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№16 願いよ届け

 君に届け。


 ケイは横たわるトリスタンに、容赦なく最後の一撃を加えようとする。

「死ね」

「姉上っ!」

 アーサーは聖剣エクスカリバーを抜くと、間に割って入って、姉の攻撃を受け止めた。

「アーサー何故、邪魔をする?」

「トリスタンは戦闘不能です」

「それがどうした?戦いに敗れた者など死ねばいい」

「・・・姉上・・・それでは」

「それでは・・・何だ」

「闇と一緒だよ!」

 アリエルは叫ぶ。 


「ボクが闇・・・闇だと?アリエルどういうことだ」

 ケイの瞳が妖しく赤く光り、にじり寄る。

「姉上!」

 アーサーは彼女の前に立ち、姉の行く手を塞ぐ。

「アーサー、君も一緒か・・・ボクが闇の手に堕ちたと・・・許さん、許さんぞ!」

 漆黒の禍々しいオーラが、ケイの全身から噴きあがる。

「・・・アリエル下がっていろ」

「でも」

「今の姉上は、君では歯が立たない」

「・・・・・・」

 彼女は唇を噛みしめ、後ろへとさがった。


「そこをどいてもらおう」

「どきません!」

「ボクに暴言を吐いた、エルフの姫に、お仕置きをしなくては」

「アリエルは、間違ったことは言っていません!」

「何ィ!」

「目を覚ましてください・・・あね・・・」

「五月蠅いっ!」

 ケイは三叉の槍を上段から振り下ろした。

 アーサーはエクスカリバーで攻撃を受け止め、鍔迫り合いとなる。

 互いに頃合いを見図り離れる。

「暗黒連槍!」

「シャイニング・バースト!」

 闇と光の連撃が交錯する。

「流石だっ!流石だねっ!アーサー」

「姉上っ!」


 ケイはちらりとアリエル見て放った。

「極闇、斬武槍」

 闇の一撃が、アリエルへと迫る。

「姉上っ!」

 アーサーは彼女を守る為抱きしめる。

 背中に斬武槍の槍圧を受ける。

「ぐっ!」

「アーサーっ!」

「大丈夫だ」

「くっくっくっ、2人もろとも仲良くあの世に行けっ!」

 ケイは喜色を浮かべ、彼等へとどめを刺すべく駆けだす。

 2人は見つめ合い、頷き合った。


「とどめっ!」

 ケイが三叉の槍を振るう。

 アーサーは上段に、アリエルは下段に剣を身構える。

「シャイニング・トルネード!」

 アリエルが叫び、ミドルソードを一閃すると光りの竜巻が起こる。

「何ィ!」

 竜巻に飲み込まれたケイは、巻き上げられる。

 アーサーはその竜巻の中へと飛び込んだ。

「姉上の闇を取り払う!シャイニング・ヒーリングっ!」

 聖剣から眩い光が発せられる。

「ケイ、帰ってきて、ヒーリング・ブライト(癒しの光)」

 2人は願いを込めて技と魔法を放つ。

 抗う闇を光は飲み込む。

「これが光・・・アーサー、アリエル、ありがとう」

 ケイは気を失った。

 闇の気配は消え失せ、彼女の表情は穏やかとなる。

 アーサーは竜巻の中から姉を抱きかかえると、アリエルの隣へ着地した。



 この思い。

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