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ディーバとの出会い 

 「...んっ....んうぅ...シンヤくん、激しいです......」

 そんな声が聞こえた。 随分と現実味のある夢の中だな、そう思いながら、手の中にある柔らかい感触に、さらに力を籠める。 すると、


「んっ、強い......」


 そんな声が聞こえた。 やけに耳元で聞こえたため、反射的に目を開いた、すると、


「は?」


 思わずそんな声がでた。 目の前には、一糸まとわぬ姿で、真也の超ドストライクな美少女が横たわっていた。 腰辺りまで伸びる長い白髪の髪に、水色と紫の瞳。 そして、その下に、俺の手が沈むぐらい大きな二つの.......


「って、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ........」


 そう言う風に叫んでいると、


「あ、おはようございます。 シンヤくん。 私のこと、わかりますか?」


 そんなことを言われたので、恐る恐る記憶を辿る。 確かに昨日は、一人で眠りについたはずだ。 勇者達に罵声を飛ばされながら空に飛んだ後、クラムの街のいつも泊まっている宿に帰り、新たに1週間分の代金を渡して部屋に入って、服と剣には汚れ1つついていなかったが、なんとなく体を洗いたかったので、水魔法と水支配でささっと体を洗い、着替えて、ディーヴァテインを抱きながら寝た......


「もしかして、お前、ディーヴァテインだったりするのか?」


 というか、髪と瞳の色的に、そうとしか考えられないが、一応そう聞いてみる。


「当たりですよ、シンヤくん。 私はあなたの、剣だった、ディーヴァテインですよ。」


 予想通り、彼女はディーヴァテインだった。 しかし、気になる点があったので聞いてみた。


「剣だった? それはどういう意味なんだ」

「はい。 そうですね。 少し長くなるんですがいいですか?」


 そう言われたので、無言で頷くと、彼女の話が始まった。 彼女の話を要約すると、聖魔剣となったときに、名前を付けられたことで、意識が生まれ始めたらしい。 そこから、今まで、俺の剣として生活していくうちに、普通の人と変わらないぐらいの状態になったらしい。 そして、俺が抱き枕にしていた時には、俺の中の感情が流れ込んだりして、ついに昨日、耐えきれなくなり、どうにかして俺を慰めようと思った結果、<人化>という、固有技能を手に入れたらしい。


「と、言うわけなんですよ!」

「は、はぁ」

「むぅ、なんか呆れてますね? 剣なのに、とか思うかもしれませんが、<人化>しているときは完全に人と同じ体のつくりになってるんですよ。 あ、あと実は、シンヤくんを愛しすぎて、多分もとに戻れなくなっちゃったんですよね......」


 まさかのカミングアウトを受けた。だが、それについては、今は些細なことでしかない。それよりも、


「俺に同情してくれたのか。 お前は優しいんだな。 でも、俺は全然大丈「夫じゃないです」え?」


 突っ込みを入れられた。 そして、ギューと抱き寄せられて、


「昨日のままでいたら、いつか本当に壊れてしまいます。 シンヤくんは辛い思いをしすぎです。 もう少し、自分を......大切にしてください」


 涙声になりながらそんなことを言われたら、返しようがなかった。 そして何より、久々に感じた人の温もりは暖かくて、ついつい甘えてしまった。


「......なら。もう少しだけ。」


 そう言うと彼女はにこっと笑って、


「いつまでも、大丈夫ですよ」


 そういって、抱きしめてくれた。 今は、その温かさに、甘えることにした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「あ、気が付きましたか? おはようございます、シンヤくん」

 目が覚めると、目の前には二つの双丘、そして、頭の裏には柔らかい感触があった。どうやら、膝枕されてるみたいだ。寝てしまったのだろう。 とりあえず、起き上がって、


「お、おはよう。 ディーヴァテイン、さん?」


 少し緊張してしまって、改まってしまった。


「ふふっ、ディーバいいですよ、シンヤくん」


 そういって笑われた。 その笑顔が可愛くって、思わず見とれていると、


「そんなに見ないでください。 恥ずかしいです」


 そうやって顔を隠してしまった。しかし、それよりも問題があった。


「服、ナイノカ?」


 思わず片言になる。 すると、意外にも、彼女は頬を赤く染めて、


「人化に成功したときはもうこの格好だったんですよ! 仕方ないじゃないですか! むしろ羞恥心をこらえてよく頑張ったねって褒めてくれませんか!?」


 そういってプンプンッっとなってしまったので、自分が羽織っているローブを着せてあげ、頭を撫でてあげると、


「そうそう、それでいいんですよ!」


 そういってすっかり機嫌よくなった。 改めて彼女の全体像を見てみると、ドストライクの美少女だった。 160cm以上はあるだろう身長に、腰辺りまである長い白髪。真っ白な肌 左目は水色、右目は紫色で、十人中十人が巨乳というであろうサイズの双丘を備えていた。 それに加えて今の格好と、理性が吹き飛びそうになるが、なんとか耐える。 気分転換するために、


