真也の過去
星野真也は、ひとりぼっちだった。両親は放任主義で、話すこともあまりなかった。
小学校の高学年のころには、ゲームや小説にはまり、外にもあまり行かなくなったため、人との接点がかなり減っていった。しかし、まだそのころは、友達がいて、学校では楽しく遊んでいた。その頃の真也は、人と喋るのが好きで、優しい少年だったため、自然と周りに人ができ、会話を楽しんでいた。
中学校になったころ、部活は小学生の頃、放課後に練習していたサッカー部に入って頑張っていこうと思っていたが、彼はその部活のノリや雰囲気についていけなかった。今まで彼と話をしてきた人とは、それぞれうまく会話を楽しむことができていた彼に、それはかなり深刻な問題だった。そしてそれは、部活以外の学校生活にも影響を及ぼし、昔のように気軽に誰とでも話ができるような彼から少しずつ変わらせてしまった。そんな彼は、結局部活の中では一人になってしまった。そして、最終的には、中学2年生の初めに退部してしまった。退部したことは、彼が他の人と関わるのをやめる後押しになってしまった。前よりも全く話さなくなってしまった彼に、周囲は次第に距離を取り、すぐに彼は孤立していった。 退部した後彼は、よりゲームに熱中し、彼は残りの中学校生活のほとんどをゲームに費やした。しかし、そんな中で、彼は一人でたくさん悩んだ。 友達を作った方がいいのか? やっぱり部活に入った方がいいのか? 親に相談することもあった。怪しく思った先生に呼び出されることもあった。が、結局彼の助けになる言葉はなかった。そうして彼は、中学校生活の間、結局何もすることはなかった。可愛いと思うことはあったが、好きになるということはなかったため、恋愛なんてものもしなかった。 幸い受験には成功し、今の高校に入学することができた。
中学校の経験から、部活にも入らず、特に話すこともなかったため、彼は自然と孤立していった。絡まれた時や、席をどいてほしい時以外、誰とも話すことはなかった。 先生に部活について相談されたこともあったが、中学校の経験と、興味がある部活がないといい断った。
そんな孤立していた彼であったが、小学校高学年の頃のように、本当は優しく、喋るのが好きな少年であった。また、行動力があり、サッカーの練習も、自分から進んでやったことだった。だから中学校の時に未来も助けることができた。 体育祭の時では、人知れず練習したり、合唱祭の時にも裏で意見をいったりしたこともあった。 ただ、誰も彼を称えることはなかった。 誰かに話しかけられた際も、文句も言わずに答えていた。
誰にも報われないことを、一人で泣いた日もあった。 親に相談しても、返ってくる答えは、"お前の自業自得だ" こんな答えだった。 だが、真也はそれが正しいことを理解していた。 結局は全て自分が起こっなった報いだ。 そう思い続けてるうちに、彼はそれを普通だと思い込んだ。 彼の精神はそれに適応した。 異世界に来てからも、特にそれは変わらなかった。 自分だけステータスが低くくていじめられていても、嫌だとは思うが、後に考えれば低い自分が悪いと思ってしまうほどに。 だけど、どこがでずっと抑えつけているものがあるのは確かだった。
彼の心は救われるのか、それともなにも変わらないのか。