№20 あの男が登場!そして・・・
バトルインフレ勃発。
ランスロットの奥義ダークネス・エターナル・クラッシュが発動する刹那。
アーサーはエクスカリバーを振りかぶったが、刹那、頭の中で間に合わないと分かっていた。
(それでも!愛する人たちを失う訳にはいかない!)
ドン、ドン、ドン、ドン、ドン!
けたたましい音を立て、大火球がアーサーの横をすり抜ける。
「あ」
アーサーは一声発し、それが誰であるか瞬時に悟った。
(康治)
アーサーはふと安堵の表情を浮かべる。
火球は奥義を発動するランスロットの眼前で急停止する。
「よう」
にんまり、サン・ウエスト・ガイアの英雄康治が笑う。
「貴様っ!コォジィ!またして・・・も!」
「ドーン!トントントン大火球!」
康治は、そのまま回転しながらランスロットに体当たりをした。
この戦いは一瞬で終結、チートな野郎の乱入で、バトルインフレが起こり、バランスが崩壊した。
「康治様!」
「康治!」
アリエルとケイは元旦那へと駆け寄った。
「おう、またせたな」
康治はサムアップをし笑う。
シスは静かに宮を後にしようとしていた。
キラリ黄金のマイクが光る。
すーっと彼は息を吸い込み、喋りはじめる。足はかろやかに。
「おーっと、ここで助っ人の参入だ。その名も私、Fullダーチ=虎徹であります」
ぐんぐん勢いをあげシスへと迫る。
「こやつ!」
奇襲に気づいたシスは両手をかざし暗黒を作りだす。
「くらえっ!」
闇の黒球を放つ。
「ハウリング・シールド!」
音圧で闇を封じる。
「馬鹿め、その程度の力で我が力を抑えられるものか」
シスの口角が醜く歪んだ。
「おーっと、果たしてそうでありましょうか。人間・・・いや、魔物も油断大敵、心に隙が出来た瞬間こそ危ないのであります」
にやり、虎徹は笑い返す。
彼の背に隠れていたローリアンが頭上を越え、高く舞いあがる。
「萌狩隊隊長ローリアン見参!」
空中でかがみ、両手をクロスしてサイリウムを持ち、奥義へと移行する。
「神威っ!」
激しいヲタ芸の動きで、サイリウムが七色に煌めき、シスに怒りの鉄槌を・・・。
「馬鹿めっ!雑魚が一人二人とこようとも・・・な!」
「おーっと、それはどうでしょうか、助っ人が一人二人だと思うのは、勝手な思い込み、浅はかな実に浅慮であります」
神速一閃、ベディヴィアが仕込み杖で迫る。
猪突猛進、ガレスがミドルソードをシスの喉元に突きつける。
「効かぬわっ!」
シスが念じると、彼の身体から巨大な闇のバリアが発生し、彼等の行く手を阻む。
「思いしったか!」
暗黒卿は、攻撃に転じようとした。
「まだ!」ローリアンは叫ぶ。
「まだ!まだ!」ベディヴィア。
「まだ!まだ!まだ!」ガレス。
「なっ!」
シスは絶句する。
虎徹のマイク持つ小指がピーンと立つ。
「おおっと~!」
一方・・・。




