№19 シスの野望
円卓の騎士達に立ち塞がる。
円卓の騎士、パロミデス、ボールス、ユーウェインの3人は、ラモラック、パーシヴァル、ガラハット、トリスタンと合流し、最後の戦いを見届けようと、暗黒宮を駆け上って行く。
決戦が行われているランスロットの手前の宮は、本来、パーシヴァルが守る宮で無人となっている・・・はずだった。
「ふふふ」
闇の中より、笑い声が聞える。
7人の前に立ちはだかったのは、暗黒卿シスであった。
「お前はシスっ!」
パーシヴァルは指さし叫んだ。
「おやおや、揃いも揃って暗黒騎士の皆様方が、守る宮を破られ、どちらへといかれる」
暗黒卿は嘲笑する。
「痴れたこと!戦いの結末を見守るのだ!」
ガラハットは、だみ声で罵るように叫ぶ。
「黙れっ!暗黒の力を与えたのに・・・易々とアーサーたちに道を開けおって」
「貴様っ!」
トリスタンは槍を身構える。
「おっと、私に牙を剥くということは、バーン様にたてつくのと同じ」
「くっ!」
パロミデスは唇を噛む。
「構うもんか!やっちまおうぜ!」
ラモラックは臨戦態勢と入る。
「・・・ま、所詮、弱き者だったということか・・・」
シスは嘆息混じり言った。
「何だと!」
円卓の騎士達は同時に叫んだ。
「言ったままのことだよ」
暗黒卿は、両手を広げゆっくりとお腹の近くに持って来る。
その間で小さな闇の渦が作られると、次第に大きな渦となる。
「闇の力が抜けきり、最早、お前たちは反乱分子と化しておる!ここまでだ!」
宮を飲み込むほどの黒い渦が解き放たれた。
「イビル・ブラックホール!」
闇渦が激流となり、円卓の騎士達を飲み込む。
はてしない闇の中へと消えて行った。
「ふん、力なき者たちであった」
シスは踵を返し、その場を立ち去ろうとする。
「待て!」
宮に声が響き渡った。
暗黒卿シス。




