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あいつとランプと俺の休憩所

作者: 冬本桜

「ねぇ見てまほうのランプ!」

…また来たのか。さわがしいやつ。

「…それってカレー入れるやつじゃないの?」とおれが言う。

午後の、もう使われてない部室が、おれの休憩所だ。そこにズカズカと遠慮なく勝手に入ってくるのが、あのさわがしいやつだ。

「ちがうもん!」とさわがしいやつが言う。「…出てきたの?」

「興味あるんだぁ」

…ちがu「違くないでしょ?w」

…おれの心読めんのかよおめぇは…

「ふふふ、実はそうなんだよねー」

いやぁどーせ嘘だろ…?

「あははっ、正解!本当は、君は全部顔にでてるからw」

「…初めて言われた」

「君友達いないもんねー」

「失礼な」

「そっかぁ私がいるか!」

「ほかにもいる。」

「何人?」

「…100にn」

「嘘つけ」

「……」

そもそもおれがここで静かに休憩してたのに、あのさわがしいやつが勝手に入ってきたんだ。っていうか面白いのか?おれと一緒にここにいて。何を考えてんのかわからん。いっつもニコニコしてて、全く読めない。ほんとに。まだお互いに名前も知らないやつだぞ?友達と言えるのか?

「…まぁ、友達じゃなくてもいいよ」

いつも騒がしいあいつがぼそりと何かをつぶやいた。

「え?なんか言った?」

「ううん、なんでもない。じゃ、このランプこすりまーす」

「え、あぁ…どうせなにもおこらないだろ」

あいつがランプをこする。

おれはその手を少し緊張しながら見守る。

……

「…なにも起こらないじゃん」

「えー?おっかしいなぁー」

「おれの言った通りじゃんw」

おれは勝ち誇った顔であいつを見た。

あいつは、ランプの方を向いて、まるで思い通りとでも言いたげな顔をしていた。

おれがランプを見ると、

ランプからもくもくと煙が上がっていて…

「はじめまして、ご主人様。」

…あっけに取られて言葉も出ないおれの隣でほらいった!やった!とか言ってるさわがしいやつ。ほんとにさわがしい。

「ね、私の言った通りじゃんw」

そしてほんとにウザい。

ってかなんかイメージとちがうやつが出てきたな。余計びっくり。メガネかけてて、真面目そう。足あるし。やせてるし。

「願いを叶えますか?一回10億円です」

「え商売なの?ってかそんな金額持ってるわけあるか」と思わずつっこんでしまう。

隣であいつがニヤニヤしてんのが目に浮かぶ。うざいから見ないけど。

「嘘です」…嘘かよ。

「どうやら本当だと思ってたみたいですね。あなたほど引っかかった人いません。この仕事も捨てたもんじゃないですね。ふふふふふ」

どうやらかなりドSを出してしまったらしい。

「そんなドSってわけじゃないですよ?ま、Sよりですかね?」

…あっそ。

ってお前もおれの心をよんでんじゃねーか!

「いや顔に出てますよ?」

…そんなになの?

「ほーらいった!顔に出てるんですよぉ〜」とさわがしいやつ。

…こいつをぶっ飛ばせるくらいの力が欲しい。それをお願いしようか。

「まぁ、で願いは?早くして欲しいんですけどー」

こんなやつでいいのかよランプに入ってる人。

「いいんですよー別にこんなやつで」

あっそ、ってだから!

あぁもうほんっとうに、こいつらといると疲れる。ここはおれの休憩所なのになぁ。

「いやぁでもこんなに顔に出ない人とこんなに顔にでる人が一緒にいるのは見てるだけで面白いですねーw」

「…こいつは、そんなに顔に出ない方なのか?」

「あなた人間知らなすぎでしょ。すごいくらい顔に出ませんよこの人は」

…こいつムカつく…っすごく。

「そーんなに言われると照れる〜wでもこの顔に感情出まくり君は、多分私のこと『さわがしいやつ』ぐらいにしか見てないからなぁ。わからないのも当たり前かも」と言って豪快に笑う。アハハハハ!と。

こいつのこの笑い方が、おれはきらいではない…ってそれは置いといて、

「感情出まくり君ってお前、それはないだろさすがに!」

「いやぁあなたのことをあだ名で呼ぶならそれが一番似合ってますよ。ククククク…」

あーどいつもこいつもうざいしうるさい。

「私はうるさくないでしょう」とドS。

「っていうかぁ本当に早くしてください。遅いんですけどー」

「はい!じゃあ私から!」

「どーぞ」

ゆずってあげるおれってやさしいなぁ。

「でさ、3つって2人で3つ?」

「もちろんそうですよ?」

「えー!じゃあまず私が二個言うから〜」「いやちょっと待て、なんでお前が二個決定なんだよ」

「えーだめ?」

「だめ。こんないい機会、無駄にはしない」

これでおれは新しいゲーム機が欲しいんだ!「ん〜でもどうせゲームとかでしょ?欲しいもの」

ギクリ。

「あたった」

……。

「じゃあ私が二個の方がいいかなぁ」

「いや、それはちがうな」

「じゃ、じゃんけんで」

「…わかったけど…」

おれじゃんけん結構弱いんだよな…。

おれの今の気持ちがわかったかのようにニヤニヤするあいつらがうざい。マジでウザい。

…あぁもう!これを出そう。これで勝つ!