「仕方ないから俺が服を買ってくる。 ここでじっとしていられるな?」


 そう聞くと、冷静に「ええ、大丈夫」と返ってきたので、彼女をおいて宿を出る。 以前自分の服を買いにいった服屋へ行って、似たような性能の女の子用の服をくれ、というと、体系のことを聞かれたので、身長やツリーサイズのことを話すと、例の店長は「フフッ」っと笑った。 俺はさりげなく聞かれたため分からなかったが、ここで俺がスリーサイズをなんとなく把握していることを聞いて何か納得したのだろう。 相変わらず恐ろしい人だ。


 俺が並んでいる他の服を見ながら待っていると、奥から例の店長がやってきた。 店長は、白のワンピースと、膝あて、それに、ブーツや靴下、挙句の果てには下着もくれた。 ちなみに、料金は前回より高かったが、もらった服はどれも俺の来ている服と遜色ない性能だったので、しっかりと払った。 彼女のことを考えていると、もし、部屋の中に他の人が入っていたらどうしよう? という不安な気持ちが湧き出してくる。 そんな気持ちに後押しされるように、彼は宿へ駆けた。


 「大丈「シンヤくん、おかえりなさーい!」大丈夫そうだな......」


 彼女はそういって抱き着いてきた。 もう何度理性が飛びそうになったか分からないが、そこは必死にこらえて、彼女に持ってきた服を渡す。 彼女は喜んで服を受け取ると、全て着た。何をとは言わない。 言ったら理性が飛びそうだから。


「シンヤくん! どうしょうか?」


 そう聞かれたので、思ってたことをそのまま返した。


「やばいぐらい可愛い」


 そう即答すると、面食らったのか、頬を真っ赤に染めてベッドに飛び込んでしまった。 一々仕草が反則的に可愛い彼女のことを見ていたら、1日が終わってしまいそうだったので、名残惜しいが話をここらへんで切り上げる。


「とりあえず、色々と聞いていいか?」

「はい、シンヤくんのお願いなら何でも答えますよ」


 真面目な顔でそういってくるので、そうじゃない、と一蹴すると、「ブシュゥゥ」と音を立てて再びベッドに沈んでしまった。 自爆キャラらしい。


「ってそうじゃなくて、ディーバはその状態で、戦ったりとかはできるのか?」


 そう聞くと、彼女はキリッっと音がなりそうなぐらい冷静になって、


「もちろんです。 私は、剣の時の性能を引き継いだまま人になっています。 なので、恐らくかなり強い方だと思います。 それに加え、シンヤくんとともに倒して魔物の数だけ、私のレベルもあがっています」


 彼女はそう答えたので、<鑑定>を使って見た、すると、

======================================================================

ディーヴァテイン 歳:不明 女 種族:人族(特異体) レベル:85

職業:剣豪

体力:∞

魔力:80850

筋力:∞

俊敏:65000

耐久:∞

固有技能:<不老不死> <再生> <全魔法支配>

技術:索敵 剣豪 衝撃

======================================================================

「一体どういうことだ?」


 俺が頭の中に疑問を増やしていると、代わりに彼女が答えてくれた。


「以前私についていた、<破壊不能>や<自動修繕>、<全魔法属性>が、形を変えてこうなったようですね。 職業などは、私が剣であったことに影響しているらしいです。なにはともあれ、これで私が人族であることは証明できましたね!」


「......特異体だけどな」


「そんな些細なことはいいんですよ! それより、早くギルドに行きませんか? 私、冒険者、やってみたいんですよ」


 そう言って彼女は、俺を連れ出す。 そのまま宿を出ると、


「シンヤくん......冒険者ギルドって、どっちでしょうか....」


 少しがっかりしながら聞いてきたので、案内してあげる。


「あっちの方だ。 ついて来て」


 そういって連れていくと、彼女は、外の世界が新鮮なのか、キョロキョロとあっちこっちに視線を向けながら、それぞれに対して「おー!」だったり、「何あれー!」と感想を呟いていた。


 そうこうしていると、冒険者ギルドについた。 中に入ると、いつもの雰囲気に戻っていた。 取り合えず、ディーバの冒険者登録を使用とすると、先に上から降りてきたギルドマスターのアルレイドに声をかけられる。


