囚われ姫君の航海記~捨てられた少女は海賊に拾われて新たな人生をはじめます~
生まれてこの方ずっと城の地下牢に幽閉されて育ったリュシー。
王太子と同じ教育を施されながらも、外の世界に出ることすら叶わず、ただ毎日うす暗い牢のなかで簡素な食事を摂るだけの毎日。そんなリュシーに与えられた〝生きるため〟の役割は『ログレッタ王国ラファエル王太子の影武者』だった──。
だが、成長とともに容姿も声も誤魔化しがきかなくなり、その役割が果たせなくなったリュシーは、いよいよ罪人として処刑されるという噂を耳にしてしまう。
しかし、それも仕方ない。敬愛するラファエル殿下が自分の存在なくとも問題のない身体になったのなら、自分は十分お役目を果たしたはず──と、リュシーは自らの運命を受け入れていた。
そんななか、突然地下牢に訪ねてきたラファエル王太子と側近バチストに薬を盛られ、気を失ってしまい──!?
目が覚めると、そこは大海原の中心部。荒れ狂う海を渡る船の上で、魔法を駆使しながら魔物と戦っていたのは、世界でも特異な存在〝ユドルの海賊〟だった。
なんとリュシーは、〝匿名人物からの依頼〟により、魔の区域リンドール海峡を占拠するユドルの海賊に拾われていたのだ。
はじめて踏み入れた外の世界に怯え、リュシーは途方に暮れてしまう。
けれど、いち賊員──家族として扱ってくれる海賊たちのもと、戸惑いながらも航海を続けるうちに、リュシーは少しずつ〝生〟を知り、生きる気力を取り戻していく。
「ここでは、ありのままの姿でいりゃあいい」
芽生え始めた心を導き温かく見守ってくれるジルベール。
そんな彼のそばで本当の自分を見つけ始める一方、残酷な現実がリュシーに立ちはだかる。
「私の秘密を知った者は、確実に殺されます──」
世界一幸せな国と謳われるログレッタ王国が、ひた隠しにし続けてきた闇。
そして、真実。
襲いくる大きな影を前に、リュシーが選択した道とは──?
──これはとある少女が新しい人生を歩み始めるまでの、はじまり(序章)の物語。
王太子と同じ教育を施されながらも、外の世界に出ることすら叶わず、ただ毎日うす暗い牢のなかで簡素な食事を摂るだけの毎日。そんなリュシーに与えられた〝生きるため〟の役割は『ログレッタ王国ラファエル王太子の影武者』だった──。
だが、成長とともに容姿も声も誤魔化しがきかなくなり、その役割が果たせなくなったリュシーは、いよいよ罪人として処刑されるという噂を耳にしてしまう。
しかし、それも仕方ない。敬愛するラファエル殿下が自分の存在なくとも問題のない身体になったのなら、自分は十分お役目を果たしたはず──と、リュシーは自らの運命を受け入れていた。
そんななか、突然地下牢に訪ねてきたラファエル王太子と側近バチストに薬を盛られ、気を失ってしまい──!?
目が覚めると、そこは大海原の中心部。荒れ狂う海を渡る船の上で、魔法を駆使しながら魔物と戦っていたのは、世界でも特異な存在〝ユドルの海賊〟だった。
なんとリュシーは、〝匿名人物からの依頼〟により、魔の区域リンドール海峡を占拠するユドルの海賊に拾われていたのだ。
はじめて踏み入れた外の世界に怯え、リュシーは途方に暮れてしまう。
けれど、いち賊員──家族として扱ってくれる海賊たちのもと、戸惑いながらも航海を続けるうちに、リュシーは少しずつ〝生〟を知り、生きる気力を取り戻していく。
「ここでは、ありのままの姿でいりゃあいい」
芽生え始めた心を導き温かく見守ってくれるジルベール。
そんな彼のそばで本当の自分を見つけ始める一方、残酷な現実がリュシーに立ちはだかる。
「私の秘密を知った者は、確実に殺されます──」
世界一幸せな国と謳われるログレッタ王国が、ひた隠しにし続けてきた闇。
そして、真実。
襲いくる大きな影を前に、リュシーが選択した道とは──?
──これはとある少女が新しい人生を歩み始めるまでの、はじまり(序章)の物語。