「何を出そっかなぁ〜」

そしてチラッとあいつはおれを見る。

「グーにしようかなぁ」

早く決めろよ。めんどくさいな。

「パーにしようかなぁ」

一言一言うるさいし。

「チョキにしようかなぁ」

はぁ、早くしろって。じ、じゃんけんなんて、しょ所詮運だし。でもチョキはやめろ。

さわがしいやつがニヤリと笑った。

「よし、きーめた!」

やっと決まったか…チョキはやめろよ。

ドSが後ろでニヤニヤ笑っていた。

…なんか嫌な予感がする。

「いっくよ〜さーいしょーはグー、じゃんけんポイッ!」

………あ……………。

「やったぁ〜勝ったぁ〜!アハハッ」

…ちきしょー…なんでおれパー出したんだ…。「ふっふっふ、では私が2つだ。」

うわなんで…おれのゲーム機…

「も、もう一回!」

「あの口を挟みますが、男が一度勝負をしてもう一回って、同じ男として恥ずかしいからやめてもらえます?」とドS。

「だって。私はいいんだけどね?」

ニヤニヤするこいつらの顔を見ながら、ちょっと前の自分をほんとうに恨む。

「あーもー、どーぞ。お前の願い事は?」

「ふふっ、じゃあねぇ、私のお願いは…」

お願いは………?

ドクン、ドクン。心臓がなる。

ってなんでおれが緊張してんだよ。おかしい。何に緊張するんだよ。と1人でドタバタしながら考えてたから、

「はい、次君の番ね!」と言われた時、不覚にもビクッ!としてしまった。

「え…えあのさ、言ったの?」

「言ったよー」

「二個とも?」

「うん!」

「本当に?」

「本当に本当に?」

「うん」

「ほんっっとうに?」

「うん、そうだよー」

「ほんとのマジのまじめにうそ?」

「じゃないよー」

…くっそ、なんで引っかかんなかったんだ…絶対引っかかると思ったのにぃ…

「君の考えていることは、確実に全部わかるようになったからね〜」

なんだそりゃ。

…なんか本当にわかってそうで怖すぎるわ。 でもこっちにも考えがあるんだよなぁー。

これで勝てる!

「じゃあ、次はおれの番だな」

ドSの耳に口を近づけて、

「………」

「なるほど。承知しました。…ククククク…」

「なんだ、何かおかしかったか?」

「いや、本当に…ククク」

「なぁにがそんなにおかしいんだよ」

「まぁまぁ。では、あなたのお願い、叶えてあげましょう。」

ドキドキワクワク。

………!きた…

「みなさんのお願いが叶い終わったので。私はこれでさよならです。では」

と言ってランプの中に入り、ランプごとボッ!と消えていった。

…さて…あのさわがしいやつのお願いはなんだったのだろうか…。

「私のお願い、知りたいんだ?」

「んなわけあるか!」

ごちゃごちゃうるさい。

こんななんだな、人の心が読めるってのは。

と思ったら、君の名前は?と周りの声よりもずっと大きい声が聞こえたから、思わず自分の名前を思い浮かべてしまった。

すると、ふぅん、私の名前はね、と言ってなんか聞いたことのあるような名前を言った。「じゃ、私はそろそろ帰るね」

と現実で言われて、自然と

「あ、ああ」と答えていた。

けれど頭は追いついておらず、ポカンとたった今あいつが出て行ったドアを見つめるばかりだった。


1ヶ月後、おれたちは…付き合いはじめた。

ただ、他の人たちのデートとは少し違うところがある。

それは…口数が少ないこと。

普通だと、楽しい楽しいデートは、口数が多いのが普通。でもおれたちは別なんだわ。

もしかしたら、他の人たちは、おれたちがケンカ中とか思ってるかもなw。まぁ、全然違うけど。

まぁでもしゃべっているようなもんさ。

あの時、おれが「あいつの心が読めるようになりたい」あいつが、「おれの心が読めるようになりたい」って願ったから、お互いに相手の心が読めるわけ。

まぁでもそのせいで、知られたくないところも、バレちゃうんだけどなぁー。だからドッキリとか絶対ムリ。サプライズもありえないしなww。

じつをいうと、今この話もニヤニヤしながらとなりであいつが聞いてるよ。

で、さっきの話の続きだけど…

心の中が読めるわけだから…お互いをよく知り合って、相手が嘘をついてるかどうかすらわかるわけだから…


他のカップルより、じつは…

ら…ラブラブなのかも…な。


「ふふふ、正直になるとかわいいね。

そうたくんは…ふふっ」

「うるせー!お前は…いや、ひびきは本当に

何でもかんでもしゃべりやがって…あれ?

しゃべってないのか?いやまーどっちでも

いい!もーほんとになぁ!ってか『くん』

つけるのキモいからやめろって、何回言っ

たらわかるんだよ!」

「まぁまぁ落ち着いてよ、そうた」

「お前にだけは言われたくない!ひびき!」


ひびきとそうたの話し声は、

風に流れて、空に舞い上がっていった。




はじめまして、冬本桜です。

これが初めての作品なので、下手だったりとかはすみません…

なろう初心者です。使い方慣れてないです。投稿頻度多分遅いです。

私はこれ結構ニヤニヤしながら書いたんですg(

みなさんが少しでも面白いなとか思ってくれたら嬉しいなと思います!

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