「シンヤ、お前に話があるんだが.....そっちの嬢ちゃんはお前の連れか? これからに影響することだから、そっちの嬢ちゃんも関係があるんだったら来てくれ」


 そういって、アルレイドは上にいってしまう。 横にいるディーバを見てみると、


「ダメ、ですか...?」 


 そういって、涙目になりながら言われたので、咄嗟に頷いてしまった。 それに対し、ディーバはすぐにニコッっと笑顔になると、俺の手をとって上へ連れてかれた。


 俺たちは、アルレイドの例の部屋の前に入る前に一応ノックをすると、


「入っていいぞ」


 との声がしたので、扉を開けて中に入る。 いつも通りソファーに座るよう促されるので、俺は先に座り、ディーバは俺の横に座った。


「さて、シンヤ。 この話はお前の今後に影響してくる話だ。 心して聞いてくれよ」


 そういってきたので、無言で頷いた。 そこで、一呼吸おいて、アルレイドは単刀直入に言ってきた。


「勇者たちが、帝国のある学院に入学することになったらしいんだ。 そこでだ。 お前もどうだ? 星野真也」


 星野真也、そう言われたことの意図を俺は瞬時に理解する。 隣にいるディーバから殺気が漏れていたため、手で制して、返事をする。


「偽名でその学院に入学することはできるか?」


 そう言うと、アルレイドはニヤリと笑って、


「ああ、できるぞ。」


 そう答えた。


「いつから入学することになるんだ?」


「今頃、向こうでは入学試験が行われている。 お前たちの場合は特別なコースになるから、大体2週間後になるだろうな。 俺がそのことを向こうに伝えれば、明確な日時が返ってくるはずだ」


 そう返ってきたので、取り合えず色々と質問してみることにしたところ、どうやらその学院は、騎士学科と魔法学科に分かれているらしく、両方とも帝国内でトップのレベルの高さを誇るようだった。 他にも聞いてみてが、考えは変わらず、俺は入学することにした。


「俺とこいつ、ディーバを騎士学科に入学させることはできるか?」

「もちろんだ。 そう学院長に伝えておくから、1週間後ぐらいにギルドに来い」


 そういって快く引き受けてくれたため、俺たちはそのまま部屋をでた。 その後に、ディーバの冒険者登録をし、ディーバと一緒に食事をしたり、買い物をしたりしていたら、いつの間にか夜になっていた。 食事を終えて部屋に戻ると、1つ問題があった。


「どうやって体を洗おうか......」


「ディーバは、魔法を使って体を洗い流すことぐらいはできるか?」

「は、ははい! 多分できるでしょう!」


 少々心配だったが、彼女を信じて、俺たちは互いに見えない方向を向いて、体を洗った。俺は、扱いに慣れているので、すぐ終わった。 しかしそのあとすぐに、


「ザッバーン」

「キャァァァーーー!!」


 そんな音と声が聞こえる、ため息をつきつつ、どうしようかと思って後ろを向くと、案の定タオル1枚を巻いてびしょ濡れの彼女がいた。 そんな彼女を乾かすため、風魔法と火魔法を使って適度な温度の風を彼女に浴びせる。


「むぅ......」


 少し不満げな様子だったが、取り合えず見た目は乾かし終わったので、俺は再び後ろを向く。


「絶対後ろを向かないでくださいね!」


 そんなことを言われる。 着替え終わったのか、音が聞こえなくなると、背中から抱き着かれた。


「今日もお疲れさまでした。 大好きですよ、シンヤくん。」


 そういって頬にキスされる。 それにドキドキしながら、取り合えず話を切り替えようとする。


「そ、そうか。 じゃあ、俺は床で寝「ダメです」え、あ、あの「ダメです」...」


 そういって彼女の筋力∞でがっちりホールドされ、ベッドまで連れていかれる。 そのまま寝かされ、添い寝のようにディーバが横に寝る。


「おやすみなさい。 シンヤくん。」


 そう言われたので、恥ずかしくてそっぽをむくと、後ろから抱きしめられる。なにからなにまでドキドキしてしまって、眠れそうになかった


「うふふ、眠れないですか? でも、大丈夫ですよ。 私はいつまでも、こうやって、あなたのことを離したりしませんから」


 そういって、手に籠める力を強めて、よりつよい力で抱きしめてくる。 その言葉と温かさに安心したのか、自然と体が眠たくなってきたのを真也は感じた。 そして、眠ってしまう前に、


「-------------おやすみ、ディーバ。 ...........ありがとう.....」


 本当に小さく言ったつもりだったが、聞こえてしまったのか、最後にディーバが、「ふふっ」と笑う声が聞こえた気がした。 そうしてディーバの温もりを感じながら眠ったシンヤは、ぐっすりと眠ることができたのであった。





 


 














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