№10 闇騎士ラモラック対第2の助っ人
不遜たるラモラック。
第6宮は不遜たる大男ラモラックが守っている。
三人が闇の宮へと入ると、突然大鎌が風を切り襲いかかる。
皆は四方八方に飛びのき、皆は攻撃を回避する。
「ぐふふふ。アーサー様、お久しゅう」
「・・・ラモラック」
「私め、一度あなた様と是非、お手合わせをしたいと願ごうておりました・・・よもや、こんな形で、相まみえることとなるとは」
ぐにゃりとラモラックの口角が歪む。
「行こう」
アーサーは一歩前に出る。
「ぐふふふ」
「ちょっと待った!」
後方から声がする。
「誰だ!」
「誰だ誰だ誰だ!それは私だ。マイク一丁、胸に忍ばせ、やって来ました実況伝道師。その名はFULLダーチ=虎徹。私怨により、ここに見参っ!」
銀縁の丸眼鏡にアフロヘア、中肉中背のスーツを着た虎徹が黄金のマイクを持ち、颯爽と現れた。
「貴様っ!」
「お久しぶりですな、ラモラック卿」
「俺様に何の私怨があるというのだ!実況野郎」
「これは異な事を、さる死合いにて、あなたは戦いの最中、審判である私に暴力を振るおうとした。神聖な戦いにおいてイキル気持ちは分りますが、私とて実況と審判を司り、あの場は、魂をかけていた。その私を卿は襲った・・・」
「だから何だ」
「許せません」
「何だと」
「卿は聞けば、闇落ちまでしておると・・・その性根、僭越ながらこの虎徹が叩きのめしてしんぜましょう」
「ぬかせ!」
ラモラックは大鎌を投げつけた。
「ハウリング・シールド!」
虎徹は小指を立て、マイクを持ち叫んだ。
声の振動で防御壁がつくられ、ラモラックの攻撃は弾かれる。
「貴様!」
闇騎士は激昂する。
「アーサー様、ここはFULLダーチ=虎徹が預かりました。皆様先へお進みください」
「虎徹さん・・・」
アリエルは不安そうな顔を見せる。
「大丈夫です。私は強い。さあいかれよ!」
「すまぬ」とアーサー。
「ご無事で」とケイ。
3人は宮を抜けるべく駆けだした。
「行かせるか!」
走るみんなに目がけて、ラモラックは大鎌を投げつける。
「戦いのエキサイト・ブレス!」
虎徹の声がマイクに乗り宮じゅうに反響し、大鎌の勢いを失わせ、地に落とす。
「卿の相手は私ですよ」
「貴様!」
「おーっと、ついに因縁の対決が勃発するのか、まさにこれは巌流島の戦い、しかしながら、どちらが武蔵で小次郎なのだ。願わくば私が武蔵でありたいものだ!・・・・ラモラック卿は憤怒の形相、さながら怒れるブッチャー場外乱闘流血は必死の必定!おーっと、ここで大鎌を構えたぞ、まさに獲物を狩る漁師の目つき、ハンターロックオン!さあ、戦いの火蓋がついに切って降ろされる~!」
虎徹の怒りが炸裂する。




