わりながら、制圧されて行くユニフォーム・シックス空軍基地を眺めた。


 そのまま基地はほぼ制圧され、基地にいたゲヘナ軍政府とMAGの戦闘員は全員が殺害された。基地そのものも完全に破壊され機能しなくなったのであった。


「撤収だ! 撤収、撤収!」


「物資は鹵獲するな! トラップが仕掛けてある可能性がある!」


 大量の物資が爆破された。デモン・レギオンはその中にゲヘナ軍政府がトラップを仕掛ける可能性を考慮して装備の鹵獲はしなかった。


「作戦は成功です!」


 撤収後にファティマがそう宣言する。


「これでゲヘナ軍政府の攻勢作戦も次第に弱まるでしょう。いずれは我々の側から反撃に出ることも夢ではありません」


 ファティマがそう語る。


「勝利に向かって引き続き戦い続けましょう。以上です」


「おお!」


 ファティマは兵士たちを鼓舞し、再びキャスパリーグたちと合流。


「勝ったっすね」


「ええ。勝ちました。ですが、勝負はこれからですよ」


 まだこの時点ではゲヘナ軍政府が進めているアガレス作戦の進みを遅くしただけに過ぎない。未だに前線には敵の戦力が存在するのだ。


「一度本部に戻りましょう。そこで作戦会議を」


 そして、ファティマたちは本部へと戻る。


 その間、補給の途絶えたゲヘナ軍政府の動きは鈍り始め、侵攻速度は低調なものとなり始めた。守勢に立たされる場面も多くなり、弾薬不足が原因で不利になっていく。


 その状況をファティマたちも把握していた。


……………………

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